2006.10.10(116)

「針のいらないステープラー」

サンスター文具

ペーパーステッチロックタワー

Humans ミニ ステープル フリー ステープラー  サンスター文具 ペーパーステッチロックタワー 

Humans ミニ ステープル フリー ステープラー  サンスター文具 ペーパーステッチロックタワー 
【 左:Humans 右:サンスター文具 】

消耗品が要らないというお得感、そして我が家のゴミ出し当番として最近気になりだしてきた分別ゴミということもあって、針の要らないステープラーというものがずっと気になっていた。しかし、紙だけで本当に綴じられるものなのか、、、、ということも同時にすごく気になっていた。とにかく、私にとって気になってしょうがない文具のひとつだったのだ。

気にしてばかりいてもしょうがないので、ここはひとつ実際に試してみるしかないと思い、手に入れることにした。今回取り上げるのは、1,000円台で気軽に入手可能な2つの商品。

Humans社の「ミニ ステープル フリー ステープラー」そして、サンスター文具社の「ペーパーステッチロックタワー」。どちらも、商品名が異様に長い。。これまでなかった機能を持つ商品なので、わかりやすく伝えようという想いが長くさせたのだろう。。

今回は、紙で紙を綴じるというその実力のほど、そして、2つの商品の使い勝手の比較などを交えて、ご紹介していきたいと思う。

まずもって、この2つを選んだのには、訳がある。それは、値段がお手頃ということだけではない。ボディがコンパクトであるということ、これも、とっても重要な選択理由だったのだ。と言うのも、これらの針の要らないステープラーを手に入れたからと言って今まで使っていたステープラーがもう要らなくなるということにはならない。

つまり、机の上や引き出しに針アリおよびナシのステープラーが仲良く共存しなくてはならない。なので、できるだけ小さいにこしたことがない、という訳なのだ。どちらも手に平にのるくらいの小ささだが、Humans社のほうがコンパクトさという点では軍配があがる。

Humans ミニ ステープル フリー ステープラー  サンスター文具 ペーパーステッチロックタワー 

では、実際にそれぞれの綴じ具合を見てみよう。両方を試してみてわかったのだが、基本的な綴じる仕組みは同じだった。それはこんな感じだ。まず、紙に細いベロ状の切り込みが入る。同時にそれとは別のスリット状の切り込みもできる。そして、ベロ状のものが裏返されて、スリットの穴に差し込まれる。それでもって綴じるというものだ。

Humans ミニ ステープル フリー ステープラー  サンスター文具 ペーパーステッチロックタワー 

Humans ミニ ステープル フリー ステープラー  サンスター文具 ペーパーステッチロックタワー 

こういう風に書くと、なんとも長い道のりのように感じられるが、実際には、「ガチャリ」という一瞬でそれらが完結してしまう。これは、スゴイ。ちなみに、サンスターでは商品名に「ステッチ」という言葉を使っているが、これは「縫う」という意味。まさにベロ状の紙で縫うようにして綴じている。この様に、綴じ方は同じなのだが、違うところもある。ひとつに、綴じる向きがそうだ。

■ 綴じる向きが違う

Humans社は本体と同じ縦向きに綴じ穴ができる。それに対して、サンスター社のものは、横向きとなる。

Humans ミニ ステープル フリー ステープラー  サンスター文具 ペーパーステッチロックタワー 

しかも、サンスター社のものは綴じ終わってから本体を紙から引き抜くときにまっすぐ引く抜くのではなく、横にスライドしなくてはならない。これは、ちょっと慣れが必要かもしれない。綴じた際にできる穴の大きさはサンスター社のものの方がやや短くて太い。それから、使うときの持ち方も違うと言えば違う。

Humans社はそのコンパクトさから手に持って、ひとさし指と親指でもってぐギュッとつまんで綴じる。一方のサンスター社のものでは、手に持ってもできないことはないが基本は机の上において手のひらでグイッと押し込んで使う。

Humans ミニ ステープル フリー ステープラー

サンスター文具 ペーパーステッチロックタワー

指の力に自信のある人にはHumans社のものがいいと思う。握力にちょっと自信がないと言う方はサンスター社のものが楽に扱えるはずだ。綴じられる紙の枚数という点では、取り説によると両者とも、普通のコピー用紙にして最大4枚。

しかし、さすがに4枚となると、それなりの力が必要となる。サンスター社のものは、構造上手のひらで押し込むので、4枚であっても結構楽に綴じられるが、Humans社では、男の私でもちょっとつらかった。2~3枚を綴じるのがいいところだろう。

次に、いよいよ紙だけで綴じたその強度のほどを見てみよう。綴じる仕組みが同じなので両者でその違いはほとんど感じられなかった。試しに2枚の紙の隅に1箇所だけガチャリと綴じて、一枚だけをつまんで、もう一枚の紙をダラッと垂れ下げた状態で、ゆすってみた。頼りなげではあるものの、どうにかとまってくれている。

Humans ミニ ステープル フリー ステープラー  サンスター文具 ペーパーステッチロックタワー 

■ あくまでも仮綴じ

しかし、ちょっとでも引っ張れば、あっさりと破れてしまう。綴じ枚数が多ければ、それなりに強度はあるが、所詮は紙なので、やはり引っ張れば切れてしまうというもろさはつきまとう。これまでゼムクリップで書類をとめていたものをこの針ナシ ステープラーに代えるというのがちょうどよいのではないかというのが私の率直な印象だ。

しかし、色々と使ってみてちょっとだけ綴じる強度をアップさせる方法に気が付いた。

■ ダブル綴じという方法ある

それは「ダブル綴じ」というものだ。1箇所の綴じでは、弱い場合、2箇所並べて綴じるという単純明快な方法。

Humans ミニ ステープル フリー ステープラー  サンスター文具 ペーパーステッチロックタワー 

こうすれば、綴じる力は当然強くなる。何回もページをめくって読み返す場合は効果的。ちなみに、このダブル綴じはHumans社のものでしかできない。と言うのも、サンスター社のものは、綴じ穴が横向きになっているので2列並べたくてもできないのだ。並列ではなく直列にはできるが、そうしてしまうと 今度は、ページが開きにくいという問題点が出てきてしまう。と、まぁいろんな角度で2つの商品を見てきたが、用途やご自信の握力の具合などを勘案してお好みで選ぶのがよいと思う。

私はと言えば、どちらかと言えばHumans社の出番の方が多い。ステープラーという名前からどうしてもガッチリとめるというイメージがあったが、これはあくまでも仮綴として使うのがいいと思う。仮綴とはいっても、色々と便利な場面はある。実際は、私はこんな時に使っている。

ワードなどで原稿を書いていて、初稿ができあがったらそれをプリントアウトして、赤ペンでもって修正するのだが、それを綴じておく時に使っている。

修正が済んでしまえば、ポイッと捨ててしまうものなので、こういう時にはピッタリ。針の必要なステープラーの代わり、と言うよりもそれで綴じるまでもないがちょっと、とめておきたいというものには、もってこいのツールだと思う。

サンスター文具 ペーパーステッチロックタワーは、こちらで販売されています。

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