2022.03.15(502)

「F 鉛筆は意外と使いやすい」

三菱鉛筆ほか

鉛筆 F

鉛筆 F

大人になって鉛筆再デビューをしてから、手にする硬度は変化していった。2Bから使いはじめBそして、最近ではHBに落ちついている。そう言えば、万年筆も当初はB(太字)ばかりを使っていたが、最近はすっかりEFを好んで手にしている。歳を重ねるごとに私は「細く・硬く」という流れを突き進んでいるようだ。この流れは私の中に確かにあるようで、近頃は鉛筆のFに心地よさを感じるようになってきた。

■ 鉛筆Fの硬度とは

万年筆でFというと、Fine(細字)だが、鉛筆のFはFirm(しっかりした)である。鉛筆の硬度はH(Hard)とB(Black)という尺度で構成されている。Hの数字が増えるほど硬く、Bに行くほど黒く(濃くなめらかに)なっていく。その中間に位置するのがHB(HardBlack)である。程よい硬さと濃さを併せ持ったバランスの良さがある。H、HB、Bという並びになるわけだが、HとHBの間に位置するのが、Fである。

■ ハイユニで硬度Fと出会う

三菱鉛筆 ハイユニ F

つい最近まで、やっぱり鉛筆はHBだよねと惚れ込んでいた。ある時一本の鉛筆を使い切り、次の鉛筆をストックボックスから手探りで取り出したのが偶然にも三菱鉛筆ハイユニのFだった。これも何かの縁だと思いエンゼル5でガリガリと削って使ってみることにした。たまにはいつもと違う硬度を使ってみるのもいいではないかと、キリリと尖った芯先を見つめ思った。HBより硬めということで頭の中にはカリカリという硬さをイメージしていた。実際に書いてみると、そんなにカリカリしたものではなかった。確かにHBよりかはわずかに硬さはあるにはある。そんな中でもとても自然に書いていける。これはこれでいいではないか。最近すっかり硬め書き味にシフトしつつある私にはとてもしっくりときた。

三菱鉛筆 ハイユニ F

こうして私はFの気持ち良さをハイユニから教えてもらった。ハイユニはご存知のようになめらかさがある。このFの心地よさはハイユニだけなのだろうか。他のブランドでのFはどんな具合なのだろうか?そのことが気になりだした。

三菱鉛筆 ハイユニ F

■ トンボMONO100

トンボ鉛筆 MONO100 F

私の軸足(定番)鉛筆のトンボMONO100。このFで書いてみた。うんこれもいいぞ。ハイユニよりも硬さがあるかと思いきや書き味にそれほど大きな違いは感じられなかった。硬さの中にも細かななめらかさが含まれている。書きはじめのタッチは確かに硬い。でもしばらく芯先を紙の上で走らせていくと、小さななめらかさが少しずつ手に伝わってくる。そんな書き味だった。

トンボ鉛筆 MONO100 F

■ ステッドラー マルスルモグラフ

ステッドラー マルスルモグラフ F

ステッドラー マルスルモグラフのFはひと書きしただけで、違いがドンドンとドアを叩くようにやってきた。先ほどの2本より硬さがかある。当初私がイメージしていたFの書き味に最も近い。硬さの中にもなめらかさはわずかに伝わってくる。ハイユニとMONO100と比べると、含まれるなめらかさの配分の密度がわずかに少ないという感じだろうか。Fと一口に言ってもバリエーションがあるのが感じられた。必ずしもなめらかであればいいという話でもない。特に最近の私は硬め偏愛傾向にあるので、このステッドラーのFも私のストライクゾーンに十分収まるものだった。

ステッドラー マルスルモグラフ F



この程よい硬さとわずかななめらかさを併せ持つFという鉛筆。私はこれをノートの筆記に最近よく使っている。愛用の0.7mmシャープペンの筆跡に近いものがある。初めてFで書いた時にすんなりと受け入れられたのは、この0.7mm的なニュアンスがあったからなのだろう。そして、これは硬さの良さになるが、書き続けても芯の減りがとてもゆっくりというのがある。ノート1ページを書いても最後の方になってもあまり筆跡に変化がなかった。こうした点も気に入った。

鉛筆 F

鉛筆 F

三菱鉛筆ハイユニ F
トンボ鉛筆MONO100 F
ステッドラー マルスルモグラフ F

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