文具で楽しいひととき
■ 「私の手帳の書き方・使い方 2014年」


 


□今年の夏は暑かった。

 それはもう「暑い」というよりかは
 「熱い」に近い感じだった。

 その熱さも
 そんなこともあったっけというくらいに
 すっかり過ぎ去り
 体に心地よい季節がやってきた。

 ホッとしているのもつかの間、
 手帳の季節がやってきた。

 こんどは
 体の内側からさぁ手帳を買うぞ!と
 だんだんと熱くなってきた。

 日頃、手帳は
 その月や週のページばかりをいつも見ているが、
 この手帳選びの時期だけは
 手帳の全体を見ていく季節である。

 自分が今年一年間
 手帳とどんな風に付き合ってきたかを
 チェックするためだ。

 たとえば、
 たっぷりと書き込んで
 書ききれずに欄外にたくさん書いているようなら
 手帳サイズの変更を検討するサインになる。

 逆に最初の頃ころ
 よく使っていたが、
 後半になると、
 めっきり書き込みが少ないページ
 というのもあったりする。

 一年間使ってきた手帳は
 次はこうしたらいいよ、ということを
 色々と教えてくれる存在だ。

 私は、
 毎年この時期に
 こんな感じで今年の手帳と
 真正面から向き合い、
 来年へと進んでいく。

 具体的には
 手帳売り場にいくということです。

 という訳で、
 今年の手帳の使い方を振り返ってみたいと思う。


 


■ 一ヶ月外枠囲み方式

 私が使っているのは
 マンスリー手帳。


 


 スケジュール欄は
 ウィークリーなどがない
 カレンダーだけを手帳にしたような
 シンプルなタイプだ。

 このマンスリーをより使いやすくするために
 数年前から取り入れているのが
 「一ヶ月外枠囲み方式」。


 


 一ヶ月という少々漠然とした期間が
 グルリと囲まれた面積で表され、
 その中で今、自分がどこにいるかを
 明確に教えてくれる。

 言わば、
 スゴロクみたいな感じだ。

 同じ月のページで
 外枠がないものと、あるものを比較してみると
 その違いをわかっていただけると思う。


 

 


 外枠を囲むと
 1ヶ月というものが脳に染みこんでいくような感覚がある。

 もはや、私にとって
 この外枠はなくてはならないものになっている。

 これは来年も引き続き採用していく。

 この外枠を書き込むために使っているのが
 クレタケのカリグラフィーマーカー。

 蛍光マーカーと違い
 ペン先がスパッと真横にカットされているのが特徴。

 これだと
 同じ太さのラインがキレイに引ける。


 


 グレーを使い、
 その細い方で書き込んでいる。
 (品番はTC-3100 No.94))


■ 肩乗せチェックボックス

 予定の記入の仕方にも
 自分なりの工夫がある。

 これはいいぞ!と個人的にとても気に入ってるのが
 「肩乗せチェックボックス」。

 これで書いているのが
 予定の中でも
 特に重要な締め切りだ。

 クライアントと約束した企画書の提出期限であったり、
 原稿の締め切り日といったものがある。

 また締め切りに限らず、
 毎月必ずやらなければならないことも
 これで管理している。

 私の場合で言えば、
 月末の請求書の発送、
 月初に行う書類のスキャン、
 PCのバッグアップなどだ。

 この手のものは
 急にその日になって慌てるのではなく、
 そろそろくるぞとお茶でもすすりながら
 数日前から落ち着いて臨みたい。

 こうした予定を手帳に書き込んで
 それを四角や丸で囲んでその右肩に
 チェックボックスの□を乗せる。


 


 終了したらその□を
 塗りつぶす。

 たったこれだけのことで
 締め切りのモレは減り、
 毎月やるべきことも
 スムーズにこなせるようになった。

 日を追うごとに
 やり終わった■でだんだんと手帳が埋まっていく。

 その中で□があると、
 これが目に飛び込んでくる。


 


 人は空白を見つけると
 それを埋めようとする本能みたいなものが
 あるからかもしれない。

 この「肩乗せチェックボックス」は有効だったので
 来年の手帳でも採用!

 ちなみに
 どうして右肩で
 左肩ではないのか。

 これについては
 たぶんFacebookの更新マークが右肩にあるのに
 すっかり慣れているからだと思う。


■ ペンはラミー2000の0.5mm一本体勢に

 手帳に使うペンは
 ずっとシャープペンに決めている。

 それは消せるからだ。

 予定というものは
 変更が日常茶飯事。

 ただ、消せるということなら
 フリクションもある。

 たしかに便利だとは思う。

 私のまわりでも
 手帳に使っている人がいっぱいいる。

 私がいまだに
 シャープペンにこだわっているのは
 「消し跡」という理由からだ。

 シャープペンで書いたところを
 消しゴムで消すと
 かすかに「消し跡」が残る。


 


 何が書いてあったかが
 うっすらわかるのだ。

 この点に安心感を覚える。

 さて、
 このシャープペンは
 今年の一時期、2本体勢を敷いていたことがあった。

 具体的には
 0.5mmシャープペンと0.4mmの2本をセットしていた。

 マンスリーは記入スペースが小さい。

 すでに記入した中に
 さらに予定を追加で書かなければならないことがある。

 より細かく書く時に
 0.4mmは便利だった。

 ただ、
 当たり前の話だが、
 2本のペンを手帳にセットするのは
 やはり無理があった。

 いざ、ペンを取ろうとしたときに
 どっちを使おうか?と一瞬迷うのも煩わしかった。

 そこで、
 再び0.5mmだけの一本に絞ることにした。

 この時、
 芯の方を工夫してみることにした。

 ぺんてるから出ている「HB HARD」という芯を
 入れている。

 細く書くということで言えば、
 芯を細くするだけでなく
 芯の硬度を硬いものにするという手もあると気がついた。


 


 芯が硬ければ、
 筆跡も細くできる。

 とは言っても
 「H」にするのは少々抵抗があった。

 「HB」の書き味は残しつつ
 わずかに硬いものをと考え、
 「HB HARD」にした。

 すでに数ヶ月運用しているのが
 これは私にどうやら合っているようだ。

 普通に書け、細かく書こうとする時も
 うまくいく。


■ 工程表をさらに一歩改良

 私が手帳の中で
 マンスリーページ以外に
 もうひとつこだわっているのが工程表。


 


 主に
 連載や本の執筆などをこれで管理している。

 縦が原稿の種類で
 横が1本の原稿を書くために
 必要な諸々の作業。

 たとえば、
 草稿を書く、入力する、推敲をするといった
 細分化した単一作業である。

 これまでは
 ひとつの作業が終了したら
 そのマス目を塗り込むだけだった。

 今年の中盤からは
 その作業にかかった所要時間も
 書き入れてみた。


 


 そもそも自分は
 どれくらいの時間で
 一本の原稿を仕上げているのかを
 私はこれまで全く把握していなかった。

 実際にやってみると
 原稿の長さにもよるが
 大体一本あたり3~6時間くらいだった。

 最初のうちは
 これが長いのか、それとも短いのか
 正直分からなかったが
 とりあえず
 ひとつの自分の目安みたいなものができた。

 このレコーディング工程表を
 続けていると思わぬ変化があった。

 たとえば、
 原稿を推敲している時、
 この前は20分で終わったから
 今日も同じくらいでやり切ろうという
 発想になっていった。

 少しずつだが、
 以前より所要時間が短くなった。

 作業が早くなったという感覚は
 実はあまりなく、
 無駄な時間が減ったという感じがする。


■ 外枠式タックシール

 私の手帳術をこうして振り返ってみると
 なにかと「外枠」を囲むのがほんとに好きなようだ。

 時間はぼんやりとしていて
 つかみ所がない。

 外枠を付けることで
 ぼんやりとしたものが
 俄然、輪郭がハッキリとしたものになる。

 先ほどの工程表でよく使っているタックシールにも
 外枠をいれている。

 使っているのは
 ニチバンの貼って剥がせる「タックシール」。

 連載で取り上げる文具をPLANする時
 これにとりあえず書いて
 シミュレーションしている。

 この「タックシール」は
 そもそも真っ白で
 そのまま工程表に貼ると、
 紙面に馴染んでしまう。

 あくまでも
 まだ「仮」なんだよ!ということが
 いまいち伝わってこない。

 そこで
 グルリと0.3mm系のゲルインキボールペンで囲んでみた。


 


 印刷された枠ではなく
 あえて手書きのユルユルした枠にしたことで
 まだ正式でないんだよ・・・という感じが
 醸し出される。


 


 たまに
 もう一度撮影をし直すといった
 忘れてはならないことがある。

 そうした時は
 予め蛍光の色鉛筆で塗った
 外枠式タックシールを使う。

 上から書き込んで貼ると、
 しっかりと読めて、目立つ。


  


 いずれもタックシールのシートごと
 手帳の後半にあるノートページに
 マスキングテープで貼ってストックしている。


 


 もし、
 使い切れなければ、
 キレイに剥がして来年の手帳に引き継げばいい。


■ 来年も「ラフィーネ」に決定!

 私の手帳の使い方は
 細かな部分ではちょこまかと
 改良しているが、
 大きなところではここ数年変わっていない。

 マンスリーページで一ヶ月という
 ほどよいスパンで一日を見つめ、
 その日を生きていく、
 これが
 どうやら私には合っているようだ。

 人によっては
 一週間の中で一日を見つめて
 今日を生きていきたいという人もいるだろう。

 これは人それぞれだ。

 どちらがいいという問題ではない。

 私は来年一年間を共に過ごす手帳に
 ここ数年ずっと使っている
 高橋書店の「ラフィーネ」にすることにした。

 A6(文庫本)サイズとコンパクトであるのに
 一日の記入スペースが
 他の手帳よりも広い。

 以前に7~8冊の同タイプの手帳を
 買い込んで実際に計ってみたことがある。

 手帳売り場でその点をざっと調べたところでは
 「ラフィーネ」を超えるものは
 まだ出ていないようだった。

 ただ、
 2015年の「ラフィーネ」の花柄具合が
 盛大になっていたのには困ってしまった。


 
    【花柄カバーは取り外せるので、ポスタルコの手帳カバーをセットしている】


 もともと女性用の手帳を
 男性の私が使っているのだから仕方ないが、
 それにしれも
 来年の花柄は満開すぎる。。

 47歳を迎えたおじさんが
 レジに持っていくのには
 相当な勇気がいる。

 ノートとノートの間にはさんで
 持って行こうかとも考えたが
 使わないものを買ってもしょうがないと
 潔くラフィーネだけを手にレジに向かう決心をした。

 とは言え、
 レジに他のお客さん、とくに若い女性のお客さんが
 並んでいない方がいい。

 そのタイミングを見計らって
 サッとレジに駆け寄って買った。

 そう言えば、
 昨年もやはりサッとレジに駆け寄って買ったために
 失敗してしまったことがあった。

 それは手帳の糸綴じがやや不安定であったこと。


 


 ラフィーネは数cm間隔で糸綴じされているのだが、
 昨年買ったものは、
 手帳の下側のその糸綴じの縫い目が
 少々上側にきていて
 ページの見開きが不安定だった。

 今回は、その反省を踏まえて
 レジにダッシュする前に
 この綴じ具合いだけはちゃんとチェックしておいた。


■記事作成後記

 実は、妻も2014年から
 私と同じ「ラフィーネ」を使っています。

 それまでは
 A6サイズのウィークリーバーチカル+マンスリータイプでした。

 あるとき、
 「私もマンスリーだけにしてみようかしら」
 と言うので
 「やってみたら」と軽く勧めてみた。

 ほぼ一年間使い終わった妻に
 ウィークリーページがなくて大丈夫だった?と
 聞いてみると
 全然問題なかったとのことだった。

 私たちは
 記入スペースがそこにあるという理由だけで
 書いているという面も
 ひょっとしたらあるのかもしれません。

 ウィークリーがなければ
 それはそれで問題ないのかもしれませんね。


 (2014年11月18日作成)


 ■ 私が今回買った高橋書店 ラフィーネはこちら。



 



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* 関連コラム

 ■ 「私の手帳の書き方・使い方 2013年~2014年」

 ■ 「私の手帳の書き方・使い方 2012年~2013年」

 ■ 「2011年 私の手帳の使い方、そして2012年に向けて」

 ■ 「マンスリー スケジュール帳 2009年 私の使い方 」

 ■ 「マンスリー スケジュール帳を比較検討する。」

 ■ 「 4年目を迎える 私流ビソプランの使い方」 クオバディス ビソプラン(クラブ)

 ■ 「シンプルなカレンダー手帳」 クオバディス ビソプラン



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