2006.08.15(112)

「オーストラリアで買った文具」

オーストラリアで買ってきた文具

オーストラリア 文房具 ステーショナリー

今年の夏休みは家族でバカンスを過ごすためにオーストラリアに行ってきた。実は、この行き先の決める際には家族でちょっとした議論になった。と言うもの私としては、せっかく海外に行くのだから色々と文具が見られる北欧や東欧あたりを訪ねたかったのだが、私以外の家族全員は旅のメインの目的がバカンスということで、オーストラリアを希望していた。

意見が真っ二つに分かれてしまったのだ。と言っても3対1ではなすすべもなく、最終的には多数決ということで、泣く泣く押し切られてしまった。。それならばと、私は1つだけ条件をだした。それは、都市であるシドニーにも立ち寄るということ。バカンスを過ごす観光地では本格的な文具専門店を見る望みはほとんどないだろう。きっとお土産屋さんの一角にコアラのキャップのついたペンが並んでいるくらいだ。それではあんまりにも寂しすぎる。やはり、都市に行かなくてはならない。

とまあ、そういう訳で、家族から白い目で見られつつシドニー経由ケアンズ行きと相成り私は晴れてたくさんの文房具を買う事ができた。今回は、そんな中からいくつかをご紹介したいと思う。

■ ACCO社(オーストラリア)リングノート $3.5

ACCOHIDE リングノート

このノートの面白いのは、プラスチックの表紙に切り込みが入っていてそこにペンがさせると言うもの。表紙にペンがさせるノートは日本でもたまに見かけるが、このACCO社のものは、そのホールド感が抜群にいい。ペンのクリップを表紙の内側に引っ掛けて、さらにU字状にカットされたワッカでもってペンの横ぶれもしっかりと防いでくれる。ノートを乱暴にゆすってもペンはびくともしない。

ACCOHIDE リングノート

ACCOHIDE リングノート

これなら、ペンを気にせずにノートを小脇に抱えて持ち歩いても大丈夫そうだ。表紙を開くと、メモなどの紙片を入れておけるポケットページがある。

ACCOHIDE リングノート

そのポケット以降、横罫線のノートが続いていく。紙質はかなり薄めになっている。このノートに限らずシドニーで私が見かけた実用ノートの大半はこうした薄めの紙が多く見受けられた。各ページには、切り取り可能なミシン目が入れられており、さらに、ノートの上の隅には斜めのミシン目があるので、書き終わるごとに切り取ればページへのアクセスが簡単にできる。

ACCOHIDE リングノート

ACCOHIDE リングノート

お手頃なのに、機能が盛りだくさんの充実ノートだ。

■ スリーエム ハンギングファイルフォルダー タブ $6.95

スリーエム ハンギングファイルフォルダー タブ

マニラフォルダー売場で見つけたポストイットの貼ってはがせるインデックスタブ。ただのインデックスならそんなに珍しくもないのだが、これがユニークなのは、、、タブの付け根があらかじめ曲がっているということ。

スリーエム ハンギングファイルフォルダー タブ

何故わざわざ曲がっているかと言うと、ハンギングフォルダーがズラッと並んだ中から必要なフォルダーを探すときは、上から眺めることが多い。でも一般的なインデックスはまっすぐに立ち上がっているので、そのタブを見やすいようにひとつひとつ斜めに押し倒して確認する必要がある。その点、このタブなら、うまい具合に角度がついているので、検索性がぐっと上がると言うわけだ。

スリーエム ハンギングファイルフォルダー タブ

このスリーエムのタブのすぐ横には、タブの付いていないマニラフォルダー(1つ$0.40)が売られていた。しかも、日本ではあまり見かけない赤や黄といったとてもカラフルなもの。これに先ほどのタブをつけて使うこともできる。

オーストラリア 文房具 ステーショナリー

スリーエム ハンギングファイルフォルダー タブ

このタブはスリーエムから出されている一般のフィルム状のフラッグタイプのものよりもかなり厚めの素材になっているので、仮のインデックスというよりもむしろ本格的なものとして十分使うことができる。これはいいものを見つけたと思っていたら、日本でも新製品として発売されているのを帰国してから知った。どうやら、飛行機代までかけてかなり高い買い物をしてしまったようだ。。

■ COLLINS DEBDEM社 クラシックジャーナルノート $10.95

COLLINS DEBDEM ジャーナルノート

今回、オーストラリアで買ってきた色々なノートの中で個人的に一番のお気に入りがこれ。オーストラリアブランド「コリンズ」の素敵なデザインのノート。私はそのシンプルなデザインにイチコロになってしまった。200ページの大容量をじっくり使い込んでもへたれそうにないしっかりとした厚みのある表紙。

COLLINS DEBDEM ジャーナルノート

鮮やかな中にも品があるレッドの表紙には、控えめにエンボスで「JOURNAL」とだけ刻まれている。分厚いのだが、コンパクトなA5サイズなので、持ち歩いて使うにもちょうどいい。先ほどもご紹介したとおり、オーストラリアのノートの紙は薄めのものが多い。しかし、このコリンズのものはしっかりとした厚みがありどんな筆記具でも受け入れてくれそうな懐の深さがある。実際に水性ボールペンと万年筆で筆記テストをしてみたが、インクの裏うつりは微塵も見せなかった。

COLLINS DEBDEM ジャーナルノート

200ページもあって、かなり使いでがあるのだが、いまさらながら、もう1冊買っておけば良かったと悔やまれるとても魅力的なノートだ。

■ 日本製文具の輸出仕様モデル

一本数百円の一般筆記具売場には、海外メーカーの筆記具勢に負けじと我らが日本のペンたちも頑張っていた。uni(三菱鉛筆)、ぺんてる、パイロット、アートライン(シヤチハタ)などがずらりと並んでいた。そんな中、日本ではあまり見かけないものをいくつか買ってきた。

□ ぺんてる エナージェル クッション ボールチップ $4.5

ぺんてる エナージェル クッション ボールチップ

エナージェルといえば、書いたそばからインクがすぐに乾くゲルインクとして日本でもにわかに盛り上っているペンだ。聞くところによれば、このエナージェルは日本よりも先に海外でヒットしたそうだ。その理由のひとつに、左利きの人が書きすすめても自分で書いた文字のインクで手を汚さなくてすむということもあったと言う。

さて、このエナージェルは見た目のゴールドボディということもかなり珍しいが、それだけではない。ペン先がクッション ボールチップになっているのだ。クッション ボールチップと言われてもピンと来ないかもしれない。これは、私の想像なのだが、ぺんてるの定番ペン「ボールぺんてる」の樹脂チップが使われているのだと思う。

ぺんてる エナージェル クッション ボールチップ

見た目もやわらかな書き心地も「ボールぺんてる」そっくり。書き心地は「ボールぺんてる」をさらに滑らかにしたような感じだった。このエナージェル クッション ボールチップはまだ日本では発売されていない模様。。

□ uni JETSTREAM (左) $4.5
uni-ball eye Needle Point (右) $4.5

uni JETSTREAM uni-ball eye Needle Point 

オーストラリアのいくつかの文具店を見てまわった中でとりわけよく目にした日本のペンはuniだった。大きな専門店はもちろんのこと、ちょっとしたキオスクのようなところでもよく見かけた。今回買ってきたJETSTREAMとuni-ball eyeは、おそらく日本にあるものを海外輸出用にリデザインしたものだと思う。

オーストラリア  文房具 ステーショナリー

日本で売っているものよりもはるかに格好良いデザインをしている。以前にイタリアに行ったときもとても感じたのだが三菱鉛筆の輸出仕様デザインは目を見張るものがある。日本での発売が待ち望まれるところだ。

今回のシドニーでの文具屋さんめぐりで感じたのはオーストラリア製の文具が意外に少ないことだった。オーストラリアの文具店でありながら、オーストラリアのものを探すのに苦労する始末だった。日本の様に、筆記具、紙製品、ファイルなどでいつくものメーカーが存在しているという事のほうが、世界的に見たら珍しいことなのかもしれない。

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