文具で楽しいひととき
■ 「私の手帳の書き方・使い方 2012年〜2013年」


 


□夏の暑さが一段落したのもつかの間、
 すぐさまやってくる手帳選びのシーズン。

 売り場での展開も年々早くなっている。

 色々な雑誌でも
 手帳特集が繰り広げられ、
 読んでいると何だか浮き足だってきて、
 早く手帳売り場に行かなくてはと焦ってしまう。

 来年の手帳を選ぶ時、
 私が一番心がけているのは
 自分の胸に手をあてて静かに思いを巡らせること。

 今年1年間つき合ってきた手帳は、
 自分にとってどうであったかをじっくりと振り返る。

 色々な情報を見る前に、まずこの作業を行う。

 たとえば、
 予定管理は上手くいったか?

 使っていて不便を感じることはなかったか?

 どの点が一番使いやすかったか?などなど。

 この作業をコーヒー(お茶でも可)を飲みながら
 手帳をパラパラとめくり、振り返ってみる。

 もし、この時
 決定的な不満点が浮かびあがってきたら、
 その時は雑誌の手帳特集を見たり、
 売り場に足を運んだりして、
 その不満点だけに的を絞って新たな手帳を探しの旅にでる。

 この振り返り作業の結果、
 私はやっぱりマンスリー(カレンダー)スタイルが、
 私のワークスタイルに合っているという結論に達した。

 手帳とは、
 予定というつかみ所のないものを
 見つめるための「レンズ」のようなものだと思う。

 1日を拡大して見たい時は、
 倍率の高いデイリー、
 すこし遠目に予定を眺めたいと時は、
 1ヶ月がよく見る広角レンズのマンスリーといった具合だ。

 私は予定を遠目で見たいタイプなので
 マンスリーカレンダーが合っている。

 なかでも
 高橋書店の「ラフィーネ」というレンズで覗くと
 予定のピントがピタリとくる。

 そこで
 2013年も「ラフィーネ」でいくことに決定した。

 外出途中に立ち寄った
 恵比寿の文具店で
 これでもかと盛大に咲きほころんだ花柄の
 「ラフィーネ4」を買った。


 


 この花柄手帳をレジに持っていくという作業だけは、
 何年やっても慣れることができない。


□このマンスリーだけの「ラフィーネ」を使い始めて
 かれこれ2013年で5年目に入る。

 手帳は同じものをずっと使っているものの、
 実は毎年少しずつ使い方
 そして書き方は進化している。

 今回は、
 2012年に私が実践して、
 これはいいぞ!すごくいいぞ!という
 手帳の使い方・書き方をご説明したいと思う。


□まず一つ目は
 1ヶ月を枠で囲むという方法。

 厳密にいうと
 2年前から試験的に取り入れているものだ。


 


 当初は
 いつでも消せるフリクションで枠を囲み
 1年間実施してみたところ、
 これが予想以上に便利で
 もはや消す必要など全くないことがわかり、
 今年は消せない水性ボールペンで書き込んだ。

 この外枠を囲むということの最大のメリット、
 それは
 1ヶ月は限られているんだぞ!
 という当たり前すぎるくらい当たり前のことが
 視覚的に意識できる点。

 きっと
 1ヶ月という単位で仕事をしている人は多いと思う。

 月末までに営業成績を達成するとか、
 何かを仕上げるなどなど。

 しかし、
 月初めになると、
 その前の月が終わったばかりで
 色々な月末仕事を仕上げたばかりなものだから、
 ついつい気が緩んで月初めは余裕をかましてしまう。

 しかし、
 この外枠があることで
 月初めであっても
 その月の終わりというものが
 視覚的に訴えかけてくるので、
 自ずと月末を意識せざるを得なくなる。

 するとどうなるか。

 月初であっても、
 これは油断できないぞと、
 ほどほどに頑張ることに繋がる。

 いつもは月末にしわ寄せが行きがちだったものが、
 1ヶ月全体にほどよくパワーが分散されて
 月末になって
 急に慌てるということがめっきりなくなった。

 あともう一つのメリットとして、
 外枠を囲むことで1ヶ月の形が
 ハッキリとしてくるというのもある。

 マンスリー手帳は
 同じ月のページを少なくとも30回以上は見ることになる。

 それだけの回数を見続けると、
 その1ヶ月の形がだんだんと頭にしみ込んでくる。

 これがスケジュール管理にはなかなか良い。

 その形のどこに予定が詰まっているか、
 または空いているか、ということが
 目をつぶっただけでもなんとなくわかってくるようになる。

 つまり
 予定のビジュアル化ができるようになるということだ。

 外枠を付けただけなのだが、
 意識が枠の中だけに向かうようになるのだ。

 これは外枠を付けずに使っていた時には
 味わえなかったことだ。

 この「外枠囲み作戦」がすっかり気に入ってしまった私は、
 2013年の手帳においては
 その枠を少しばかり改良してみた。

 外枠の線を太くしてみることにしたのだ。

 これまでは0.7mm くらいの
 ブルーの水性ボールペンで
 少し遠慮しがちに外枠を書いていた。

 しかし、
 細い枠線だと予定をいくつも書き込んでいくと、
 外枠がだんだんと目立たなくなってしまうということがあった

 私としては
 月日が進むほどに月末を意識していきたいのに、
 外枠がだんだん目立たなくなるというのは本末転倒である。

 それから私は
 手帳の定位置を明確に決めており、
 Mac のすぐ左側にスタンドセットし、
 そこに立てかけている。


 


 つまり、
 手帳を見る時に
 手にとってじっくりというよりかは、
 30〜40cm くらい離して手帳を
 眺めるということの方がもっぱら多い。

 この状態だと
 細い線が余計に目立たなくなくなってしまう。

 そこで
 思い切って線を太くしてみることにした。

 具体的には
 外枠を2mmのグレーにしてみた。


 


 まだなにも予定が書き込まれていない状態だと、
 その太い線が必要以上に目立っているが、
 使っていくうちに
 だんだんとちょうど良くなっていくと信じている。

 色をグレーにしたのは、
 もともとの紙面の線がグレーなので
 それに合わせてみた。


 


 外枠を目立たせたいとは言っても、
 あまり色々な色があるというのも
 どうなんだろうと考え、
 同じ色に合わせてみた。

 ちなみに、
 私が今回使ったペンは
 クレタケの「ZIG カリグラフィー( PC -3100)」という
 両頭タイプのもの。


 


 2.0mm と3.5mm のうち、
 細い2.0mm を使っている。


 


 ペン先は
 ヘラ状にまっすぐカットされているので、
 同じ幅のラインを引くには都合がいい。


□次に、二つ目を。

 それは
  ToDo を書き込むときによく使う□のチェックボックス。


 


 □を書くだけで
 ToDoであることがわかるとても便利なマーク。

 ただ、
 もっとこのToDoのマークを目立たせたいと
 思うようになった。

 それこそ
 ToDo をやろう!という
 気持ちにさせてくれるようなものが
 なにかないだろうかと。

 そこで
 思いついたのが「ボタン」。

 「ボタン」とは
 パチンと押すスイッチなどのボタンのこと。

 人はなぜか
 飛び出したボタンを目の前にすると
 無性に押してみたくなる。

 それを
  ToDo のタスクマークに表現できないだろうか。

 つまり、
 ボタンのようについつい押してみたくなる
 マークというのがないだろうかということ。

 そこで
 まず私は、
 まさにボタンのように立体的なものを
 考えてみた。


 


 しかし、
 これを ToDo を書くたびに
 いちいちやっていては
 面倒くさくてたまらない。

 そこで、
 簡単に書けて、
 しかもボタンっぽく飛び出しているように
 見えるというものはないだろうかと、
 考えている中で一つひらめいた。

 それがこの□の右下隅に
 逆 L 字型をつけるというものだ。


 


 たったこれだけなのに、
 手帳の中に書き込むと意外と目立ってくる。


 


 しかも、
 □だけを書いた時より
 ボタンを押したくなるモードというのが
 ぐっと増してくる。

 その出っ張ったように見えるボタンを見ていると、
 その ToDo を何とかしたいと本能的に思えてくる。(気がする)

 その ToDo をやり終えたら
 逆L字ところもろとも塗り込んでしまう。

 

 レ点の時よりも
 やりきった感もタップリ味わえる。


□三つ目の改良点。

 今度は書き方ではなく、
 シールを貼るというものだ。

 エーワンから出ている
 「@マーク ポータブル蛍光テープ」。


 


 私は手帳には
 シャープペン一本で書き込んでいる。

 それは
 書き直しが簡単にできるから。

 ただ、
 シャーペンは筆跡が黒一辺倒になってしまう
 という問題点がある。

 重要な予定を目立たそうとしても
 なかなかできない。

 そこで、
 この蛍光テープを貼ることにした。


 


 これがとっても目立つ。

 何かを目立たせるというのは
 結局のところ、
 そこに全く別のものを入れ込むということだ。

 黒ばかりの中で
 赤で書くのも同じこと。

 この蛍光テープを手帳紙面に
 貼り込んでみると、
 「別物感」、
 他の言い方をするならば
 「異物感」というものが抜群に生み出されてくる。


 


 何しろ
 テープという物理的に違うものを
 スケジュール紙面に貼り付けているので、
 色を変えるよりも目立ち度は抜群。

 この蛍光テープがいいのは、
 もし重要な予定が変更になれば、
 キレイに剥がせる点。

 また、
 シートスタイルになっているので、
 手帳カバーのうしろに挟んで携帯でき、
 必要な時にサッと貼ることができる。


□それから
 4つ目もシール系。

 私はエーワンのポスト・イットラベルシールというのも
 併用している。


 


 これを私は、
 よく見るページのインデックスとして使っている。


 


 全面糊なので、
 ページの端っこに折り返して貼ることもできてしまう。

 インデックス向きな
 蛍光色なのでピッタリ。


 


 また、
 こちらもシート状なので
 手帳カバーの内側に挟み込んで
 いつも携帯している。

 ここに差し込んだ状態のままで
 ラベルを剥がすこともできてしまう。


 


 インデックスとしてだけでなく、
 通常の付せんのように使うこともある。


  


 ラベルの大きさは
 いろいろとあるので、
 自分のスケジュール紙面に
 ピタリと収まるものを使えば、
 予定表にキレイに貼ることもできる。


□5つ目はシャープペンについて。


 


 厳密にいうと
 シャープペンに付いている
 消しゴムについての改良ポイントだ。

 私のようにマンスリー手帳を使っていると、
 1日の記入スペースがそれほど大きくないので、
 細かく書き、同時に細かく消すということが
 日々求められる。

 その際、
 シャーペンの後ろに付いている
 直径3ミリほどの消しゴムが大活躍してくれる。

 しかし、
 使い込んでいくと
 消しゴムの先端もだんだんと丸くなってしまう。

 こうなると
 消したいところ以外のところも
 誤って消してしまうということが起こりえる。

 そこで、
 私はその消しゴムの先端を
 スパッとカッターでカットしてみた。


 


 こうすると再び角が生まれてくる。


 


 考えてみれば、
 これは普通の消しゴムでも
 角が丸くなった時にできることなのかもしれない。

 そもそも
 鉛筆を削るように
 消しゴムだって
 削るべきなのかもしれない。


□以上のような感じで
 自ら工夫して手帳と向き合っている。

 こうした工夫は
 手帳と自分の距離を
 グッと縮めることのように思う。

 手帳は所詮、
 既製品なので
 完全に自分に合っているものではない。

 大体は自分好みだが、
 少しだけ違うという状態で使い始める。

 その少しだけ違う部分を
 実際使っていく中で、
 自ら工夫をして自分に引き寄せていくしかない。

 私は5年連続同じものを使ってきたので、
 少しずつだが、
 着実に手帳との距離が縮んできているように感じる。



■記事作成後記

*今年からポスタルコのカバーを新調しました。

 今回はネイビー。


 


*2013年のラフィーネには、
 いくつかのマイナーチェンジが見られました。

 ひとつに、
 一日の枠の中央に赤い点線が付けられています。

 そんなに濃くないので
 使う分にはそれほど気にならない感じです。


 


 それから、
 月ごとのインデックスが
 小口部分に付いています。

 マンスリーページは
 見たとしても翌月ページということが多いので、
 正直これはあまり必要ではないという
 気がしています。

 まぁ、一年間使って検証していこうと思います。

 場合によっては、
 修正テープで消してしまうかもしれません。。






(2012年11月20日作成)


 ■ これが2013年版 ラフィーネ手帳です。

 ■ エーワン ポータブル 蛍光テープ は、こちらで販売されています。

 ■ エーワン ポスト・イットラベルシール はがきサイズはこちら。





  ■ Facebookページ はじめました。

    



** マンスリー手帳 私のこれまでの歴史 

 ■ 「2011年 私の手帳の使い方、そして2012年に向けて」

 ■ 「マンスリー スケジュール帳 2009年 私の使い方 」

 ■ 「マンスリー スケジュール帳を比較検討する。」

 ■ 「 4年目を迎える 私流ビソプランの使い方」 クオバディス ビソプラン(クラブ)

 ■ 「シンプルなカレンダー手帳」 クオバディス ビソプラン



 ■ 「目に見えない時間を面積で表す」 pen-info.jp 時計式 ToDo管理ふせん


**  いま抱えているタスクを頭で記憶するのではなく、
    全部頭から出しちゃいましょう。その方がスッキリします。

 ■ 「ToDo全集に最適なATOMA A7メモ」 



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