2021.07.06(485)

「文具との向き合い方が変わった」

ドレスコ

オニオンスキン ノートブック

ドレスコ オニオンスキンノートブック

このノートブックを使ったことで万年筆の新たな楽しみ、さらには手持ちの様々な文具との向き合い方までガラリと変わった。

私は万年筆を手にするとき、いろんなシーンがある。たとえばこの原稿もそうだが草稿を書いたり、朝一番のToDoを書き出したり、一筆箋を書いたりなどだ。そのそれぞれにおいて手にする万年筆を明確に決めて使い分けている。原稿はパイロットのカスタム823 B、ToDoリストはラミーアルスター、一筆箋にはパイロットカスタム74 Mといった具合だ。それぞれにおいてしっくりとくる万年筆を手にしている。それはとても気持ちのいいことだし、その作業に集中できるというメリットもある。ただ、その一方でその使い方をすればするほど全く使えていない万年筆の存在もある訳で、そのことがずっと頭のどこかで気になっていた。引き出しの中で眠らせ続けている万年筆のことが頭の片隅に居座り続けていた。

そして、このオニオンスキンノートブックを使ってみたことで、眠らせていた万年筆を大いに活躍させることができるようになった。

ドレスコ オニオンスキンノートブックサイズはA6

■ 玉ねぎの薄皮のよう

ドレスコ オニオンスキンノートブック

中の紙はオニオンスキンペーパーという。その名前の通り、玉ねぎの薄皮のようにとても薄くシワシワがあり、かすかに半透明にもなっている。身の回りにある紙とは大きく違い、とても個性がある、というか個性しかないと言ってもいい。ノートを横から見ると中の紙のふんわりしている。よく使い込まれた辞書はふんわりと膨らんでいるが、このノートはあらかじめ一枚一枚の紙にシワがあるのでページとページの間に空気を含んだようにふっくらとしている。

ドレスコ オニオンスキンノートブック

ドレスコ オニオンスキンノートブック

ドレスコ オニオンスキンノートブック

ページの小口に親指を添えてパラパラとめくると、いつものノートよりもゆっくりとまるでスローモーションのようにハラハラとめくれていく。

ドレスコ オニオンスキンノートブック

■ いつもの万年筆の違う面を知ることに

コロナで自宅で過ごすことが増え、人と会って話すことがすっかり減った。そのせいで自分の中に色々なものがどんどん溜まり、それが私を窮屈にしていた。きっと多くの人たちがこういう思いを日々積み重ねているんだと思う。私はそれを書いて自分から吐き出してみることにした。その日にあった出来事を書くこともあれば、万年筆を手にした瞬間に頭に浮かんだことをひたすら書いてみたりもしている。嬉しかったことだけなく、そうでないことも含めて包み隠さず綴っている。誰かに見せる訳ではなく、ただただ自分のためだけに書いている。考えてみると、これまで人に読んでもらう文を書くことが多かった。書くことに常に何かしら意味をもたせていた。しかし、今回のものには意味は全くない。この意味をもたせないことはかなり自分にとって新鮮な筆記体験だった。私はこれを日記ではなく「瞬記」と呼んでいる。書く瞬間に思い浮かんだことを書いていくので。

当初はバイブルサイズのシステム手帳に万年筆に書いていた。リフィルはわんさと持っていた。特に使う予定もなかったのでそれを有効活用しようということも私を前向きにした。万年筆は最近使い出したパーカー51。この組み合わせで数ヶ月使い続け、毎回リフィルを8枚くらい書いていたので、手持ちのリフィルもみるみる減っていった。そこで、使わずじまいだったノートや手帳も同じように使ってみようと本棚から選び出したのが、このドレスコ オニオンスキンノートブックだった。

ドレスコ オニオンスキンノートブック

ページを開きパーカー51の硬質なペン先を添えて書き始めてみた。すると、いつものパーカー51とはちょっと違うタッチがあった。パーカー51はペン先のしなりはなく硬めの書き味。その硬さはもちろんあるのだが、何かが違うのである。ペン先はしならない代わりにオニオンスキンペーパーが沈み込むのである。それがなんとも心地よかった。

ドレスコ オニオンスキンノートブック

ドレスコ オニオンスキンノートブック

紙によって書き味が変わることは頭の中ではある程度理解はしていた。しかし、この書き味は想像を超えていた。数日にわたってパーカー51で新たに知ったフカフカな書き味を楽しみつつ、日々の感情を吐き出し続けていた。そして、ふと思った。これだけ書き味が変わるのなら、他の万年筆でもきっと変わるかもしれない。その時思い浮かんだのは、いつも使っている万年筆ではなく引き出しに仕舞いっぱなしの万年筆だった。試しにラミーステュディオのEFで書いてみた。これもステンレスチールの硬質な書き味の万年筆。書いてみるとやはり心地よかった。調子に乗って毎日引き出しから違う万年筆を出して書いていった。このオニオンスキンには、金ペンよりステンレススチール、そしてFくらいの細字系のペン先が心地よかった。

ドレスコ オニオンスキンノートブックさすがに裏面は文字が透けたり、インクによっては所々抜けることもある。それもこの紙の素敵な個性。

そして、この「瞬記」を書くときの万年筆のためのペンケースを用意して、そこにズラリと10本くらい入れてみた。それらを左から順番に日替わりで使っていった。普段使えていなかった万年筆を使っているということもそうだし、日々違う書き味を楽しめるのも新鮮だった。個性的なオニオンスキンペーパーに書くことで、新たな万年筆との付き合い方を知ることができた。

ドレスコ オニオンスキンノートブック



この流れをさらに発展させて、こんどは手持ちで死蔵させている別のノートや手帳でもやってみようと思っている。自分にとっての定番の万年筆やノートは軸足としてしっかりある。その軸足はしっかり踏みしめつつ、それとは別にこうして色々と使い分けていくというのもとても楽しいものがある。

ドレスコ オニオンスキンノートブック

ドレスコ オニオンスキンノートブック

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