2013.07.23(285-3)

「ISOT2013 3」

国際 文具・紙製品展レポート

■ 手帳とペンが溶けこむように一体化

私は手帳とペンは常に一緒にいるべきだと考えている。ノートは机で使うので引き出しを開ければ、たくさんのペンがあるが、手帳は外で使うことが多い。外で手帳を開いた時にさっと書き込めるようにペンが予めセットされていた方が断然便利だ。

このアイテムはその手帳&ペン一体化を美しく実現させている。

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手帳にペンをセットするというと、ペンホルダーを横に付けるのが一般的だ。これも便利だが一体感という意味では少々物足りない。この「「2face memo & pen」は、手帳の背の部分をうまい具合にやりくりして、ペン収納スペースをこしらえている。

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しかも、ペンは手帳の上下左右から一切はみ出さない。ペンはスイス製のプロディール社製のものを使っている。このペンのために手帳は設計されているので、他のペンでは、この一体感は味わえない。出っ張りがないことで、ポケットの出し入れもスムーズにできる。

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* 新日本カレンダー Kleid 「2 Face memo & pen」 各600円+Tax

■「スラリ」の高級多機能ペン登場

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ゼブラブースは例年通り、来場者に実際に試し書きをしてもらうスタイルに徹していた。常に人気で私が訪れた時にも長蛇の列ができていた。新作ペンの中で注目したのが、滑らかボールペン「スラリ」の高級多機能ペン、「スラリ シャーボ」だ。

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多機能ペンにありがちなインクの色をしたスライダーはなくスッキリとしたデザインになっている。
2タイプあったが、個人的にカラフルボディのタイプが気になった。

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ボディには樹脂が使われているようで、軽量だった。

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ボディをツイストすると黒、赤ボールペン(0.7mm)と0.5mm シャープペンがエンドレスで繰り出される。このツイストの感触が心地よい。

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シャキシャキというのではなく、プスプス…とスムーズにツイストとされていく。ちょうど「シャーボX」のツイストによく似ている。エンドキャップの中には消しゴムも付いている。ここらへんの作りも「シャーボX」と同じだ。

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1,000円+Taxというリーズナブルなプライスなのもうれしい。ちなみに、もう一方のスリムタイプの「スラリシャーボ」は、2,100円だった。もう1つ気になったのはホワイトボードマーカー。

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キャップが片手で開けられるようになっている。すでにゼブラの「蛍光オプテックスEZ」という蛍光マーカーでも採用されているキャップサイドをプッシュするという仕組みだ。

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キャップを横から見ると溝があるが、ペン先の気密性はしっかりと確保されている。ホワイトボードマーカーはキャップの付けはずし頻繁に行うペンだ。このサイドプッシュ式だと片手で簡単に開けられるので、ホワイトボードマーカー ヘビーユーザーには便利だと思う。

*ゼブラ ボードマーカー EZ 各120円+Tax

■ 紙の力を改めて感じさせてくれたデザインフィル

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毎回、メッセージ性のあるブース作りで注目を集めているデザインフィルブース。今回も素敵なブースになっていた。白を基調としたブースはガラス繊維を練り込んだという特殊な紙で包まれていた。

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中央にはその紙で作った大きなシャンデリアのようなものが下げられており、そこには「 LIFE WITH PAPER」の文字が切り抜かれていた。

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そのキーワードどおり、紙のある生活を楽しめる新作が発表されていた。

□ 大人のメモ帳 「リングメモ グレイン」

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世界と日本の素材や技術のコラボレーションをテーマにした「ワールドマイスターズプロダクト」。その第3弾として発表されていたのが「リングメモ グレイン」。表紙にはスペイン製のリサイクルレーザーを使い、落ち着いたブロンズ色の大きなリングが印象的なメモ帳。

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100枚も綴じられており、前半がMD用紙ホワイトに5行ごとに太い線の「ダイヤメモ」フォーマット(横罫線)、後半が MD用紙クリームの無罫となっていた。

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キッチリとメモする、そしてラフにスケッチするという具合にシチュエーションによって使い分けができる。ゴムバンドも備え、大人のメモ帳と言ったスタイルだ。ダイヤメモと違い、台紙にはいくぶん厚めの紙が綴じこまれていた。

この台紙が2枚も付いている。

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一番下の台紙にはゴムバンドのハトメの金具があるので、最後の1枚を書く時に紙面にどうしても凹凸ができてしまう。そこで下敷き代わりにもう1枚綴じこんでいるのだ。最後の1枚まで快適に書いて欲しいという気配りを感じる。

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そして驚くべきはその価格だ。リサイクルレーザーのカバー、100枚綴じで500円+Tax。これはかなりお買い得だと思う。

「リングメモ グレイン」

□ そして、こちらは「メモスタンドメモ」。

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500枚のメモで作られているいわゆるブロックメモだ。これは一枚一枚の紙の固定を一辺ではなく、二辺のL字状に糊づけしている。

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そのためガッシリしているので、切り取ったメモを途中のメモブロックの隙間に差し込んでおける。花瓶に花を飾ったスタイル、クジャクが羽を広げているもの、ポストから手紙が出てくるといったユニークなスタイルが楽しめる絵柄が色々揃っていた。

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縦長の S サイズが600円+Tax。正方形の M サイズが700円+Tax。

□ ロングセラー商品のミニクリーナーに限定バージョンが登場していた。2タイプあったが、私はコロンとした丸い方が気に入った。

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このコロンとしたフォルム、手にしたときにしっくりとくる。ブラシもより大きめのものが付いているいてクリーナー力もアップしているらしい。

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オフィスのデスク掃除用に一つ揃えてみようと思っている。

* 「ミニクリーナー限定」各500円+Tax。

□これまでプラスチック製だけだった、折りたたみ式の定規にアルミタイプが仲間入りしていた。

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中央に一ヶ所だけかしめているだけだが、強度は十分な印象だった。ちなみに、耐久性については、2万回の開閉テストもクリアしているという。この開閉がやや重みがあってとてもスムーズだった。

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【中央のパーツには分度器の目盛りもある】

広げた時につなぎ目は限りなくフラットになり、30cm の直線も問題なく引きことができるそうだ。

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内側には定規のエッジから目盛りがスタートしている「グランドポイントメモリ」を採用。

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テーブルの上に定規をあてて、高さを計るときなどに便利だ。折りたたみ式ではないが、15センチタイプのものもリデザインされていた。

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表面に溝があるところを上から添えると定規の反対側が少しだけ持ち上がる。

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これは、机の上に置いた定規を取りやすくするためだ。とは言え、線を引くときはビシッと固定できるようになっていた。

* 「アルミマルチ定規 30cm」  1,200円+Tax。
「アルミ定規」 15cm 320円+Tax。

□最近巷では、日記を付けている人が増えているそうだ。震災以降、若い世代でも手帳に日々の記録や家族のことを書き残すという傾向があるという。また、男性が子供が生まれたのを機に育児日記を付けて将来子供にプレゼントするのだそうだ。

そうした流れを受けてデザインフィルではデザインを現代風にしたものが増えている。その一つが、この「雑日記」。

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フリーダイアリーで必ずしも毎日付けなくてもいいようになっているのがうれしい。

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ページの所々にはポケットもついている。思い出の写真やチケット類を入れておくのに最適。

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まるで海外のペーパーバックのようなサイズ、そしてデザインだ。カジュアルなデザインなので、日記にありがちな堅苦しさが微塵もない。

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* 「雑日記」 800円+Tax。

□デザインフィルでは、数多くの紙製品を手がけているが、意外なことにカードはこれまであまり展開していなかった。そんな中、「カードラボ」というシリーズを発表していた。

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デザインフィルと紙商社の竹尾のコラボよるデザインと紙の実験を行うというコンセプト。

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デザインのイメージは図鑑。なるほど、イラストには動物や植物、魚がまさに図鑑に掲載されているようなタッチのイラストになっている。

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この世界感、個人的にはとても好きだ。カードというと、どうしても女性向けのデザインが多かったが、これは男性の私でも使ってみたくなる。カードを入れる封筒は図鑑がモチーフになっている。

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* 「カードラボ」 予定価格は380円~480円。

□デザインフィルの手にかかると、便せんもこんなにユニークなものになってしまう。

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小さな便箋スタイルの一枚一枚にはポケットが付いている。

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これひとつでメッセージを書き、そして何かを入れることができる訳だ。ありそうでなかった発想のペーパープロダクトだ。

* 「ふくろ箋」

*関連コラム
「ペーパーワールド2013レポート」
「香港インターナショナル ステーショナリー フェア2013レポート」
「ペーパーワールド・チャイナ2012 レポート」

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