2004.10.12(47)

「メタル製のステープラー」

ラピッド

StandUP Ultimate steel 

ラピッド StandUP Ultimate steel ステープラー

皆さん、マイステープラーってお持ちですか?ペンやノートはお気に入りを使っていてもステープラー(ホッチキス)までは、一応持ってはいるけど、すごく気に入っているかと聞かれるとウームとなってしまう方は結構多いのでは・・・かく言う私も、Brause社 スケルトンステープラーを使うまではそうでした。

いろいろ探してみると、これは欲しいと思えるステキなステープラーは結構あるもので、そんな中から、今回はラピッドのStandUP Ultimate steelを取り上げます。

ところで、日本ではホッチキスと言ったほうがなじみやすいが、欧米ではステープラーと呼ぶことが多いそうです。そもそもホッチキスという名は、アメリカのベンジャミン・ホッチキス氏という方がいて、なんと機関銃とホッチキスを発明したらしいです。(これは諸説ありようですが。。)機関銃とホッチキス。一見、関連性がなさそうだが、立て続けに出てくるという点で大いに共通点がある。

当時、ホッチキスというブランド名のステープラーがあり、それをとある日本の会社が輸入したのがきっかけで、日本ではホッチキスという呼び名で親しまれているとか。 (*1)

■ 美しいステンレスボディ

さて、今回のラピッド StandUP Ultimate steel。StandUP=立ち上がる、Ultimate steel=究極のスチール。商品の特徴を並べてみたら商品名になりました。というわかりやすいネーミング。

商品名にもあるように、究極のスチールが使われているようだ。持ってみると、ずしりとくる。 実は、スウェーデンという国は大変質のよいステンレス鋼を作ることで有名なんです。以前ご紹介したEKA社のナイフにも、スウェーデンステンレス鋼が使われている。他のステンレスに比べ粘りがあるので耐久性に大変優れている。

ラピッドのステープラーにも、そうした肉厚のステンレスがふんだんに使われている。あえて塗装をせずに、むき出しにしているので、その上質さを実感できるのがうれしい。質のよいステンレスで織り成す滑らかな曲線のフォルムはどことなく未来のロボットをイメージさせる。

ボディの要所要所にはラバーが付いている。はじめ、デザイン的なものかと思っていたが、使ってみて、それが単なるデザインだけではないことに気づかされた。前述のとおり、重い。なので、机の上に置く時に勢いよく置いてしまう。その時、このラバーがあるおかげで、ガチャンと音をたてることがない。そして、机もステープラーにも余計なキズをつけずに済む。

ラバーの位置をよーく観察してみると、そういうことが考慮された位置にしっかりとラバーが3箇所ついている。

■ 立ち姿が美しい

商品名のStandUPにあるように、立てられるようになっていて縦置き、横置きができるようになっている。

ラピッド StandUP Ultimate steel ステープラー

ラピッド StandUP Ultimate steel ステープラー

個人的には、綴じ口を下にした置き方が気に入っている。デザイン的に一番かっこよく見える角度であると共に縦置きにすることで、場所をとらずに済む。机の上はすっきりしたいと常々思っている私には、これはとても助かる。

ボディサイズは、かなり大きい。特に奥行きが長い。ステープラーの口をガバッと開けてみると、その奥行きいっぱいに針の収納スペースが出現する。10cmちょっとある26/6(または24/6)サイズの針1本がすっぽりと入ってしまう。伊達に長いんじゃないんです。

このながーい針1本でなんと約200回も綴じられる。ちなみに、国内のよくわれわれが使っているものは1本で50回。実に約4倍ということになる。

ラピッド StandUP Ultimate steel ステープラー

よく、ここぞという肝心な時に針がなくなるということあるが、200発あれば、その心配は格段に減りそうだ。まさに、立て続けに出てくるマシンガンのようだ。私は、これまでステープラーの綴じ口を前側にして、指と人差し指をメインにして握っていた。

ラピッド StandUP Ultimate steel ステープラー

一方、このラピッドを使うようになって、口を下側にして手の平でしっかり握るようにしている。この方が、断然力が入れやすい。

ラピッド StandUP Ultimate steel ステープラー

流線型のデザインも手伝ってしっかりと握ることができ、力が欠けやすくなっている。

ペンに書き味があるように、ステープラーにも綴じ味というものがあると思う。これまで使ってきたステープラーは綴じると「ガチャリ」といういかにも綴じましたという音をたてていた。このラピッ社のステープラーは「シャリ...」という少々心もとない音がする。しかしながら、綴じ具合はしっかりしている。

どうやら、この音は慣れの問題のようで、今では、この「シャリ...」という音が心地よく聞こえるようになった。

綴じれば、当然失敗することもある。そんな時は、「はりトルPRO」。こちらもシルバーの質実剛健なタイプ。机の上に並べてみると、このシルバーの組み合わせはとってもあっている。

ラピッド StandUP Ultimate steel ステープラー

でも、おそらくこちらはメッキ仕上げだと思う。RAPIDステープラーの上質なステンレスと比べてみるとその差は歴然。

よく、書きなれた万年筆は人に貸してはいけないと言われる。それは、自分の書き癖を覚えこませたペン先の調子が狂ってしまうからだ。このステープラー、綴じ味が狂うということはないかもしれないが、「ちょっと貸して」と言われたら、ためらわれてしまうそんな想いにさせてしまうステープラーだ。

*参考文献
「文房具 知識と使いこなし」 市浦潤氏 著 新潮文庫 S.61
「文具」男のグッズ100シリーズ2 ワールドフォトプレス編 光文社文庫 S.62

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