2007.01.30(123)

「サブ万年筆を持つ」

セーラー万年筆

プロフェショナルギア スリムミニ万年筆

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

よくプロカメラマンの方がメインで使うカメラの調子が悪くなった時のために、サブカメラというものを持っている。例えば、リコーGRやコンタックスT2など、そのどれもがコンパクトなのに、プロも納得の機能をしっかりと備えている。こと万年筆においても「サブ万年筆」という考えがあってもいいのではないかと思う。

その筆頭として、ご紹介したいのが、セーラー万年筆プロフェッショナルギア スリムミニだ。この万年筆、以前にご紹介したプロフェッショナルギアのコンパクトシリーズのひとつである。

レギュラーサイズをベースに以下の3つがラインナップされている。

・軸を短くしたミニタイプ、
・軸を細くしたスリムタイプ、
・軸を短く、かつスリムにした今回ご紹介しているスリムミニタイプ。

スリムミニがシリーズの中で最もコンパクト化が計られたモデルだ。

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

■ とっても短いボディ

この様に、細く短くなっている訳だが、細さについては、確かにレギュラーサイズよりも確かに細くはなっているものの、取り立てて細いという感じはしない。しかし、軸の短さについては、並々ならぬものがある。長さにして10cmちょっと。ラミーピコを少しだけ長くしたくらいしかない。レギュラーサイズと比べると、ペンの後軸だけをチョキンとカットしているようなスタイルになっている。

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

一方のキャップ部分はさほどコンパクト化が計られていない。そのキャップの中には当然ペン先が入っている。つまり、万年筆の命であるペン先は必要以上にコンパクトにせずに、しっかりと本格さが保たれているという訳なのだ。こんなところが、「サブ万年筆」らくしく良いと思う。

■ 14金ペン先

ボディの半分以上を占める大きなキャップをはずすと、14金のペン先が現われる。

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

レギュラーサイズより、ひと回り小さいものの、セーラーらしい作りこみの良さがしっかりと見てとれる。キャップをはずしたままでは、あまりにも小さすぎて、ペンがすっぽりと手の中にはいってしまい、到底書くことはできない。

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

はずしたキャップを尻軸にセットすることになる。尻軸には、ご丁寧にネジ山が切られている。

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

その尻軸にキャップをクルクルと装着していると、小さい万年筆を組み立てて使う、みたいな気分が味わえてなかなか愉しい。このネジ山、精巧に作られており、クリップをペン先にあわせたところからクルクルと回転させると、うまい具合にクリップが上側に向くようになっている。無事、キャップをセットしてみると先程とはうって変わって、ミニ万年筆とは思えないほどの必要にして十分なサイズになる。

■ 尻軸にキャップをセットするとちょうどよい長さに

レギュラーサイズと比べてみると、収納時には、スリムミニの方が明らかに短かったのが、こうしてキャップを尻軸にさしたとたん、レギュラーサイズと遜色ない長さになる。

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

実は、先ほどのネジ込み式は、ボディサイズを長くさせるという役割も担っている。どういうことかと言うと、ネジ式ではなく、よくあるはめ込み式だと、キャップは、尻軸に深々とはいってしまい、ボディはその分短くなってしまう。

しかし、ネジ式ならば、必要以上に尻軸に入り込むことなく長さを保つことができるのだ。しかも、ネジであることで、キャップがしっかりと固定できるというオマケつき。夢中で書いていて、キャップがポロッとずれ落ちるとい心配はまずない。

普段は小さく、いざとなると本格万年筆のように使えるというまさに、「サブ万年筆」と呼ぶに相応しいつくりだ。

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

書き味は、やや小さめなペン先と小ぶりなボディとのバランスがとてもよく、快適そのもの。スイートスポットに入った時のペン先のスムースさは、書いていて思わずニヤリと笑みがこぼれてしまう程。

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

【ペン先はM(中字)】

小さいとは言え、外出先での本格的な執筆にも十分耐えうる。コンパクトということで、しいて欠点を挙げるとするならば、コンバーターは使えず、カートリッジインクだけとなってしまうことがある。

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

ならば、メーカー純正のインクしかつかえないのでは、、、そう思う方も多いと思う。しかし、以下のような方法をとれば、カートリッジインクでありながら色々なボトルインクを愉しむことができる。

■ カートリッジに好きなインクを入れる

これは、ブログで交流させていただいているZEAKさんに教えていただいたことなのだが、100円ショップのスポイトを使う方法がある。ちなみに、このスポイトはもともとは化粧品を詰め替えるためのもの。それと、使い切ったインクカートリッジを用意する。

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

すでに実践されている方もいらっしゃるかも知れないが、スポイトでもって、好きなボトルインクからインクを吸い上げ、空のカートリッジにインクを注入するというもの。

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

こうすれば、色々なインクでサブ万年筆を心ゆくまで満喫することができる。

セーラー万年筆 プロフェショナルギア スリムミニ 万年筆

メインの万年筆の補助的な意味合いで、このスリムミニを私は手に入れたのだが、なんのなんの、サブとしてだけでなく、メインで使うにも全く申し分ない。

■ ZEAKさんのブログ「私的電脳小物遊戯」
インク注入用の記事はこちら

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