2013.04.02(277)

「U.S.A. のノート」

FIELD NOTES

COUNTY FAIR

COUNTY FAIR

休日は洗いざらしのボタンダウンシャツと、はき慣れたジーンズで過ごすことが多い。

これを身につけると体の中のスイッチがオンからオフに切り替わって、体の中で張りつめていた糸みたいなものが少しずつ緩んでいくような気がする。結局、私にとっての洋服はこのシャツとジーンズだけで十分じゃないかという気さえしてくる。そんなリラックスした時に、このノートはとても合うと直感的に感じた。

■ フィールドノートとは農場の人が使うノート

私たち日本人の間で「フィールドノート」というと、おそらく色々なノートが思い浮かんでくるのではないだろうか。一方で、アメリカの人たちの間では、古くから親しまれている「フィールドノート」がある。それは農場の人たちが使うノート。その「フィールドノート」はアメリカの種メーカーをはじめトラクター・フェンスといった農業関連企業が作っていたという歴史がある。農場の人達へのノベルティ、つまり販促物として配られてきたものだ。

大きさこそポケットサイズとほぼ同じだが、各社で趣向をこらしたデザインのものを作り、顧客である農場の人たちに配っていた。

FIELD NOTES

「 フィールドノート 」とは、そもそも「農場ノート」という意味。

■ 2008年に復刻されたフィールドノート

農家の人たちは、ジーンズのポケットにこの「フィールドノート」を入れ、日々の農場での作業内容などをそこに書きとめていた。アメリカで「フィールドノート」と言うと、そうしたイメージがしっかりと根付いている。しかしながら、時代とともにこの「フィールドノート」もだんだんと使われなくなってしまった。

その「フィールドノート」に注目していたのが、オレゴン州ポートランドのグラフィックデザイナーのAaron氏。彼は、こうした古き良き「フィールドノート」の魅力にみせられコレクションをはじめ、その数は数百冊にも及んでいた。そして、2008年に友人のデザイナーとともに「フィールドノート」を現代風にアレンジして蘇らせた。

素材から印刷加工に至るまで全て MADE IN THE U.S.A. というこだわりで。今回ここで紹介するのは、「COUNTY FAIR 」というシリーズ。

FIELD NOTES

「COUNTY」とは、州の意味。イリノイ、ニューヨーク、カリフォルニアの3州のタイプを取り上げるが、このほかアメリカ全50州のバージョンもある。鮮やかなブルー、レッド、イエローの3色がワンパックになっている。

FIELD NOTES

表紙にはゴールドで「FIELD NOTES」と印刷されている。

FIELD NOTES

■ ポケットに楽々入るサイズ、スリムさ

48ページと比較的薄めで、ポケットに入れていても邪魔にならず、角が丸くなっているので、ポケットに入れる時にとてもスムーズ。表紙にはほどよい厚みがあり、立ったままの筆記も快適にできるなど、フィールド(農場)で使いやすい作り込みは、ちゃんと残されている。

表紙の鮮やかさに目を奪われがちになるが、この質感がまたいい。指先の指紋に全神経を集中させ、その表紙をそっとなでてみると、とても細かいテクスチャーがあるのがわかる。

FIELD NOTES

使い込んでいったら違う味わいが出てきそうな予感がする。その表紙を開くと裏側には、このノートを使い始めるにあたって記しておくべき記入欄になっている。

FIELD NOTES

上から所有者名、このノートに書きとめる内容、使い始めた日と終了した日、そして誤ってどこかに置き忘れてしまった時に拾ってくれた人へのお礼の有無といった情報だ。ノートのタイトルや日付といった情報は表紙に書き込むことが多いが、あえて内側になっている。「フィールドノート」の表紙のデザインをそのまま楽しんでほしいということなのだろうか。

■ 紙面は約5ミリの方眼

FIELD NOTES

この「COUNTY FAIR」シリーズは3冊とも5ミリ方眼だが、この他ベージュ表紙の「 FIELD NOTES 」(3冊パック)には、方眼の他、無地や横罫線がある。ちょっとユニークなところでは、その3種類の紙面を一冊ずつミックスさせたタイプまである。

先程も触れたようにMADE IN USA ということで、この中に使われている紙も当然アメリカ製。アメリカの紙というと、リーガルパッドのように少し存在感のあるものをイメージしてしまうが、これは日本の紙では?と思ってしまうほどの滑らかさがある。

FIELD NOTES

しかも、罫線の色も薄めのブルーで日本人の私たちにもごくごく自然に使える。

■ 裏表紙に情報満載

そして、裏表紙の内側にも先ほどの表面裏に負けないくらいびっしりと記載されている。ブランドストーリーから始まり、この「フィールドノート」の使用例、さらにこのノートの製造工程までもがこと細かに書かれている。この製造工程の中には使われている紙の種類、インクの種類から製造機械に至るまでおしげもなく記されている。見る人が見れば、同じものが作れてしまうというくらいの詳細さだ。

FIELD NOTES

そして、一番下にも注目すべき記述がある。私が持っているものには「"COUNTY FAIR" THIRD PRINTING, FEBRUARY,2012」とある。

FIELD NOTES

つまり、「第3回目の刷り、2012年2月印刷」というこのノートの製造された情報だ。もちろんこの情報は「フィールドノート」を作るたび、変えるのだという。一番後ろには、各州の情報が記載されている。各州の標語をはじめ、人口や広さ、その州を代表する農産物などが書かれている。

FIELD NOTES

ちなみにイリノイの標語は、「State Sovereighty, National Union (州には主権、国家の団結)」。カリフォルニアは、「I have found it (我発見せり)」。そして、ニューヨークは、「Ever Upward (つねに上に)」。

知っているようであまり知らないアメリカのことが色々と書かれていて興味深い。

■ フィールドノートには鉛筆が似合う

私は、この「フィールドノート」を休日用のアイデアノートとして使いはじめている。このノートにあわせるペンはやはり鉛筆が似合う。

FIELD NOTES

しかも、半分より少し短くなってきたくらいの使い込んだものがちょうどいい。私は木軸が美しいトンボ鉛筆の「木物語」をあわせてみた。これにドイツの「MANUFACTUM」で買ってきたメタルのキャップをセットしてみた。この組み合わせをポケットに入れて、休日の犬の散歩の時などにアイデアやFacebookのネタなどを書きとめている。

FIELD NOTES

小さなノート、そして短い鉛筆という最小限の組み合わせだが、むしろこういうシンプルな構成の方がアイデアが出てきそうなそんな予感がする。

■ 記事作成後記
2月開催された展示会「EXTRA PREVIEW」にて「フィールドノート」の様々なアイテムが発表されていました。

FIELD NOTES

R0012602

フィールドノートの鉛筆

FIELD NOTES

カリグラフィーのような文字も書ける芯が平べったい鉛筆

FIELD NOTES

□ 各種フィールドノートは、こちらで販売されています。
□ フィールドノート

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