2010.10.12(215-3)

「PWチャイナ2010 3」

ペーパーワールド チャイナ

2010 展示会レポート

ペーパーワールドチャイナ2010 レポート

■ 消せるボールペン

日本で人気の消せるボールペンは、中国でも人気のようで、今回のペーパーワールドチャイナでは、いくつものブースで見かけることが出来た。

その消す方式は色々なものがあった。そもそも、中国の人たちはボールペンをよく使うので、この消すことができるというのは、とてもニーズがあるという。中でも学生は勉強で消しながらよく使っているそうだ。

BAOKEというブースでは、化学反応を使ったものが展示されていた。

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ボールペンで書いた筆跡を、反対側に付いているマーカーのようなペンで、その上を塗ると透明のインクが出て、シュワと魔法のように消えていく。

一度マーカーを塗ったところには同じボールペンで再び書くことはできない。その場合は、違う種類のボールペンで書き直すという。

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ペリカンが出しているインク消しペンに似ている気がした。

そして、別のブースでは、消しゴムのように擦って消しとるものが展示されていた。

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このペンはベースが油性ボールペンになっていて、これで書いたものをボールペンの後側にある消しゴムでこするとまるで鉛筆のように消えていく。

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この会社は12年前に、この消せるボールペンを開発したという。消しゴムは付属のものだけでなく市販のものでもOK 。私が力づくでゴシゴシと擦っていたら担当の人にもっと軽くと言われ軽く擦っててみたら、確かにちゃんと消すことが出来た。

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いわゆるボールペンスタイルのものから消しゴム付きの鉛筆の様なのものまであった。

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この機能性、つまり、消しゴムで消すということで言えば、鉛筆スタイルの方がどことなくしっくりくる。この他にも、色々なデザインのものが展示されていた。

それらの中には、全て同じリフィルが入っている。なぜか、そのリフィルが全てメタルボディでがっちりと覆われていた。なぜプラスチックにしないのかと聞いてみると、特殊なインクなので、中に圧力をかけているためだと話してくれた。

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■ ファイルを自立させるスタンド(WORLD WIDE)

今回のペーパーワールドチャイナの中で、最も印象に残ったものをあげなさい、と言われれば、私は、真っ先にこのWORLD WIDEのものをあげるだろう。

同社は、展示会場の中央にあるひときわ広い通路に大きなブースを構えていた。どうやら大手文具メーカーのようだ。

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そのブースの中にはファイルそのものではなく、ファイルの中に使われる様々なリングが何十種類、いや何百種類というくらいに展示されていた。

こうしたパーツメーカーは、正直なところ、個人的にはそれほど興味がないので、いつもなら通り過ぎてしまうところだが、なぜかこの時は何か感じるものがあり、フラリと中へと入っていた。たくさんのファイルパーツが並んでいる中に、見慣れないものが目に入ってきた。

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それは「スマートイーゼル」というもの。折りたたんだ状態では棒状になっていて、一体これは何のためのものかさっぱりわからない。

と、あたりを見回してみると、そのすぐ上に、実際の使用例が展示されていた。

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これはファイルを見やすくするための後付けスタンド。

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使い方は、ファイルの背の上と下をクリップで固定する。

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このクリップはファイルの背の長さに合わせて、伸びるようになっている。

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次に、折り畳まれた二本の脚を広げる。

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こうすると、ファイルを開いた状態でしっかりと自立させることができる。

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このそれぞれの脚は三脚のように伸び、同時に足の角度も調整可能。つまり、いろんな角度で自立できるわけだ。

さらに、ファイルを横にした状態で自立させるときにも活用できる。二本の脚先にはフックがあるので、それを使ってファイルの端っこをとめればいい。

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この様に取り付ければ、紙芝居のように相手に見せることができる。このスマートイーゼルを見て感じたのは、ファイルだけでなく、ノートや本、はたまたスケジュール帳などにも使えるタイプがあればいいのではないかということ。

こうした本などを立てるものには、書見台というものがあるが、どうしても、大きなものになってしまう。大きいと、私のような「ノマドワーカー」には、気軽に持ち歩くということがやりづらい。こうした折りたたみ式、そして後付けタイプならきっと便利だと思う。それにしても、これは面白い。

2008年に発売され、現在は欧米や南米で展開されているという。日本でもぜひ販売してもらいたい。

■ テープのセットがワンタッチなテープディスペンサー

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テープディスペンサーというとテープを固定する部分に取り外しができる軸が付いているものだ。そこにテープを固定し、ディスペンサーにセットして使う。しかし、これはその軸がない。

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厳密にいうと軸はあるのだが、本体に一体化されている。テープをセットする溝の中を覗き込んでみると、内側に緩やかな丘のような感じで盛り上がっている。

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テープをセットするには、ここにテープを押し込んでしまう。先程の丘のような部分は、強く押し込むと、引っ込むようになっている。

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これがいいのは、テープの大きさによって、軸を交換しなくていいところ。大きいディスペンサータイプであれば大きい巻テープはもちろん、小さい巻テープでも取り付け可能。

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そして、軸が一体型なので、テープを強く引っ張っても、軸ごとテープが外れてしまうということもない。試しにかなり強く引っ張ってみたが、テープが外れることもなく、もちろんディスペンサー自体もびくともしない。

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この様に手前に聞くだけでなく、仮に上に引っ張っても OK 。この構造を利用して壁にセットできるタイプもあった。

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しかしながら、どんな壁でもOKという訳ではなく、布壁だけにしか対応していない。裏面には二本の針があり、それを差し込んでセットする。

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これもなかなか便利そうだ。2008年に発売を開始し、現在はヨーロッパ南アメリカ、カナダ、オーストラリアなどで
販売しているという。なお、日本では未発売。

■ 書類を綴じる多機能ツール

この前のISOTの時に香港の友人パトリックさんからローライフレックスのような二眼カメラスタイルの鉛筆削りをプレゼントしていただいた。その鉛筆削りは、「Deli」というメーカーだった。その「Deli」が大きなブースを構えていた。

一般のステーショナリーからデザイン的なものまで幅広くそろえている。どうやら総合文具メーカーのようだ。ひとつひとつチェックしてたら、面白いものをひとつ発見した。

これが実に面白い。なにが面白いかと言うと、2穴パンチとホチキスが合体しているのだ。

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見た目としては、あくまでもパンチという佇まい。

しかし、一般の2穴パンチよりかは、少しばかりボディが大きい印象はある。本体の裏側を見てみると、ハンドルの下には、ホチキスが隠れている。いかにも多機能というのではなく、見た目は単機能でありながら実は、多機能というのに、私は心ときめいてしまう。

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ハンドルを押すと2穴の刃が降りてきてパンチができる。

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しかし、そのハンドルにはホチキスも連結されているので、ホチキスまでとめてしまいそうになる。

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これは一体どうやって使うのだろう。パンチとホチキスをいっぺんに使うシチュエーションなんて果たしてあるのだろうか。少なくとも、私のこれまでの人生では一度もない。しかも、書類の上に2穴、その下にホチキスなんてことが。

さらに、商品をよくよく観察してみると、謎が解けた。ハンドルにはスイッチがついていた。

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これで、「パンチ」と「ホチキス」を選べるようになっていたのだ。スイッチをパンチにセットしてハンドルを押し込むと、ホチキスの方は紙の寸前のところで止まるようになっていた。

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ホチキスにスイッチを切り替えると、そのロックが解除されるという仕組み。

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果たして、本当に便利なのかどうかはちょっと微妙なところだが、少なくとも机の上の省スペースには繋がることだけは間違いない。

■ 引き出して使うホワイトボード

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これはホワイトボードなのだが、その作りから言って正しくは、「ホワイトシート」、いや、「ホワイトフィルム」と言うべきかもしれない。収納された状態では細長いボックス状になっている。

この中に、薄いPPフィルムが巻かれてあり、それを引き出して使うというもの。

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ちょうど、サランラップのようである。一枚一枚を使いやすいように要所要所にはミシン目がついていて、綺麗に切り取れるようになっている。切り取ると、 幅は60cm×長さ80cmのシート状になる。

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ここに市販のホワイトボードマーカーで書き、もちろんイレザーで消すこともできる。

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面白いのはフラットな壁であれば、このPPフィルムは壁に貼り付けておくことができるという点。

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特に裏面には糊などはないのだが、ブースの壁にもしっかりと貼りついていた。これはオフィスで手軽に使えて、なかなか便利かもしれない。なによりホワイトボードは、一つの会議の中で書いては消しを繰り返すことになる。

これはどんどんサランラップの様に引き出して書いていける。これと同じ原理で、黒板タイプのものもあった。

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これも素材はPPで、その表面に黒板のような塗料が表面処理されている。こちらは、裏面が粘着仕様になっていた。

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薄っぺらいが、紛れもなく黒板になっていた。なお、つい先日、日本でセーラー万年筆さんの展示会に行ったら、先ほどと同じようなロール式のホワイトボードが紹介されていた。

商品名は「どこでもシート」と言い、まもなく発売されるという。

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