2005.05.24(77)

「ルイジ・コラーニのペン」

ペリカン

No.1

ペリカン No.1 ボールペン

ルイジ・コラーニ。ベルリン生まれのインダストリアル・デザイナーである。コラーニ氏は、ユニークな流面形のデザインを数多く手がけている。その守備範囲は靴、飛行機、トラック、自動車、カメラ、椅子などとても幅広い。ルイジ・コラーニ氏のことを色々と調べていくうちに、ユニークな流面形デザインのベースには地球の環境問題という氏の切実な想いがあることが分かった。

■ 自然界の生き物をモチーフにした流面型

例えば、トラックは角ばっているものが多いが、コラーニ氏がデザインすると見るものを圧倒してしまうほどの流面形になってしまう。それは、空気抵抗を考え抜いたもので、通常の角ばったトラックよりも燃料がなんと30%も節約できるというものだった。資源であるエネルギーを浪費しない1つの方法として、流面形があるようだ。コラーニ氏がそうした流面形デザインのモチーフにしていると言われるのが、自然界の生き物だ。その自然な形は少しの力でより早く、長く移動することができるものだと言う。

流面形は、スタイルがよいということだけでなく、エネルギーを浪費しないという地球環境の大きなテーマがあったのだ。その、ルイジ・コラーニ氏がデザインしたペンがある。ペリカン No.1だ。

ペリカン No.1 ボールペン

ボディ全体は樹脂で出来ている。ちょっとザラザラした質感のある表面加工は樹脂ながら、上品なたたずまいを見せている。控えめではあるが、コラーニ氏の流面形はしっかりと健在だ。

■ グリップは緩やかな三角軸

握ってみると、グリップが三角軸をしてることに気づく。ペンを握る時に力が加わる、親指、ひとさし指がくる面はいくぶん大きくなっており、残りの面、つまり中指で支える面は小さくなっている。単純な正三角ではなく、人間の指を考え抜いたフォルムになっている。

ペリカン No.1 ボールペン

握ってみると、これがとてもしっくりとくる。特に指先にそれほど力を入れなくとも自然に握ることが出来た。ボディと一体成型されたクリップは、強度を保つためだろうかクリップの根元が厚めになっていた。このクリップを横から眺めてみると、ブランド名でもある鳥のペリカンを思わせる。氏の自然界をモチーフにということが垣間見えて楽しい。

ペリカン No.1 ボールペン

ボディのサイドには、スライドノックがある。

ペリカン No.1 ボールペン

それは、ボディ面から大きくはみ出ることなく、すっきりと収まっている。ノック面には出っ張ったドットが等間隔で配置されており、親指のはらで、簡単にスライドすることができる。そのノック面の反対側には、DESIGN by Luigi Colani と控えに彫りこまれている。

ペリカン No.1 ボールペン

コラーニ氏のデザインの根底に流れているエネルギーを浪費しないという点から、このペリカン No.1を見てみると、、、このペンで大気汚染が減少する訳ではない。しかしながら、絶妙な三角軸でとても握りやすく、書きやすいので、文字を書くときのエネルギーという点で見た時にく行為には、それほどエネルギーを使わずにすむ。

その分、書くための内容を考えるというほうにむしろ使えるような気がする。これもエネルギーの有効活用のひとつと言えるのでは・・・ちょっと、深読みしすぎだろうか。。。

< ルイジ・コラーニ氏に上記の疑問を直接お尋ねしてみました! >

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