文具で楽しいひととき
ぺんてる
グラフレット 0.9mm
お店でこんな製図用シャープペンがあったのかと手にとった。これまでノーマークな一本だった。しかも私の好きな0.9mmがあるではないか。時代の流れに取り残されたようなクラシカルな雰囲気を身にまとっていて、売り場の中でもちょっと埋もれていた。それが逆に私の目を引いた。しかも500円+Taxというリーズナブルプライス。
■ 本格派製図用シャープペン仕様
製図用シャープペンの基本を押さえた仕様となっている。すなわち、ペン先のロングスリーブ(4mm)、芯の硬度表示が選べる、そしてクリップが取り外せるというものだ。
ノックボタンの先端にある0.9mmのイエローがぺんてるシャープペン愛用者の私には安心感がある
ボディは一見するとブラックのようだが、よくよく目を凝らしてみるとかなり濃いブラウン。このダークブラウンと0.9mmのイエローがよく合っている。
手にしてみると軽い。グラフ1000のような重みはない。むしろP209に近い。ただP209と少し違うのはメタルグリップによるわずかな低重心が味わえるところだ。決して大げさではないあくまでも優しい低重心。グリップの色こそ違うが、ストレートボディに加えペン先のガクンガクンという形はグラフ1000によく似ている。並べて比較してみると、ペン先のガクンガクンの微妙なバランスが違っていた。
ペン先を分解するときに回しやすい溝がついている
■ 私の好きな自然な書き味
握る位置によって3種類のグリップが楽しめる。メタルグリップの先端の方は格子状になっていて指先の指紋にピタリとフィットする。しっかりと書き込みたい時はここを握るといい。その上の方はストレート溝。縦方向に自由度を持たせたグリップになる。そしてプラスチックボディは角がなだらかな六角軸。結構ロングボディなためここら辺を握っても余裕がある。しっかり、少し自由、緩やかさの3つのグリップを選んでいける。
私のレギュラーポジションはメタルグリップとプラ軸を9:1の割合で握っていく。自由度のあるストレート溝は私にはちょっと落ち着かなかった。もう少しだけフィット感が欲しいところだ。そこでペン先を分解してメタルグリップのパイプを取り外して逆向きにセットしてみた。硬度表示は無効になるが、私のグリップポジションでの握り心地は向上する。気になるところがあれば遠慮せず自分好みに引き寄せていく。
いつもの様にボディのロゴは書く時に目に入らないよう後ろに回していている。この方が集中して書いてける。
安心の真鍮チャック
*
軽くそして優しい低重心の書き心地。P209派の私にはしっくりとくる書き味だった。どちらか1本ということになると、私にはやはりP209の方がいい。そのサブペンシルという位置付けになりそうだ。今のペンシルにはないクラシカルさもクラシカルな年代の私にはむしろちょうどいいではないかと思っている。
ぺんてる グラフレット 0.9mm
ぺんてる P209 0.9mm
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