2013.04.09(extra)

「万年筆との相性がいいノート」

ツバメノート

ツバメノート

ツバメノート

グレーの表紙に毛が織り込まれたクラシカルな表紙がトレードマークの大学ノート、一度は使ったことがあるという方は多いのでは。この大学ノートを50年以上も作り続けているメーカーがある。

ツバメノート

それがツバメノートだ。50年という長きに渡って愛され続けているだけあって、ノートの本分である書き味が実にいい。その鍵を握っているのが、このノートに使われている「フールス紙」というものだ。

ツバメノート

聞きなれないかもしれないが、これは印刷するためでなく、書くために丁寧に抄いて作られた大変品質の高い紙なのである。ツバメノートでは、このフールス紙をさらに筆記特性をよくするため、既成のフールス紙を使わずに別抄きまで行っている。そうしたあくなきこだわりによって生まれたのが「ツバメフールス紙」なのだ。

一見したところ、ごくふつうの紙に見えるが、目を凝らして見てみると、紙面にうっすらとすのめ模様といわれる縞模様があり、光にかざすと透かしまでもが見える。こんなところからもいかに丁寧に抄いて作られていることが伺われる。

■ 万年筆で書くとインクがスゥッと吸収されていく

このツバメフールス紙の書き味の良さをより実感されたいのなら、ぜひ万年筆で書かれることをお勧めしたい。もちろん鉛筆やボールペンでもその良さはわかるのだが、とりわけ万年筆のほうが、そのよさがわかりやすい。万年筆はインクが水性のため、ノートによってはにじんでしまうこともある。

しかし、このツバメノートでは、ほとんどと言っていいほどにじみはなく、書いた筆跡が紙の上にそのまま残っていく。にじまないからといって、いつまでも書いた文字のインクが紙の上にとどまっているということではない。

数秒経つとスウッと紙の中に吸収されていく。イメージとしては、一行を書き終える頃には、前半の文字はすっかりとインクが渇いている感じだ。万年筆全盛の頃には余分なインクを取るための吸い取り紙というものがあったが、このツバメノートはその必要はない。

また、万年筆愛好家にうれしい配慮として、こんなこともある。罫線があえて水性インクで印刷されている。罫線が油性だと、万年筆の水性インクが書いた筆跡がはじかれてしまうからだ。せっかく書いた自分の文字がしっかりと残せるのはありがたい。万年筆のペン先をこの紙の上で走らせてみると、必要以上にツルツルしすぎることなく、ちょうどよい滑らかさでもって進んでいく。

万年筆が心なしか喜んでいるようにも感じられる。いいペンというものは、それだけでは力が発揮できない。そのペンの良さを十分に引き出してくれる紙との出会いがあって、はじめてその本領が引き出される。

お持ちの万年筆で一度このツバメノートに書いてみてはいかがだろうか。万年筆が喜んでいる顔がきっとみられることだろう。

*このコラムは、神奈川新聞での連載「至福の文具」を加筆修正したものです。

□ ツバメノートは、こちらで販売されています。

*関連リンク
■「考える場としてのノート」
■「万年筆のための手帳」アサヒヤ紙文具店 クイールノート
■「万年筆を手にしたくなるノート」満寿屋 MONOKAKI