2018.05.29(407)

「ライトな本格シャープペン」

ぺんてる

P207 P209

ぺんてる シャープペン P207

今、シャープペンがちょっとしたブームだ。学生だけではなく、私のまわりのビジネスパーソンの間でも愛用している人が増えている。高価格のものも次々に出て来て、よく売れているようだ。私も1万円以上もするラミー2000やカランダッシュ エクリドールのペンシルを愛用している。こだわりのシャープペンは何も値段が高いものばかりではない。求めやすい価格の中にもキラリと光るものがある。今、私が信頼を寄せ、よく手にしているシャープペンがこのぺんてる「P207」と「P209」。基本、日本では販売されていないものだ。

ぺんてる シャープペン P207 P209

■ 海外で手に入れたP207

ぺんてる シャープペン P207

まず、私が先に手に入れたのが「P207」。最後の数字が芯の太さを表し、つまり0.7mm芯タイプということになる。もう何年も前のことになるが、マレーシア クアラルンプールの街中の文具店で買ったものだ。海外に行くとついつい日本未発売の日本文具に目が行ってしまう。この「P207」も見たことがないシャープペンだなと、後々後悔しないためにと買ってきた。その当時は、今ほど惚れ込んでいた訳ではなかった。だから、帰国してからもほとんど出番がなく、もっぱらグラフ1000をよく使っていた。ある時、そう言えばと思いだしストック用のペンケースから取り出して日々の仕事で使ってみた。すると、すごくいいのである。

■ 自然な使い心地

ぺんてる シャープペン P207

高級路線をハナから考えていないという潔いまでのプラスチックボディ。グラフ1000のような凝ったラバーリブグリップもない。それなのに妙に手にしっくりとくる。それはとても軽い使い心地であるということと、ボディに施された角張りすぎてない多面体によるものなのだろう。この多面体、いったい何面あるのだろうかと、目を細めて慎重にひとつふたつと数えてみたら12面体もあった。鉛筆のちょうど倍ということも手馴染みの良さを生んでいるのかもしれない。

ぺんてる シャープペン P207

書く時は「人力クルトガ」のごとく、芯先の偏減りを察知して指先でボディをコロコロと回転させていく。この12面体がそのコロコロにちょうどよい。「低重心」はペン先が自然に下を向いて書きやすいと、私はこれまで何度となく触れてきた。しかし、「低重心」というものはペン全体に重さがある時は効果を発揮するが、こうした軽いボディでは全く必要ないということを、この「P207」は私に教えてくれた。

ぺんてる シャープペン P207

ぺんてる シャープペン P207

ぺんてる シャープペン P207

ぺんてる シャープペン P207

■ 日本で買った「P209」

ぺんてる シャープペン P209

「P207」をすっかり気に入って仕事で愛用していたところ、NETFLIXで「P207」そっくりの別な色のものを見かけた。とある海外の有名な建築家のドキュメント番組で、その方が黄土色したタイプを常に手にしてスケッチを描いていた。ネットで調べてみると、それは「P209」というもので、つまり芯が0.9mmタイプというものだった。グラフ1000を0.7mmと0.9mmの両方を使い分けている私としては、これはなんとしても手に入れてみたくなった。ただ、いかんせん日本では売っていない。いずれまた海外にでも行ったら「P209」を買おうと半ば諦めていたところ、偶然の日本のショップで見かけた。私の行きつけ文具店「アンジェビュローKITTE丸の内」である。「P207」「P209」そして「P205」まで売っていた。すぐさま「P209」を手に入れた。黄土色ボディは手にすると、肌の色と同化してすっかりと馴染んで書くことに集中させてくれる。

ぺんてる シャープペン P207 P209



この芯の太さごとにボディの全身カラーが違うというのは、シャープペン使い分け派の私にはとても便利だった。ペンケースに入れていて、さぁ「P207」で企画を考えようとする時、すぐに区別が付くのだ。グラフ1000の時より断然わかりやすい。ところで、この「P207」のブルー、「P209」の黄土色はどこからきているのだろうかと考えていたら、グラフ1000のノックボタンにあるカラーインデックスと同じ色だった。どこかで見たことがあると思っていたら、いつも見慣れているカラーインデックスだったのだ。

ぺんてる シャープペン P207 P209

ぺんてる P209
ぺんてる P207

アンジェビュローKITTE丸の内店

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