文具で楽しいひととき

■ 「ペーパーワールド チャイナ 2009 レポート」   (5/6ページ)


■ 中国らしさのあるノート


  


 実は、今回の出張では上海に到着した日に
 福州路という通りにショッピングに出かけた。

 ここは大きな書店が幾つも立ち並び
 その他文具店や画材店が軒を連ねている大通り。

 私は文具店を中心に回ってみた。

 その中でちょっと気になるノートがあり、
 3冊ばかり買ってものがあった。

 それがこの「Front」というブランドだった。

 彼らいわく、中国のハイクラスのノートだという。


  


 設立は1991年、紙製品と革製品を製造する会社としてスタートし、
 ヨーロッパの OEM メーカーとして力を付け、
 みずからのブランド「Front」を立ち上げた。

 今年の新製品は星座のノートシリーズ。


  


 12種類の星座ごとにカラーが分かれている。

 表紙にはソフトなPU(ポリウレタン)が使われていて、
 気持ちよく折れ曲がりページが開きやすい。


   


 紙面は基本、罫線のノート。

 よくよくそのページを見てみると、
 曜日や天気、温度なども書きこめるようになっている。


  

  


 いわば日記のようなものだ。

 自分の星座のノートを手に入れて使っていくのだろう。

 紙は、「環境保護紙」というものが使われている。

 これは、明るいライトの下でも光を反射せず、
 目にやさしいという特徴があり、
 書き味もスムーズでインクの裏抜けもないという。

 同じようなシリーズで中国らしく、干支タイプのものもあった。


  

 この他、カラフルなソフトカバーのノートなど
 色・素材が違うものも展示されていた。


  



  


  



  



■ INSPIRA(インスパイラ)に新製品


  


 昨年も取材した「INSPIRA」。

 今回のブースはリングノートのようなスタンドになっていた。

 昨年取材に対応してくれた担当者がタイミングよくいらして
 一年ぶりのと再会を果たした。

 私は、その方の顔はハッキリと覚えていいたのだが、
 名前までは思い出せなかった。
 どうやら先方も同じと見えた。

 早速、今回の新作を見せていただいた。


  


 今回の新製品は日本人の野口さんという方がデザインを担当されたという。

 運よくブースにいらしたので、
 直接日本語でご説明いただいた。

 まず一つ目は、「STYLE BOOK」というシリーズ。


  

  


 こだわったのは表紙の手触り感。

 合皮や布など様々な素材を使ったバリエーションが揃っている。
 目と手で楽しめるノートだ。

 今回の展示会では、
 こうした色・素材の違うデザインノートを多く見かけた。
 一つのトレンドなのかも知れない。

 紙面は、
 冒頭に日付なしのウィークリープランナー、ヨーロッパ仕様のカレンダー
 そして罫線ノート。


   

    


 これはヨーロッパ市場向けに作られたものだ。

 次に、「SUCCESS」というノート。


  


 こちらは日本でも今後販売される予定。

 そもそも、「INSPIRA」はインスピレーションからとったブランド名。

 よく「成功は、99%の努力と1%のひらめきによる」と、言われるが、
 その想いを込めて、この成功と題されたノートの表紙には、
 ひらめきの代名詞である脳(ブレーン)がデザインされている。


  


 シンプルながらメッセージ性のある表紙。

 中はごくごく普通の罫線ノートという仕様。

 そして3つ目。

 正直なところ
 これが私の中で一番興味がそそられたノートだった。


  


 一見すると
 シンプルな縦長のノートという感じ。

 表紙を開けると、横長のA4の紙が3つに折りたたまれている。


  


 デザインした野口さんによると、
 マインドマップなどタップリと書き込めて、
 それでいて
 携帯性の良いノートはつくれないだろうかと考え
 このスタイルに行き着いたという。

 一冊に綴じ込まれているのは10枚。

 便箋のような、天糊綴じなので、
 書き終わったら切り離してポケットに入れて
 持ち歩く事もできる。

 表紙は飛行機が上に向かって飛んでいるデザイン。


  


 空を飛ぶように自由に発送膨らませて使って欲しいという思いが
 込められているという。

 こちらも日本でも販売されていく予定。
 発売が楽しみなノートだ。

 この他、
 今年の ISOTで、すでに発表されたものとして、
 「マイブックノート」というものがあった。


  


 私は ISOTの取材をしたのだが
 残念ながら、このノートとは今回が初対面となる。

 表紙は厚めのPPカバー。
 厚めであるのでページをめくる時PP が硬く折り曲げにくい。

 そこで表紙の一部をカットして
 中のノートに直接指がかけられるようにしている。

 これにより
 ページがめくりやすくなる。


   


 表紙の右下や少し上側、
 はたまた後側からも開きやすいように
 カットされたタイプもある。


   


 小さめの A 6サイズなら片手にスッポリと収まるので
 片手一つでページを開くことも可能。

 願わくば表紙だけでなく中の紙にも同じように
 ミシン目カットがあればしおりにもなって
 より便利になると思う。

 いずれもなかなかユニークなノートだった。



■ いろいろ収納できる便利なツール


  

  


 これはクリップボード付きのボックス。

 ボックスを開けると、
 左には、各種小分けされたファイルスペース
 そして、右側には A4の書類が収納できるようになっている。


  


 さらにその右側の周りには隠しボックスがあり、
 スティック糊やクリップ、
 そして下側にはペンを収納できるようになっている。


  


 私が子供の頃
 沢山の面が開く筆箱があったが、
 このボックスも、ここも開く!、あそこも開く!と
 その時の興奮を呼び覚ましてくれるようなものだった。

 幅のややスリムなものやデザインが違うタイプなども揃っていた。


  

  


 この会社はアメリカの企業が出資している
 OFFICEMATE STATIONERY MFGという中国のメーカー。


  


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