文具で楽しいひととき
■ 「 『書く』、『消す』を等価値にしたシャープペン 」  スタビロ スマートグラフ 1,260円


 


□聞くところによると、
 アメリカではシャープペンの後に付いている
 消しゴムをよく使うという。

 そのせいかアメリカでは、
 シャープペンの消しゴムのリフィル単体が
 スーパーあたりでも普通に売っているそうだ。

 日本では
 シャープペンに付いている消しゴムを
 使うということは、あまりない。

 あくまでも緊急用といった位置づけだ。

 では、
 アメリカではなぜ
 よく使われているのか。

 それは鉛筆、
 中でも「消しゴム付き鉛筆」に
 理由があるようだ。

 そもそもアメリカでは
 「消しゴム付き鉛筆」が大変普及している。

 この消しゴム付き鉛筆を使う時というのは、
 まず鉛筆側で書く。

 そして、
 消す時は鉛筆を逆さまにして
 消しゴム側でゴシゴシとこする。

 この書いてはペンを逆さまにして
 消すというスタイルが
 すっかりと浸透してしまっているので、
 鉛筆がシャープペンに変わったところで、
 そのスタイルは変わらず、
 シャープペンの消しゴムをよく使うという
 ことになったのだろう…きっと。

 そうしたアメリカの人たちほどではないけども、
 私は、日本人にしては
 シャーペンの消しゴムを
 かなり使う方だと思う。

 ペンケースから消しゴムを出すのが面倒くさくて、
 シャーペンの後ろ側でついつい消してしまう。

 だから
 シャープペンを買う時には、
 消しゴムがちゃんとついているかを
 必ずチェックする。

 その点でいうと、
 このスタビロのスマートグラフは
 消しゴムの位置付けが
 とても大きくなっているのが特徴。


□そうは言っても、
 シャープペンなので、
 まず「書く」ほうから見ていくことにしよう。


 


 スタビロのペンでは、
 もはや定番となりつつある
 グリップが握りやすいよう
 3カ所が凹んだスタイルなっている。


 


 凹んでいるというよりかは、
 ごっそりとそぎ落としたと言った感じに近い。

 そのそぎ落とし具合が
 少し凝っていて、
 ペン先に行くに従いに右側にずれている。

 これは3ヶ所とも同じだ。

 私が買ったタイプは右利き用。

 おそらく、
 この右側にずれてるのは
 右利きの人が
 握りやすいという配慮のためだろう。


 


 私のホームポジションからすると、
 この「右ねじれ」は
 少々違和感がある。

 私の握り方が
 正しくないからなのだろう。


□次に、
 ペンの反対側に目、
 そして手を移してみる。

 そこには
 シャープペンならあたりまえの
 ノックボタンがある。

 当然、
 ここをノックすれば
 カチカチと芯が出てくる。


 

 


 そのノックボタンを引っ張ってみると、
 スポッと外れる。


 


 普通はその中に
 消しゴムが奥ゆかしく隠れているものだが、
 これにはない。

 消しゴムはいずこに。。。

 引っ張ったノックボタンの感触を確認してみると、
 そもそも、
 ノックボタンそのものが
 消しゴムになっていたのだ。


 


 ノックボタンを押しやすくするためなのだろう
 この消しゴムは結構硬めの質感になっている。

 といっても、
 このボタン全体が消しゴムで作られている訳ではなく、
 下側は
 プラスチックで出来ている。

 よくよく見てみると
 プラスチックパーツと消しゴムの間には
 境界線みたいなものがあった。

 どうやら接着剤か何かで
 しっかりと固定されているようだ。

 このように見た目には
 完全にノックボタンに同化してしまっている消しゴム。

 では、消しゴムとしての
 消し心地はどんな感じなのだろうか。

 実際に消してみてみると、
 思っていたよりもなかなかの消し心地だった。

 こうしたシャーペンついている消しゴムと比べると、
 紙の上を消しゴムを滑らせるタッチが
 ややスムーズであった。


  


 考えてみると、
 普通のシャープペンに付いている消しゴムは
 表面がガサガサとしているが、
 これはツルツルとしている。

 まるで
 普段私たちが使っている
 四角い消しゴムのような質感だ。

 これは私の想像だが、
 きっと四角い消しゴムを
 付けたのではないかと思う。

 この手の普通の消しゴムは、
 やわらかめなので
 シャーペンの消しゴムにするには
 適さない。

 しかし、
 今回のスマートグラフの場合は、
 そもそもノックボタン自体と大きいこともあり、
 採用することができたのかもしれない。

 その消しゴムをクネクネと曲げようとすると、
 消しゴム単体でをちょっと味わえない
 内側に芯の強さみたいなものがあった。


 


 これも憶測になるが、
 先程のプラスチックパーツが
 消しゴムの内側にまで及んでいて、
 やわらかい消しゴムを
 ちょうど骨組みのように
 支えているように感じた。


 


 なので
 文字を消すときも
 ほどよいコシの強さがあって安定感がある。

 そして、
 この消しゴムを握る部分にも
 グリップが3ヶ所そぎ落とされている。


 


 シャーペンについている消しゴムで、
 こうした握り心地まで考えているというのには
 私は初めてお目にかかった。

 指先をピタリとフィットさせ、
 ゴシゴシと消してみると
 コシのある消しゴムとがあいまって
 消し心地はとてもいい。


 


 シャープペンの書き心地よりも
 むしろこの消し心地の方に
 私は惹かれてしまった。


□このように
 消しゴム側にもグリップが付けられていることで、
 クリップは
 ペンの中央あたりに追いやられてしまっている。


 


 こうなると、
 気になるのは
 シャープペンを書いている時に、
 クリップが邪魔にならないかということ。

 特にシャーペンという筆記具は、
 常に同じグリップで書き続けていると
 芯先が
 いわゆる「偏減り」といって、
 ちょうど竹を刀でスパッと切ったような状態になってしまう。

 それを防ぐために、
 「人力クルトガ」のごとく
 自らシャープペンを回転させなければならない。

 中央に
 クリップがあるというのは
 大いに気になるところだ。

 この点に関して、
 全く OK とは言いきれないが、
 見た目ほどの違和感はなかった。

 そもそも
 クリップはボディラインに合わせて
 緩やかな曲線を描いている。


 


 しかも、
 このクリップはカチカチと小刻みに
 回転するようにもなっている。


  


 シャープペンを書いていて、
 クリップがどうしても邪魔に感じれば、
 カチカチと回転させていけばいい。


 


□シャープペンの芯は0.7mm 。


   


 そして、
 消しゴムも日本のシャープペンに比べれば
 かなりの太め。

 細かく書いて
 細かく消すというよりかは
 大きく書いて大きく消すという
 使い方に合っているように思う。


■記事作成後記

 シャーペンの芯交換は、
 ペン先側をクルクルと回して分解して行います。



■追記

 上記芯交換方法、私の勘違いでした。

 ふつうに消しゴム(ノックボタン)を外せば
 芯は入る仕組みでした。

 大変失礼いたしました。






(2012年12月18日作成)


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