文具で楽しいひととき
晒し布
瞬記をはじめ、草稿、フレームマンスリーペーパー 、時計式ToDo管理ふせんなど日々万年筆を使って私は書いている。私の1日の仕事のかなりの部分は万年筆のインクで形作られていると言っていい。だからインク補充も結構な頻度でやってくる。最近ペン先のインクを拭くのにさらしの布を使いはじめている。これがなかなか心地よい。
■ さらし布との出会い
とある取材で伊東屋さんの万年筆売り場の方にお話をお聞きする機会があった。売り場で試し書きをするときなど、白い布をペン先に添えているのをこれまで何度も目にしてきた。売り場で使っているあの布はなんですか?とお聞きしてみた。ふつうのさらしの布です、と。
すぐにアマゾンで探してみると「ふつう」と言っていた意味がわかった。こんなに色々あるのかとスクロールをしなくてはならないくらい出てきた。その中で国産のものを注文した。
■ ペン先の拭き心地
反物のように平たくぐるぐる巻かれたさらしの布が届いた。かなりの長さがあるようだ。それを広げてこれくらいかなという長さで裁ちばさみを使ってジョギジョギと切っていった。
インク補充をした後にペン先周りにべったりとついたインクを、このさらしの布で拭きとってみた。まあたらしいさらし布は少しごわごわとして硬さがあったが、インクが触れるとスゥッと吸い込んでいった。重ねた状態でペン先を包むように優しく拭いていったので指先をインクで汚すこともなかった。
さらしの布は毛羽立ちが少ない。手ぬぐいなどにも使われているものだ。万年筆にも安心して使っていけそうだ。
■ 洗って何度も使える。
私はこの長く使い続けられるという点も大いに気に入っている。何度もインクを拭き取ってすっかりブルーインクで汚れたさらし布を洗面所で水だけでゴシゴシと手洗いした。すすぐ時にさらし布に染み込んだインクが少しずつ滲み出てきた。さすがに元の真っ白には戻らなかったが、何回か洗ってはすすぎを繰り返しいったら、そこそこ白さを取り戻した。すすいでもインクが滲み出てこなくなったらギュッと絞って外に干した。
乾いたものはクシャクシャとシワがついていた。でも新品の時よりもふんわりとしたやわらかさが出てきた。これでまたペン先のインクを拭き取っていく。
*
キムワイプがそろそろなくなりつつあるタイミングで、このさらし布のことを教えてもらい使いはじめてみた。今使っているさらし布はまだまだ何度も洗って使い続けていける。さらにグルグル巻きの新品もまだタップリ残っている。頻繁にインクを補充する私には頼もしいアイテムだ。そして、さらし布がブルーインクにどんどん染まっていくのを見るのも楽しい。
私が買ったさらし布
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