2004.02.03(12)

「老舗文具屋のシンプル鉛筆」

伊東屋

イートンペンシル

伊東屋 イートンペンシル 鉛筆

私は車メンテナンスノートをつけている。例えば、オイル交換をいつ、どこで、いくらでしたかなどを書き留めていく程度のものだが、、、オイルに限らず、ワイパー交換など消耗品は極力書き留めるようにしている。

これには理由がある。ガソリンスタンドに行くと、「点検しましょう」と一見親切そうなGSスタッフに言われるままに、ボンネットをあけてしまう。すると決まって「オイルかなり汚れてますね〜」「ワイパーそろそろ交換したほうがいいですよ」と畳み掛けられる。そう言われてみれば、いつ交換したっけ?といつも忘れてしまう。こういう時のGSスタッフはなにかお医者さんのように説得力があり心配性の私なんかは、言われるままに「じゃあ、お願いします」となる。

これではガソリンスタンドの思う壺だと思い、車メンテナンスノートをつけ、車内に常備するようになった。

■ 車に常備しておく筆記具

それ以来というもの、GSスタッフに「オイル汚れてますよ」といわれようが私はきっぱりと「まだ、いいよ」と言えるようになった。ただ、1つ困ったのは、何で書くかだ。ペンのことである。はじめはボールペンを常備して書いていた。そんなに、毎日書くわけではなく、一方、夏の暑さや冬の寒さで車内は結構過酷な状態となる。こうなると、ボールペンはいざという時にかけないことが多々あって困った。

それ以来、私は車でのペンは鉛筆と決めている。鉛筆も折れるというリスクはあるが、ナイフなどで削ることだってできる。やはり、ここぞという時にすぐに書けるのがうれしい。

伊東屋 イートンペンシル 鉛筆

前置きが大変長くなったが、最近は伊東屋オリジナルのイートンペンシルを車のグローブコンパートメントに忍ばせている。ご存知の方も多いと思うが、1985年からのロングセラー商品。この鉛筆一見何げないが、いくつかのこだわりがこめられている。まず、なんといってもデザインがシンプルで美しい。ロゴなどを極力省いてすっきりさせている。

■ 溶けこんだデザインの消しゴム

私が特に気に入っているのは、トップ部分に消しゴムが付いていることだ。鉛筆に消しゴムが付いていること自体、何ら珍しくないが、その消しゴムが完全にデザインに溶け込んでいる点が賞賛に値する。初めて見た人は消しゴム付きとはおそらく思わないだろう。これは金具などを使っていないことがかなり貢献していると思う。また、この消しゴムがよく消えるのなんのって、

この消し、少々力を込めて消してもびくともしない。金具も使わずに消しゴムがどのように固定されているか気になったので、ひっぱってみた。結構頑丈に固定されている。ようやくのことではずしてみると、軸を芯近くまで細く削ってあり、そこにキャップ状の消しゴムがかぶさっていた。「これなら、頑丈だ」と納得した。

伊東屋 イートンペンシル 鉛筆

木軸だってこだわっている。アメリカ西海岸産のキメが細かくふしのない、木目がまっすぐな最高品質といわれるインセンスシダーを使っている。

私の車のグローブコンパートメントには、車検証やGSのポイントカードなど色んなものが放り込んである。そんな中に車メンテナンスノートと赤のイートンペンシルが混じっている。赤だとそんなごちゃごちゃの中でも見つけやすいのが助かる。ちなみに、ボディカラーは赤以外にも黒、白、グレーの4色ある。これで1本60円とは恐れいる。

■ 続編「縁起物 100周年記念イートンペンシル」

伊東屋 イートンペンシル 鉛筆

先日、銀座伊東屋さんに立ち寄った際に、いつも行く鉛筆売り場に何げなく置いてあった鮮やかなブルーのイートンペンシルが目に入った。これは、見たことがない代物だと思い、手にとってみると100th.とある。どうやら伊東屋さんの100周年記念らしい。伊東屋さんの100周年記念モデルといえば目にも鮮やかなブルーを配したラミーのブルースターやカランダッシュのプリズマブルーといった存在は知っていたが、イートンペンシルにもブルーバージョンも存在していたとは知らなかった。

以前、中2階のイベントスペースで行われいた100周年コーナーではこのイートンペンシルは確かなかったような気がする。100周年記念イベントの仲間に入れてもらえなかったかわいそうな鉛筆。でも、売り場には結構売れているらしく、残りがあまりなかった。おそらく次の200周年記念までは、私も生きていられないだろうからこれは、買わねばと思い、1本入手した。

伊東屋 イートンペンシル

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