2005.06.28(82)

「立体感のある刻印を愉しむ」

ミドリ

エンボッサー

デザインフィル ミドリ エンボッサー

エンボスを日本語で言うと、「浮き彫りにする」「型押しする」という意味になる。エンボスという言葉自体はちょっと馴染みがないかも知れないが、名刺などに会社のマークが立体的になっているあのマークと言えばご存知の方も多いはず。

今回ご紹介するエンボッサーはそうした立体感のあるマークを刻印できるというもの。個人的に、ずっと探し求めていており、先日、偶然に入手することができた。

デザインフィル ミドリ エンボッサー

エンボッサーの本体は手の平にのっかるくらいのコンパクトサイズ。小さいながらも、意外とずっしりとくる重みがある。横から見ると小さなくじらのようなフォルムをしている。一見すると、かわいらしい印象があるが、その中でスケルトンのハンドルが全体をスマートにまとめている。

このデザインは、ドイツのステーショナリーの展示会「フランクフルトメッセ」で「デザインプラス」賞を受賞している。

デザインフィル ミドリ エンボッサー

■ カートリッジをセットして使う

本体とは別に、刻印するマークのカートリッジがたくさんあり、それと合わせて使うことになる。用意されているマークにはアルファベット文字など色々と揃っている。私は、迷わず自分のイニシャルの「T」を選んでみた。カートリッジを入れ替えれば、いろんな刻印を楽しむこともできる。

デザインフィル ミドリ エンボッサー

さて、使い方はとても簡単。先程のカートリッジを本体にセットして、刻印したい紙をくじらの口のような隙間に挟みこんで、ハンドルを押し込むだけ。押し込んだ時に、「カチッ」という音を期待していたが、特に音はしなかった。

デザインフィル ミドリ エンボッサー

音がしないので、ちゃんと刻印が出来ているか心配になったが恐る恐る紙を引き出してみると、立体感あふれる刻印がちゃんと出来上がっている。基本はこの要領で行えばいいのだが、注意すべきは、刻印する位置決めだ。

■ カートリッジで刻印の向きを調整

このエンボッサー、そこはちゃんと考慮されいて、紙を挟みこむ口には、刻印される位置を示すガイドが付いている。さらに、ハンドル部分にも十字マークがあるのでこれらを頼りにすれば、おおよその位置決めはできる。はじめのうちは、感覚を掴むまで何回か練習するといいと思う。

色々な紙に練習していると、ひとつのことに気づくはず。それは、刻印する向きについて。1枚の紙にエンボスを入れる場合、紙の上下左右のいずれからエンボッサーを挟み込むことになる。そうすると、刻印の向きが逆さまになってしまうことがある。

デザインフィル ミドリ エンボッサー

そういう時は、カートリッジをいったんはずしてみる。カートリッジの両側には、ダイアルが付いていて、それをカチカチと回せば、刻印もそれに合わせて回転してくれる。自分のお好みの位置にセットすれば、紙の4辺のどこから挟み込んでも常に適切な向きに刻印が出来るという訳だ。

使い方もしっかりとマスターしたので、早速私は、色々なところにエンボスを入れてみた。まず、名刺に。バランスがとれそうな、左下に入れてみた。エンボスを入れたとたんに、私の名刺が、ワンランク上のものになったような気分になった。印刷所で、エンボス入りの名刺をお願いすると結構な費用がかかるらしい。こうして、自分でエンボスを入れれば、とても安上がりだ。

このエンボッサーは名刺くらいの厚さまでなら十分いける。次に、お気に入りの便箋のヘッダーに入れてみた。ちょっとしたレターヘッドの出来上がり。これまた、とても高級感を漂わせている。

デザインフィル ミドリ エンボッサー

エンボス心に火がついて、とどまることを知らず、今度は、付箋紙メモの片隅に入れてみた。自分マークの入った専用のメモのようだ。以前、判子を押していた時は全く違った雰囲気になった。

デザインフィル ミドリ エンボッサー

これ以外にも、グリーティングカードに入れるのもいいと思う。エンボス独特の光と影が織り成すその刻印は、見る角度によって、きれいに浮かび上がってくる。自分のマークとして、そしてちょっとした自己主張にエンボスは、幅広い愉しみ方がありそうだ。

ミドリ エンボッサー

*関連リンク
「オリジナルのエンボスマークを作る」ニューコン工業 パーソナルシールプレス ハンディタイプ
「自分の刻印を入れる愉しみ」シーリング&ワックス
「オリジナルのグリーティングカードを作ろう」シェーファー カリグラフィーペン

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