2004.11.02(50)

「ナナフシみたいなペン」

トンボ鉛筆

Zoom707

トンボ鉛筆 Zoom707

「そのペン、中身の部分?」会社の同僚がこのペン見てそう聞いてきた。

トンボ鉛筆 Zoom707

はじめ何を言っているのか全くわからなかった。 どうやら、ペンの中に組み込まれている軸だけで書いていると 見えたようだ。人それぞれ、いろんな見方があるのだなと思った。 やれやれ・・・言われてみれば、確かにそう見えなくもない。今回は、トンボさんのZoom707です。

トンボ鉛筆 Zoom707

以前、私はZoom707のボールペンを愛用していた。それが、ついこの間、何かの拍子になくしてしまった。手元からなくなってしまうと、愛着というものは増すもので、 いてもたってもいられなくなり、買いに走った。今度は、ちょっと気分を変えてシャープペンにしてみた。

■ 海外での評価が高い

このトンボデザインコレクションZoom707は、かなりのロングセラーで、 発売はなんと、1987年という。今から17年も前ということになる。 トンボ鉛筆のデザインコレクションは新しいところでは、XPAやハバナなどがあるが、 このZoom707は初期からラインナップされていて、今なお販売され続けている。

デザイン的な評価が高く、1988年のドイツ国際デザイン賞「Design Innovation」では「Best of The Best」賞を、 その翌年、世界最大の文具の展示会フランクフルトメッセでは「DESIGN PLUS」などを受賞している。斬新でスリムなデザインは日本よりも、どちらかと言えば、ヨーロッパでの評価が高いようだ。

トンボ鉛筆の商品企画ご担当の方によると、 デザインは社内のデザイナーさんによるものだという。「筆記具は、使いやすい形状でどこまで細く出来るか」 というデザインコンセプトをもとに開発されたそうだ。

単に細くしただけでなく、デザインのエッセンスもしっかりと加わえている点に老舗筆記具メーカーの心意気を感じてしまう。同僚に言わせるとペンの中身ということになるが、私には、虫のナナフシに見えてしようがない。 ナナフシとは体が木の枝ような細い形をしていて、 木の枝に潜んでいると枝と区別がつかなってしまう虫のこと。

この707を虫に見立てているのは私だけではないらしく、ドイツでは「リベロ」という愛称で親しまれているそうだ。「リベロ」とはトンボという意味。トンボの羽を取った形に似ているということらしい。ちょっと痛々しい話だ。

■ 一見細く見えるグリップは実は握りやすい

スリムなデザインながら、ラバーのグリップ部分はたる型をしていて、握る部分が微妙に太くなっている。実際に握ってみると、 これが見た目よりもはるかに手にしっくりとくる。

気になって、その太さを測って見たところ 一番太いところで約6mm。 そう言われてもイメージ出来ないかもしれないが。 比較的細身なペンであるクロスのボールペンと比べてみると その差、約1mm。Zomm707の方がわずかに細い程度だった。

トンボ鉛筆 Zoom707

なるほど、これなら書きやすいと納得がいった。 見た目にはスリムな印象を与えつつ、握りやすさもしっかりと 確保されたデザインはお見事。胴軸には鉄が使われているが、スリムなデザインのおかげでとても軽量な仕上がりとなっている。

ノック部分はまるでアコーディオンのようになっているのでついついノックしたくなる衝動に駆られてしまう。芯をどこから入れればよいか迷ってしまいそうだが、普通のシャープペン同様ノックボタンを引っ張ると芯の入れ口が出てくる。収納されるシャープペンの芯は0.5mmのみ。3本も入れればいっぱいになってしまう。

トンボ鉛筆 Zoom707

スリムな軸には、これまたスリムなクリップが付いていて、先端の赤い玉がデザインのポイントともなっていて楽しい気分を演出してくれる。機能的にも、十分なクリップで、シャツにもノートの表紙なんかにもこの赤い玉でしっかりととめることができる。小さくたって、細身だって、デザイン性を表現できるのだと思わせてくれるペン。

手帳やシャツのポケットなど、ちょっとした隙間にも楽々収まってしまうけど、ナナフシのようにどこにいったのか、わからなくなってしまう、ということがないように気をつけたいものだ。

トンボ鉛筆 ZOOM707 2,000円+Tax
トンボ鉛筆 ZOOM707 ボールペン

*関連コラム
■「葉巻のようなペン」トンボ鉛筆 デザインコレクション HAVANNA
■「ようやくわかったこのシンプルな良さ」トンボ鉛筆 デザインコレクション ZOOM980
■「地球に優しいスリムボディ」ラミー スピリット ペンシル