2014.11.18(318)

「私の手帳の書き方 2014年」

高橋書店

ラフィーネ

私の手帳の書き方 2014年

今年の夏は暑かった。それはもう「暑い」というよりかは「熱い」に近い感じだった。その熱さもそんなこともあったっけというくらいにすっかり過ぎ去り体に心地よい季節がやってきた。ホッとしているのもつかの間、手帳の季節がやってきた。こんどは体の内側からさぁ手帳を買うぞ!とだんだんと熱くなってきた。

日頃、手帳はその月や週のページばかりをいつも見ているが、この手帳選びの時期だけは手帳の全体を見ていく季節である。自分が今年一年間手帳とどんな風に付き合ってきたかをチェックするためだ。

たとえば、たっぷりと書き込んで書ききれずに欄外にたくさん書いているようなら手帳サイズの変更を検討するサインになる。逆に最初の頃ころよく使っていたが、後半になると、めっきり書き込みが少ないページというのもあったりする。一年間使ってきた手帳は次はこうしたらいいよ、ということを色々と教えてくれる存在だ。

私は、毎年この時期にこんな感じで今年の手帳と真正面から向き合い、来年へと進んでいく。具体的には手帳売り場にいくということです。という訳で、今年の手帳の使い方を振り返ってみたいと思う。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

■ 一ヶ月外枠囲み方式

私が使っているのはマンスリー手帳。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

スケジュール欄はウィークリーなどがないカレンダーだけを手帳にしたようなシンプルなタイプだ。このマンスリーをより使いやすくするために数年前から取り入れているのが「一ヶ月外枠囲み方式」。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

一ヶ月という少々漠然とした期間がグルリと囲まれた面積で表され、その中で今、自分がどこにいるかを明確に教えてくれる。言わば、スゴロクみたいな感じだ。同じ月のページで外枠がないものと、あるものを比較してみるとその違いをわかっていただけると思う。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

外枠を囲むと1ヶ月というものが脳に染みこんでいくような感覚がある。もはや、私にとってこの外枠はなくてはならないものになっている。これは来年も引き続き採用していく。この外枠を書き込むために使っているのがクレタケのカリグラフィーマーカー。

蛍光マーカーと違いペン先がスパッと真横にカットされているのが特徴。これだと同じ太さのラインがキレイに引ける。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

グレーを使い、その細い方で書き込んでいる。(品番はTC-3100 No.94))

■ 肩乗せチェックボックス

予定の記入の仕方にも自分なりの工夫がある。これはいいぞ!と個人的にとても気に入ってるのが「肩乗せチェックボックス」。これで書いているのが予定の中でも特に重要な締め切りだ。

クライアントと約束した企画書の提出期限であったり、原稿の締め切り日といったものがある。また締め切りに限らず、毎月必ずやらなければならないこともこれで管理している。私の場合で言えば、月末の請求書の発送、月初に行う書類のスキャン、PCのバッグアップなどだ。

この手のものは、急にその日になって慌てるのではなく、そろそろくるぞとお茶でもすすりながら数日前から落ち着いて臨みたい。こうした予定を手帳に書き込んでそれを四角や丸で囲んでその右肩にチェックボックスの□を乗せる。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

終了したらその□を塗りつぶす。たったこれだけのことで締め切りのモレは減り、毎月やるべきこともスムーズにこなせるようになった。日を追うごとにやり終わった■でだんだんと手帳が埋まっていく。その中で□があると、これが目に飛び込んでくる。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

人は空白を見つけるとそれを埋めようとする本能みたいなものがあるからかもしれない。この「肩乗せチェックボックス」は有効だったので来年の手帳でも採用!ちなみにどうして右肩で左肩ではないのか。これについてはたぶんFacebookの更新マークが右肩にあるのにすっかり慣れているからだと思う。

■ ペンはラミー2000の0.5mm一本体勢に

手帳に使うペンはずっとシャープペンに決めている。それは消せるからだ。予定というものは変更が日常茶飯事。ただ、消せるということならフリクションもある。たしかに便利だとは思う。私のまわりでも手帳に使っている人がいっぱいいる。

私がいまだにシャープペンにこだわっているのは「消し跡」という理由からだ。シャープペンで書いたところを消しゴムで消すとかすかに「消し跡」が残る。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

何が書いてあったかがうっすらわかるのだ。この点に安心感を覚える。さて、このシャープペンは今年の一時期、2本体勢を敷いていたことがあった。具体的には0.5mmシャープペンと0.4mmの2本をセットしていた。

マンスリーは記入スペースが小さい。すでに記入した中にさらに予定を追加で書かなければならないことがある。より細かく書く時に0.4mmは便利だった。ただ、当たり前の話だが、2本のペンを手帳にセットするのはやはり無理があった。いざ、ペンを取ろうとしたときにどっちを使おうか?と一瞬迷うのも煩わしかった。

そこで、再び0.5mmだけの一本に絞ることにした。この時、芯の方を工夫してみることにした。ぺんてるから出ている「HB HARD」という芯を入れている。細く書くということで言えば、芯を細くするだけでなく芯の硬度を硬いものにするという手もあると気がついた。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

芯が硬ければ、筆跡も細くできる。とは言っても「H」にするのは少々抵抗があった。「HB」の書き味は残しつつわずかに硬いものをと考え、「HB HARD」にした。すでに数ヶ月運用しているのがこれは私にどうやら合っているようだ。普通に書け、細かく書こうとする時もうまくいく。

■ 工程表をさらに一歩改良

私が手帳の中でマンスリーページ以外にもうひとつこだわっているのが工程表。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

主に連載や本の執筆などをこれで管理している。縦が原稿の種類で横が1本の原稿を書くために必要な諸々の作業。たとえば、草稿を書く、入力する、推敲をするといった細分化した単一作業である。これまではひとつの作業が終了したらそのマス目を塗り込むだけだった。

今年の中盤からはその作業にかかった所要時間も書き入れてみた。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

そもそも自分は、どれくらいの時間で一本の原稿を仕上げているのかを私はこれまで全く把握していなかった。実際にやってみると原稿の長さにもよるが大体一本あたり3~6時間くらいだった。

最初のうちはこれが長いのか、それとも短いのか正直分からなかったが、とりあえずひとつの自分の目安みたいなものができた。このレコーディング工程表を続けていると思わぬ変化があった。

たとえば、原稿を推敲している時、この前は20分で終わったから今日も同じくらいでやり切ろうという発想になっていった。少しずつだが、以前より所要時間が短くなった。作業が早くなったという感覚は実はあまりなく、無駄な時間が減ったという感じがする。

■ 外枠式タックシール

私の手帳術をこうして振り返ってみるとなにかと「外枠」を囲むのがほんとに好きなようだ。時間はぼんやりとしていてつかみ所がない。外枠を付けることでぼんやりとしたものが俄然、輪郭がハッキリとしたものになる。先ほどの工程表でよく使っているタックシールにも外枠をいれている。

使っているのはニチバンの貼って剥がせる「タックシール」。連載で取り上げる文具をPLANする時これにとりあえず書いてシミュレーションしている。この「タックシール」はそもそも真っ白でそのまま工程表に貼ると、紙面に馴染んでしまう。あくまでもまだ「仮」なんだよ!ということがいまいち伝わってこない。

そこで、グルリと0.3mm系のゲルインキボールペンで囲んでみた。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

印刷された枠ではなく、あえて手書きのユルユルした枠にしたことでまだ正式でないんだよ・・・という感じが醸し出される。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

たまにもう一度撮影をし直すといった忘れてはならないことがある。そうした時は予め蛍光の色鉛筆で塗った外枠式タックシールを使う。上から書き込んで貼ると、しっかりと読めて、目立つ。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

いずれもタックシールのシートごと手帳の後半にあるノートページにマスキングテープで貼ってストックしている。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

もし、使い切れなければ、キレイに剥がして来年の手帳に引き継げばいい。

■ 来年も「ラフィーネ」に決定!

私の手帳の使い方は、細かな部分ではちょこまかと改良しているが、大きなところではここ数年変わっていない。マンスリーページで一ヶ月というほどよいスパンで一日を見つめ、その日を生きていく、これがどうやら私には合っているようだ。

人によっては一週間の中で一日を見つめて今日を生きていきたいという人もいるだろう。これは人それぞれだ。どちらがいいという問題ではない。私は来年一年間を共に過ごす手帳にここ数年ずっと使っている高橋書店の「ラフィーネ」にすることにした。

A6(文庫本)サイズとコンパクトであるのに一日の記入スペースが他の手帳よりも広い。以前に7~8冊の同タイプの手帳を買い込んで実際に計ってみたことがある。手帳売り場でその点をざっと調べたところでは「ラフィーネ」を超えるものはまだ出ていないようだった。

ただ、2015年の「ラフィーネ」の花柄具合が盛大になっていたのには困ってしまった。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ
【花柄カバーは取り外せるので、ポスタルコの手帳カバーをセットしている】

もともと女性用の手帳を男性の私が使っているのだから仕方ないが、それにしれも来年の花柄は満開すぎる。。47歳を迎えたおじさんがレジに持っていくのには相当な勇気がいる。

ノートとノートの間にはさんで持って行こうかとも考えたが使わないものを買ってもしょうがないと潔くラフィーネだけを手にレジに向かう決心をした。とは言え、レジに他のお客さん、とくに若い女性のお客さんが並んでいない方がいい。そのタイミングを見計らってサッとレジに駆け寄って買った。

そう言えば、昨年もやはりサッとレジに駆け寄って買ったために失敗してしまったことがあった。それは手帳の糸綴じがやや不安定であったこと。

私の手帳の書き方 2014年 高橋書店 ラフィーネ

ラフィーネは数cm間隔で糸綴じされているのだが、昨年買ったものは、手帳の下側のその糸綴じの縫い目が少々上側にきていてページの見開きが不安定だった。今回は、その反省を踏まえてレジにダッシュする前にこの綴じ具合いだけはちゃんとチェックしておいた。

■ 記事作成後記

実は、妻も2014年から私と同じ「ラフィーネ」を使っています。それまではA6サイズのウィークリーバーチカル+マンスリータイプでした。あるとき、「私もマンスリーだけにしてみようかしら」と言うので「やってみたら」と軽く勧めてみた。

ほぼ一年間使い終わった妻にウィークリーページがなくて大丈夫だった?と聞いてみると、全然問題なかったとのことだった。私たちは記入スペースがそこにあるという理由だけで書いているという面もひょっとしたらあるのかもしれません。ウィークリーがなければ、それはそれで問題ないのかもしれませんね。

□ 高橋書店 ラフィーネ

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