2011.03.08(225)

「グラフ1000の弟分的存在」

ぺんてる

シュタイン+グラニフコラボ

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ 限定シャープペン

ロングセラーと聞くと、どこか安心感を覚えてしまう。長きにわたって販売され続け、多くの人達に支持されているからなのだろう。今のような商品サイクルが早い時代では、一つのものを長く売り続けるということは、決して簡単ことではない。

ロングセラーと呼ばれるものの中には突出した特徴を持ったものもあるが、多くは、むしろそうしたものをオブラートに包むようにどちらかというと控えめものが多いように思う。控えめだけど、ついつい手が伸びてしまう、ロングセラーとは、そんな存在のような気がする。そして今回ご紹介するこのシャープペンもロングセラー。

■ 超ロングセラー 製図用シャープペン

今年で41年目を迎える。しかも、これはぺんてるのシャープペンの中で、世界で一番販売数が多いものだという。正式な商品名というか、品番は「P 205」。

以前日本でも販売されていたが、残念ながら現在は、日本での展開は終わってしまった。しかし、海外では、今も販売され続けているというシャープペン。その「P 205」が限定ながら再び日本で発売されることになった。このシャープペンがとってもそそられるものがあるので、ひとつじっくりとご紹介してみたい。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

シャープペンとしては、これは製図用に属する。製図用のシャープペンが世界で最も売れているというのは、ちょっと不思議な感じもする。製図やデザインの仕事をしている人がそんなに多くいるはずがない。

きっとそれはそうした職業の人達のみならず、一般の人たちにも支持されているからなのだろう。プロにとって使いやすいものは、実は、我々一般ユーザーにとっても使いやすい。

今回の限定版では、スッキリとしたホワイトボディ。これは現在海外で展開されている P205にもないカラーだという。製図シャープペンというと、ブラックというイメージがあるので、これはかなり新鮮。製図用シャープペンでありながら、あまり肩ひじをはらずに、気軽に使うことが出来そうだ。

■ 製図のためのスペック

しかしながら、製図シャープペンとしての基本は、しっかりとおさえた作りとなっている。まず、ペン先の芯が出でくるパイプ、これをスリーブと言うが、ここが4mmと、とても長くなっている。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

こうした長さがあることで、ペン先周りの視界がよくなり、図面の細かな書き込みも正確に行うことができる。そして、クリップが取り外そうと思えば、取れるようになっている。

この理由は、後ほど。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

そして、グラフ1000ほどとまではいかないが、このシャープペンも、そこそこの低重心になっている。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

手にしたときの第一印象としては、全長がやや短いかな、、と感じた。計ってみると、グラフ1000よりも3mm 程度短いだけだった。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

見た目にはもっと差があるように感じる。たぶんそれは、ペンの両端のノックボタンとペン先がグラフ1000より細くなっているので、余計にそう感じるのかもしれない。そして、とても軽量。と言っても、これはあくまでもグラフ1000と比べてのこと。今回のものは、グリップも含めてプラスチックボディになっているので、見た目通りの軽さとも言える。

■ 12面体ボディ

ボディは丸軸かと思いきや、そうではなく、12面体になっている。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

つまり、12個も角があるということ。そう聞くと、いかにもゴツゴツとした感触を思い浮かべるところだが、これは、手の中でほどよくコロコロと握れる。ちなみに、この12面体は、ペンのグリップ部分だけでなく、ボディの全体までおよんでいる。軸の中央あたりを握っても、しっかりとコロコロと出来るのがいい。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

聞くところによると、製図の現場では、シャープペンで一定の太さの線を描くときに、軸を少しずつ回転させながら書くということがあるそうだ。ご存知のようにシャープペンはずっと同じ向きで書いていると、だんだんと芯が減り、いわゆる「偏減り」が起きてしまう。ちょうど日本刀で竹をスパッと切った時のように。

これだと線はどんどんと太くなっていってしまう。そこで、芯先が偏減りしないようにペンの軸を回転させるという訳なのだ。この12面体だと、そうしたコントロールもしやすい。ちなみに、先ほど、製図シャープペンはクリップが取り外せると触れたが、こうした使い方をする際にクリップが邪魔にならないように、ということらしい。

■ グラマラスなクリップ

しかし、このクリップ、取り外してしまうには、あまりにも惜しい、、と思わせるものがある。クリップのフォルムがなんともいかしているのだ。私はうっとりと見とれてしまった。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

一枚の鉄板から作られたものなのだが、これが実にグラマラスなフォルム。クリップの根元がグワットと盛り上がり、その中央にV字の凹みを付けて、クリップの先端に行くにしたがい、なだらかな山脈のようになっている。一枚の鉄板で作られたクリップの中で、こんなに格好いいものを私は見たことがない。もちろん、クリップのバネ効果もとてもよく効いている。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

■ 重みのあるノック

次にノックの押し心地。今回、コラムのタイトルに「グラフ1000の弟分」と書いたが、そう感じたのは、このノックの押し心地がとても似ていたから。ノックは適度な重みのある押し心地。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

その「押ししろ」に全くといっていいほど、「遊び」がない。押し初めから、すぐに重みがやってきてカチッとノックできる。心なしかノックのストローク幅も他の一般的なシャープペンよりも短い気がする。何か精密なメカニカルなボタンを押しているという感じである。この絶妙な押し心地を司っている心臓部は一体どうなっているのか気になり、ペン先の口金をクルクルと回し、はずしてみた。

■ メタル製チャック

内側には「チャック」と呼ばれる芯を掴むパーツがある。それが金属製になっていた。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

こうした315円の価格帯のものとしては、これは珍しいのではないだろうか。さらに、グラフ1000の時の様に口金を外したままでもカチカチとノックが出来てしまう。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

シャープペンの精度は、このペン先の作り込みにかかっていると、個人的に思っている。この点に、まさに抜かりなくしっかりと作り上げられていいる。これはコストパフォーマンスがかなり高いシャープペンだと思う。

なるほど、ぺんてるの中で世界一よく売れているというのもうなずける話しだ。

■ 記事作成後記
このシャープペンには、予め芯が6本も入っています。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

ぺんてるの方によると、ぺんてるの全ての製図用シャープペンには、芯が6本入っているとのこと。これは製図をする人たちがヘビーユーザーであるためだそうです。私は、数年前にオーストラリア旅行した時に、格好いいペンがあるなと思って買ってきました。これは P 207と書いてあり、0.7mm芯タイプです。

ぺんてる シュタイン+グラニフコラボ シャープペン

カラーこそ違いますが、デザインは全く同じものとなっています。

*関連コラム
■「ロングセラーのシャープペン」ぺんてるグラフ1000
■「モバイル シャープペン」ぺんてる ケリー
■「心地良い質感のシャープペン」ぺんてる スマッシュ シャープペン