2012.10.23(266-4)

「PWチャイナ2012 4」

ペーパーワールド チャイナ

2012 展示会レポート

■ 上海の街めぐり

冒頭でも触れたとおりいつもなら上海に到着した日は、スーツケースをホテルの部屋に入れるやいなや、すぐさま上海の文具街「福州路」に一人向かうのだが、今回は事情が事情ということもあっておとなしくホテルにとじこもっていることにした。

しかし、ホテルと展示会場の往復だけではなんともつまらない。ぜひとも上海の町並みも見ておきたかったので、展示会取材が終わった3日目に丸一日を使って、通訳の姚さんのガイドのもと街に出てみることにした。1人ではなく、中国人の姚さんと一緒に上海の街中を歩くと言え、十分に注意を払う必要がある。

ペーパーワールド・チャイナに出展していた日本のメーカーの方も言っていたが、ネクタイにスーツといういかにも日本人に見えてしまう格好ではなく、カジュアルな服装にして中国の人たちに自分自身が溶けこむようにした。反日デモがはじまるずっと前から私は日本で最新の上海ガイドブックを見てここを訪れようとチェックしておいたところがいくつかあった。

それを姚さんに伝えこの順番で回りましょうと効率的なルートを立ててもらった。まずはじめにタクシーで「老馬頭」というエリアに向かった。外灘という上海を代表する川沿いのエリアから少し離れたところにある。

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2008年にオープンしたレストラン、ショップなどが入った複合施設。もともと工場だったという建物は古い建物の良さを残しながら、モダンにリニューアルされている。ショップを期待して行ったのだが、残念ながらレストランの方が多かった。そもそも私たちが行ったのは午前中だったので、施設全体はほとんどまだクローズしていた。

外観だけを撮影して早々に引き上げることにした。

■ 福州路

次に向かったのが、文具街の福州路。ここにはいつも立ち寄る二つの文具店がある。ひとつは上海文具商廈。

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ここは筆記具の品揃えが充実していて、特に日本メーカーのものがたくさん揃っている。しかも各メーカーごとにコーナーが設けられている。何も海外に来てまで日本のペンを見ることもないだろうと思うところだが、私はひそかにそれを楽しみにしている。

なぜかというと、日本で売っていない海外版のものが見つかるからだ。その海外版製品に的を絞り、三菱鉛筆コーナーを見てみたら早速面白いものがあった。それはジェットストリーム。

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日本のようにノック式ではなくキャップ式になっている。

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キャップ式のジェットストリームは、これまでもヨーロッパなどで見かけたことがある。しかし、これは全く初めてお目にかかるものだった。価格は10元(120円くらい)ジェットストリームにしては比較的リーズナブルだ。シンプルなデザインながらもスケルトンを使っていてなかなかカッコいい。

グリップからボディの後にかけてラバーボディが続いていてフィット感のある握り心地。軸はやや太めな印象だ。

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0.5mm 、0.7mm 、1.0mm の三種類でインクも黒、赤、青があった。

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書き味は紛れもなくジェットストリームそのもの。キャップ式ということで、ペン先が口金にしっかりと固定されているので、さらに書き味がいい印象がある。もちろん、リフィルは交換できるようになっていた。

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以前、三菱鉛筆の方にジェットストリームには一部の国で廉価版のものを売っていると聞いたことがあるが、たぶんこれがそうなのだと思う。廉価版ではあるが、デザインはむしろ格好いい。ぺんてるコーナーで見つけたのは、ペンではなくシャープペンの芯。

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日本では「アイン シュタイン芯」にすっかりとモデルチェンジしている。しかし、ここには往年のぺんてるのシャープ芯があった。菱型ケースで子供の頃によく見かけたものだ。あまりの懐かしさに0.5mm の Bを購入。芯は12本入りとやや少ないので価格は4元(約48円)だった。

この店では、会計方式が変わっていてまず、このペンをくださいと店員さんに伝えると、ペンをいったん店員さんに預ける。その代わりに伝票が渡される。それを防弾ガラスのようにものに囲われた会計に持って行き、支払いをする。そうすると、支払い済み伝票を渡される。

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これを先ほどの売り場に持って行くと商品と交換してもらえるというなんとも手間のかかるシステム。特に袋などに入れてもらうこともなく直に手渡されるのも日本人からするとかなり新鮮。

■ 上海百新店

この店の通路を挟んだ反対側には、もう一つ毎回チェックしている文具店がある。「上海百新店」というショップだ。

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ここはパーソナルステーショナリーの品揃えがいい。店構えが昨年来た時よりも、かなりと雰囲気を変えていた。黒を基調とした落ち着いた店構えになっていた。そういえば、昨年は工事をしながらの営業だった。どうやらよりパーソナル色を強めたリニューアルを行ったようだ。

このショップで私が楽しみにしてるのがデザインノートのコーナー。上海ならではのものを色々と見つけることができる。今回、私が買うことにしたのはちょっと女性向けデザインではあるが、花が描かれた A5のスリムノート。

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表紙に書かれた解説によると、この花の絵はボールペンで描かれているという。

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一本一本の描線が極細のボールペンで繊細に描かれている。

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自分で使ってもいいし、誰か女性の人にプレゼントするのもいいと思い2冊を購入。価格は一冊15元(約180円)このデザインノートコーナーには、日本の「ニーモシネや「トラベラーズノート」、さらにはライフの「ノーブルノート」なども並べられていた。画材コーナーで見つけたのが小さなスケッチブック。

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文庫本ほどのサイズなので、スケッチブックというよりかは手帳といった感じがする。

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がっちりとしたハードカバーで、中の紙はスケッチ用のやや厚口の画用紙が綴じ込まれている。

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110枚とページ数も結構あるが、これが見た目ほど重くない。

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これなら取材用手帳に使えるかもしれないと考え、1冊買ってみることにした。価格は22元(約264円)と意外とリーズナブルだった。

■ 静安別墅

次に、地下鉄を使って向かったのが「静安別墅」というエリア。

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ちなみに地下鉄では、当然たくさんの中国の人達がいるので、できるだけ日本語は話さず大人しくしていた。南京西路駅を降りると、大きな伊勢丹のビルがある。町並みとしてはかなりの賑わいがある。そうした中でとある鉄のゲートを入っていくと、時代が一気にタイムスリップしたかのような町並みに変化する。赤茶色のレンガで作られた建物がキレイに並んだ1本のストリートになっている。今もここには数百世帯の人たちが住んでいるという。

建物の上の方を見ると、まさに今干したばかりというような洗濯ものがいくつもかけられていた。

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そうした生活感のある建物の中には、カフェやショップが入っている。しかしながら、大きな看板がある訳ではない。フラリと立ち寄った私たちは、1ヶ所だけ茶器を売っている店を見つけることができたが、それ以外は見つけることできなかった。

人が住んでいる建物の合間にきっと穴場のようなカフェもあったのだろう。しかし、この独特な雰囲気を味わいつつ300メートルほどのストリートを歩くのも決して悪いものではなかった。

■ 陜西南路

次に姚さんが子供のころに住んでいたところにオススメの場所があるというので行ってみることにした。姚さんには展示会取材の通訳をだけでなく、こうした上海の街めぐりにもいつもつき合ってもらっている。なので、私がどういうお店が好きかということをだんだん姚さんの方も理解してくれてきているようだ。向かったのは、「陜西南路」というエリア。

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ここにはそれほど数は多くないが、雑貨ショップやライフスタイル系のショップが軒を連ねている。

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中にはイタリアフィレンツェのレザーブランド「IL BISONTE」の上海唯一のショップもあったりする。

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カフェもいくつかあり本を読みながらくつろげるところもあった。

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残念ながらステーショナリーを売ってる店はなかったが、ちょっとヨーロッパのような雰囲気もあり、実に私好みだった。

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今回の上海出張では反日デモに関して私自身かなり神経質になっていた。しかし、いざ上海の町中を歩いてみたが、一度もデモに出くわすことはなかった。ショップの人と話していても、私が日本人だとわかっても何ら対応が変わることもなかった。

ただ一度だけ、「陜西南路」の街中を歩いていたら、とある食堂の店先に「島は中国のものだ」とおそらく書かれた真っ赤な看板が掲げられているのを見た。反日系で私が直接この目でみたのは、この1回だけだった。

日本での報道は、あまりにもデモの部分だけが伝えられていたので、見ている私達もあたかも中国のいたるところであのようなデモが繰り広げられているという印象を持ってしまった。ちなみに通訳の姚さんは上海で生活し、働いているが、これまで反日デモを見たことは1度もなかったという。

日本の震災が起きた時、世界各国のメディアがニュースでその模様を伝えた。その後、海外の友人から「大丈夫か?」と私の安否を心配するメールがいくつも届いた。やはり彼らも日本中がテレビで放映されていた状態だと思いこんでしまったようだ。

メディアの情報にあまりにも頼るのではなく自ら現地の人たちから情報を入手するということもとても大切だと今回の出張では痛感させられた。

また、今回はホテルから空港の移動は主催者が用意してくれた車に乗って安全に移動した。上海の町巡りでも姚さんにホテルまで迎えにきてもらったり安全には十分注意した。安全という面ではできることはすべて行った。その意味では快適な旅だったと言える。ただ、刺激的という意味ではなんとなく物足りなさというものを帰国した今、感じている。

旅は、何事も初めての経験をするもの。たとえば、はじめて地下鉄に一人で乗る、はじめての場所に一人で行くなどいつもと違う状態に身を置くと、体と頭の感受性が研ぎ澄まされる。そういう意味では今回の出張ではあまりにも身を守りすぎていたので、感じるものがいつもよりもやや少なかったように思う。

ただ、今回は事情が事情なだけにこれでよかったのだと思う。

■ 取材後記

今回は上海用の携帯電話をレンタルせずにSIMカード対応の携帯電話を使いました。(夏休みにフィリピンで2,700円ほどで買ったものです。)この携帯電話があれば、あとは現地でSIMカードを買ってセットすれば、すぐその場で通話できます。私は120元のカードを買いました。1,440円くらいなので、とってもお得。チャイナテレコムなので、電波感度もすごく良好でした。

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オープニング セレモニーは、テープカットではなく、氷のドラゴンにブルーのカクテルのようなものを注ぎ込むというもの。なかなかキレイでした。

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今回取材に来ていた各国のプレスの面々。フランス、南アフリカなどなど国際色豊かでした。

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彼らにおみやげとして持っていたのが、コレ。

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たばこスタイルの鉛筆。吉祥寺のサブロさんでわんさと買っておきました。海外の人たちにとっても好評でした!展示会のすぐ横には大きなビジネスビルが新しく建っていました。下には、ショップやレストランが入っていてとても便利でした。

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スターバックス、そしてMOLESKINEのショップまで。

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「和民」もあったのでお昼に食べにいってみました。結構おいしく、写真を撮るのをすっかり忘れてしまいました。これはあじの開き定食を食べ終わったところ。

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