2015.01.20(322-1)

「台湾文具の旅 1」

2014 レポート

台湾文具の旅 2015

じわりじわりと寒くなりはじめた12月初旬。羽田空港から一路台北に向かった。目的は、12月5日~7日まで、台北の大手書店兼文具店の「金石堂」で開催される日本手帖の会主催による「手帳100冊!書きくらべ総選挙!」イベントに便乗参加させて頂くため。

私自身、台北は初めての訪問。かねてより訪ねてみたいと思いつつ、なかなか機会がなかった。ある時、日本手帖の会の間辺事務局長から台湾でイベントを開催するので、一緒に行きませんか?と声をかけて頂き、渡りに船とばかりにご一緒させていただくことにした。

まずは、いつもの海外レポートのように台北の雑感から。。空港に着いて最初に感じたのがトイレやイミグレーションなどの案内看板が日本と同じような色、そしてデザインであったことだった。なんだか日本に似ているなと思いながら歩いていると、そう言えば、その国特有のにおいみたいなものが感じられないことに気づいた。海外の空港に降り立つと、その国ならではのにおいというものがあるものだ。

これは降りたってすぐでないとわからない。というのも、すぐに慣れてしまうからだ。意識して鼻をクンクンさせてみたがそれがなかった。確かに3時間半飛行機に乗っていたわけだから海外である台北に来たはずなのに、なんとなくその実感がわいてこない。

そんなことを感じつつスーツケースを受け取り、まずは、間辺さんと真っ先に向かったのがSIMカード販売カウンター。台北でのライフラインとなる携帯電話の開通作業だ。片言の英語で、この携帯に合うSIMカードが欲しい、滞在期間は3日間、そう伝えると、若い男性スタッフがこぼれんばかりの笑顔で300台湾ドル(約1200円)のタイプがいいですよと教えてくれた。

そんな親切な対応になんだか今回の台北滞在は楽しいものになるのではと期待がふくらんでいった。フト隣を見ると、間辺さんが、SIMカードの支払いでなにやら慌てていた。持って来たはずのクレジットカードがないとのことだった。顔面蒼白になってバッグの中をガサゴソと探している。

間辺さんにとって今回は久しぶりの海外旅行ということもあり、ただでさえナーバスになっていたことに加え、持ってきたはずのクレジットカードが見あたらず焦ってしまったようだ。もしなければ、私のカードで立て替えるから大丈夫ですよとお伝えするも間辺さんの顔はさらに白さが増していく。。バッグの全てのポケットにさながら千手観音のような感じでかわるがわる手を入れ探し続けること数分、ようやく見つかった。よかったよかったとタクシーに乗り込み金石堂書店に向かった。

私たちが降り立った松山空港は台北の中心街のすぐ近くにある。

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そのためタクシーを走らせてすぐに町中にはいる。なにか台湾らしいものはないかと子供が乗り物に乗って浮かれているように窓に鼻がつくくらいに食い入るように見ていると、牛丼の吉野家が目に入ってきた。セブンイレブンやモスバーガーなんかもあった。

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「まるで日本みたいですね」と間辺さんを見ると、先ほどの一件でまだ景色を楽しむ余裕がないようで隣でぐったり疲れ切っていた。

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町にはゴミなどが落ちている感じはなく、道路にはクラクションが鳴り響く音もなく、
いたって整然としていた。上海では、2秒に1回くらいのペースで道路のあちこちでクラクションが鳴り響いた。台湾という地は日本を感じさせるものが多く、ある意味では、とても居心地がよい。ただ一方では、海外に来たという独特の緊張感みたいなものはあまり感じられなかった。

■ 台湾の手帳ユーザーが黙々と投票

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金石堂の3階にあるイベントスペースで開催された「台湾手帳総選挙」。

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日本と同じように総勢114冊がズラリと並べられていた。

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一般公開が始めると続々と台湾の手帳愛好家、手帳・文具ブロガーの方々が集まってきた。

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台湾でも、手帳は静かなブームになっているようで金石堂の書籍売り場には、手帳ヘビーユーザーによる手帳術を紹介した本が何冊も販売されていた。

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そうした本の著者は女性ばかり。選挙会場を見まわしみると、やはりこちらも圧倒的に女性陣が中心だった。どうやら台湾の手帳ブームは女性が牽引しているようだ。投票会場では、みなさん黙々と手帳を手にとりフォーマットを確認したり自分の愛用ペンで試し書きをされていた。

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すでに日本では、手帳総選挙の今年の投票・発表が終了している。台湾では、それとは別に投票が行われその結果も別途発表されていた。結果は以下のとおり。

1位 「ほぼ日手帳オリジナル」 東京糸井重里事務所
2位 「ジブン手帳」 コクヨS&T
3位 「MDノートブックダイアリー」 デザインフィル
3位 「フリーフィールド レフトタイプB6」 ユナイテッドビーズ
3位 「トラベラーズノート」 デザインフィル

いずれも日本でも人気の手帳ばかりだ。手帳の嗜好性も基本的なところでは日本と似ているのを感じた。ただ、日本で今回1位をとった不二精機の「5年手帳」を何人かの台湾の方に紹介すると、みなさん一様にキョトンとしていた。この手帳は、スケジュールページが袋とじ式で観音開きするんですよと説明するも、台湾ユーザーの方々の反応はあまりよくなかった。

そうした中で「ほぼ日手帳」が1位を飾るという結果となった。現地の学生通訳の女の子(熱烈な手帳ファンで、しかもすごく流ちょうな日本語を話す)が、これすっごくかわいいと「ほぼ日手帳」を気に入っている様子だった。台湾では英語が話せる方が多いので私は、日本では「ほぼ日手帳」の英語版もあるよと教えてあげると、彼女は、こっちの日本語の方がカワイイ!と言って譲らなかった。

若い女子の間では、実用性よりカワイイが優先するようだ。

□台湾の手帳総選挙会場では投票だけでなく、会場の一角に設けられたコーナーで、プレゼンテーションも行われていた。

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最初に登壇されていたのは台湾の手帳ヘビーユーザーのMUKIさん。彼女が日頃どのように手帳を使っているか、そのプレゼンが行われた。プレゼンテーションは日本語通訳はなかったので、パワーポイントのスライドだけを見つめる格好となった。

それによると、マスキングテープを道路の見立てたMAPやシールや写真を貼ったり、スクラップブッキングのように手帳を活用されていた。

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■ もうひとりのプレゼンテーターは、Adaさん

彼女は手帳術の本をシリーズで3冊出版され、しかも、オリジナルの手帳まで出している台湾手帳界では、かなり有名な方だ。Adaさんのプレゼンが終わると、ファンが詰めかけ、サイン攻めに会っていた。Adaさんが監修した手帳は、とてもシンプルなフォーマット。

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マンスリーとウィークリーで余計な情報はなく自ら日付けを書き入れるフリースタイル仕様。

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ユニークなところでは巻末にピラミッドのようなブロックが山積みされているフォーマットがある。

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ここには30個のブロックがあり1日1つずつやったことを書き込み1ヶ月で全て埋まり、ゴールという頂点に到達していく。毎日のコツコツした努力が視覚的にも楽しめてなかなか面白いと思う。

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Adaさん共に

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