2022.01.18(498)

「指を誘い込むペン」

ラミー

xevo

ラミー xevo セヴォ

久しぶりのラミーの新作。

pen-infoでは紹介しないんじゃないか、そう思われていた方もひょっとしたらいたかもしれない。というのもボールペンだけというラインナップだから。今回の新作は私が好きなシャープペンや万年筆がない。当初はスルーしてもいいかもと思っていた。それなのに買ってみることした。しかも発売されてすぐさま買った。それは、1,500円+taxというリーズナブルプライスだったからだ。この価格の割にかなり力の入ったデザインをしている。そこに惹かれてしまった。

そんなラミーxevo(セヴォ)のインプレッションを私なりに書いてみたい。

ラミー xevo セヴォ

■ プラスチッキーだけど個性的

店頭で手にした時の印象は、軽い。。。そのふた文字が頭を駆け巡った。事前にSNSなどで画像をチェックしていた時はプラスチックには見えなかった。そして、そこそこボディの太さもあるように見えた。だから私の中には多分これくらいだろうという重さのイメージが出来上がっていた。そのイメージのまま手にしたものだから、あれ?軽い。。という感じになった。そしてすぐにわかったのはボディがプラスチックであることだった。ボディの上をツイストするとカチッという音がする。リーズナブルなペンでよく耳にする甲高い音。そうか、こういうタイプのペンなのかと、ここで実感した。ここまでの紹介だとリーズナブルなペンという印象しかないように思われるかもしれない。しかし、それだけではなかった。さすがラミーというディテールがあった。

それらを一つ一つ紹介してみたいと思う。いつも私はペンのファースト インプレッションをする時は自分が「ミクロの決死隊」のように小さくなってペンの上を歩きながら探検していくイメージでやっている。

ボディを歩き出して表面の質感がザラとサラの中間間くらいであることに気づいた。梨地というのに近いマットな質感になっている。ラミーノトよりもザラ感がわずかにある。そのボディは長めだなと感じた。試しにラミーノト比べてみると、ノックボタンも含めるとなんとノトよりもわずかに短かった。これは意外だった。xevoのクリップのあたりは、見る向きによってボディの太さが全く違って見える。太く見えた時の印象が強く、そのせいで長く感じられたのかもしれない。

ラミー xevo セヴォ

ラミー xevo セヴォ

■ 選べる握り心地

ラミー xevo セヴォ

次にグリップを探検していく。ボディは基本丸軸になっている。ただグリップの所だけは三角軸だ。三角軸と言えば、再びの比較となるがラミーノトがある。これらの三角具合が微妙に違っていた。xevoの方が角のエッジがシャープなのだ。ペン先にいくに従いそのシャープさがグングン効いていく。ペン先側を握ると、クッキリとした握り心地で、少し後ろ側では緩やかな三角軸となる。

ラミー xevo セヴォ

ラミー xevo セヴォ

この三角軸グリップは、ボディの後ろ側に行くに従い、すっかりと丸軸に変わっていく。三角が丸に変わる瞬間はどこだろうと、指を這わせて探ってみた。はっきりここだと判別できなかった。いつの間にか丸くなっているのだ。この自然さを演出しているのは、おそらくこれが影響しているのだと思う。ボディのつなぎ目がかなりペンの後ろ側に寄っているのだ。このつなぎ目がもしボディの中央あたりにあったら、三角軸から丸軸の自然な変化はこんなにも生まれなかったように思う。

ラミー xevo セヴォ

ラミー xevo セヴォ

■ スイッチのようにツイスト

ラミー xevo セヴォ

そして、xevoの一番のデザインポイントと言えるのがペンのトップ部分である。クリップを上にしてみると両側がごっそりとえぐられたようになっている。このペンはツイスト式。ペンをツイストする時の指の入り方、そして動かした方がこのくぼみを作りだしたというフォルムをしている。親指と人差し指を添えるとパズルのピースのようにぴたりとフィットする。そしてツイストさせる。まるで何かのスイッチを入れるみたいにカチッとペン先が出てくる。しかも、このくぼみ、横から見るとよく分かるが斜めに入っている。指先を気持ちよく誘い込むくぼみになっているのだ。

ラミー xevo セヴォ

ラミー xevo セヴォ

ラミー xevo セヴォ片手でもツイストしやすい

■ 軽快な書き心地

冒頭で思ったよりも軽いと言ったが、これは書いていく上で大いに味方をしてくれる。しばらく書いているとこの軽さの気持ち良さをどんどん受け入れ始める。リフィルは油性ボールペンのM16。M16ってこんなになめらかだったっけ?というくらいのスムースがあった。いつの間にやらマイナーチェンジをしているのだろうか。このスムースさと軽さでグングン書いていける。

ラミー xevo セヴォ



やはりラミーらしさ溢れるペンだったというのが探検を終えての感想だ。一見シンプルに見えるが細部に考えられたフォルムをしていた。1,500円+taxで味わえるのは、ラミーファンにとっては嬉しい。買ってよかった。

ラミー xevo セヴォパッケージの紙にはGMUNDが使われている

ラミー xevo

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