文具で楽しいひととき
■ 「サバイバルから鉛筆削りまで 」 ウェンガー ソルジャー ナイフ  3,360円


□欧米では、プレゼントに縁起物としてナイフを贈ることがあるという。

 その理由として、「ナイフは未来を切り拓く」という意味がこめられている
 そうだ。

 私なんかは、「ナイフ→切る→縁を切る」みたいに考えてしまうが
 モノは考えようだ。

 実は、ずいぶん前に友人がアメリカ留学するお祝いにナイフを贈った
 ことがある。

 その時に贈ったのが、今回ご紹介するウェンガー社のソルジャーナイフ。
ウェンガー ソルジャー ナイフ


□ウェンガー社と言えば、スイスアーミーナイフでとても有名。
 その歴史は古く、スイス・ジュラ地方で1893年にさかのぼる。
 
 ウェンガー社は数多くのスイスアーミーナイフを世に送り出しているが、
 その中でも、ひときわ輝きを放っているのが、このソルジャーナイフだと
 私は思う。

 「ソルジャー」つまり「兵士」。
 1902年以来、スイス陸軍兵士全員に配布されるナイフに
 採用されたつわものだ。

 
□スイスアーミーナイフと言えば、レッドのボディを思い浮かべるところだが、
 このソルジャーはシルバーとなっている。
 表面には、細かな格子状のでこぼこがあり、軍用ナイフという雰囲気と
 実用面では、確かなグリップを約束してくれる。

 アルミ製のボディながら、持ってみると以外とずっしり重い。
 これは、中に仕組まれているブレードの重厚なステンレス鋼のおかげだろう。
 この重量感がなんとも心地よい。


□この手のひらサイズのソルジャーには4つのツールが仕組まれている。
 
 その4つのツールから繰り出される機能は全部で8種類。
 戦場で使用する必要最小限の構成となっている。

 ナイフ、精密ドライバー、缶きり、キリ、ワイヤーストッパー、栓抜き、
 マイナスドライバー、キーリング。


ウェンガー ソルジャー ナイフ


 缶きりや栓抜きはあっても、アーミーナイフお馴染みのワインの
 コルク抜きはさすがになかった。
 軍用だから、いたしかたない・・・


□私自身、このナイフを年に1回のキャンプ以外に、
 日頃の鉛筆削りに使っている。

 鉛筆を削るには、ブレードがちょっと長めだが、切れ味は抜群だ。

 鉛筆によっては、ナイフで削りやすいもの、そうでないものがある
 ような気がする。

 ちなみに、ファーバーカステル社のGRIP2001、
 ステッドラー社のエルゴソフト、三菱鉛筆社のHI UNI、
 トンボ鉛筆社の木物語あたりは個人的にとても削りやすく感ずる。


ウェンガー ソルジャー ナイフ


 普段、鉛筆削りで削っていると、こういうことになかなか気づかない。

 こうして、ナイフで削ると、1本1本の個性のようなものがわかって、
 とても愉しい。


□そうそう、以前に私がソルジャーナイフをプレゼントした友人は
 その後、とあるベンチャー企業の役員となり、株式上場まで果たしたと
 聞いている。

 私の贈ったソルジャーナイフが彼の未来を切り拓いたのだろう・・・
 と勝手に思ったりしている。


(2004年6月8日作成)




 ■ ビクトリノックスですが、ソルジャーは、こちらで販売されています。


□ これまでご紹介した鉛筆関連のコラム

 ■ 「最後まで鉛筆を慈しむ道具」 鉛筆補助軸いろいろ

 ■ 「老舗文具屋さんのシンプル鉛筆」 伊東屋 イートンペンシル  

 ■ 「大人の鉛筆削り」 DUX社 鉛筆削り

 ■ 「ちょっと変わった2刀流 鉛筆削り」 KUM社 ロングポイント鉛筆削り
 ■ 「やっぱり鉛筆。」  ファーバーカステル UFOパーフェクトペンシル 

 ■ 「三角形軸の鉛筆」 ファーバーカステル GRIP 2001、ステッドラー Mars エルゴソフト

 ■ 「ありそうでなかった組み合わせ」 トンボ鉛筆 黒赤鉛筆 木物語
  
 ■ 「レトロなエンピツ」 三菱鉛筆 局用鉛筆 

 ■ 「鉛筆を愉しもう」  



 ■ 「空気も切れそう」 アドラー 洋鋏 285-5

 ■ 「梱包作業が楽しくなる」 マコト・オリサキインターワークス研究所 or-ita|オリタ Mother-model type

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