2004.07.13(35)

「芯の出具合いを調整できる」

ステッドラー

REG シャープペン 

ステッドラー REG シャープペン

だれにでも、その人なりのベストポジションというものがある。車のシートの位置、毎朝乗り込む電車の車両、行きつけのラーメン屋のカウンターの席、などなど知らず知らずのうちに、自分なりの基準みたいなものが決まっている。そんな自分のベストポジションが自由に調整できるシャープペンが「ステッドラーREG」。

■ ワンノックでベストな芯の出具合にできる

このREGはREGULATOR、つまり「調整する」ということ。どこが、調整可能かといえば、芯を出す長さをお好みに応じて調整できる。「芯の長さが調整できる?」「それってそんなにすごいの?」と思われるかもしれない。私はこれって結構便利だと思う。

通常は、ペンのノック部分を押せばある一定の長さの芯が好むと好まざるによらず出てきてしまう。ベストポジションでない状態で書くと・・・・芯が長すぎれば、折れないようにと気を使い、逆に、短すぎればちょっと書いただけで、すぐにノックが必要となる。このREGなら、はじめに設定しておけば、1回のノックで毎回、ベストポジションが出てくる。この機能は、急いでいる時にはとっても助かる。

ステッドラー REG シャープペン

■ ノックボタン下のネジで調整

それでは、この芯の出具合の設定をどのようにして行うかというと、ノックボタンのちょっと下に、「よかったら、回してみてください」といわんばかりのネジがある。それを回すだけで調整が出来てしまう。この調整機能、今回初めて搭載されたものではなく、以前にもあった。

ただ、今回のREGで注目したいのが、調整の具合を小窓で確認できる点である。先ほどのネジの下に小窓があり、ネジを回すと黒い部分が増えたり、減ったりする。黒が増えれば芯は長く、黒が減れば芯は短くと大変わかりやすい。ドイツ製品によく見かけることだが、説明書なしで直感的に操作方法がわかってしまう、こういう仕掛けはたいしたものだと関心してしまう。

ステッドラー REG シャープペン

さて、私のベストポジションはこの小窓の黒のスペースが70%位になったところ。芯の長さで言えば1.5mmくらいといったところだ。さすがステッドラー、ペン本来の機能にも一切の抜かりがない。手にしてみるとよくわかるが、重量配分が絶妙で、ペン先側にいくぶん重があるので、書くときのバランスがとてもよい。

さらに、グリップ部分はこの手のペンの恒例のギザギザ仕様となっている。ただ、ちょっと他と違うのは、見た目ほどざらざら感がない。どちらかと言えば、滑らかな手触りが得られる。これはこれで、手にしっくりきて、いい感じだ。

ステッドラー REG シャープペン

ちなみに、この原稿もREGで書いている。1回のノックでベストな芯が現れるので、思考の中断が少なくて済む。気のせいか、いつになくペンがよく進む、気がする。

多様化が叫ばれている昨今、既成のものに自分を無理やり合わせるのではなく、自分の一番楽な状態で使えるこういう商品は今の時代とてもよいと思った。日々の生活もぜひそうして行きたいものだ。

ステッドラー REG シャープペン

*関連コラム
「プロの道具」ステッドラー芯ホルダー マルステクニコ MARS-780C
「 アメリカン ヴィンテージを感じさせるシャープペン」レイメイ藤井 A.G SPALDING & BROS シャープペン
「ジャパン クラシック シャープペン」ぺんてる グラフペンシル

文具コラム ライブラリー
pen-info SHOP