文具で楽しいひととき
 「イタリアで見つけた気になるステイショナリー その1」


 


 □今年は、夏休みを利用して、家族とイタリア旅行に行ってきた。
  この旅行での私の最大の目的は文具屋さん巡り。

  日本にまだ紹介されていないステイショナリーをいっぱい買うぞと、いき込んで、
  最初の到着地ミラノで予めチェックしておいた文具専門店に向かってみると
  ほとんどのお店が閉まっていた。

  はじめは、イタリア特有のシエスタでちょっと休憩しているのかなと思ったが、
  店には閉店とあった。

  なんとイタリアでは、夏休み期間中はお店も閉まってしまうんです。
 
  恐るべし、イタリア。


 □それでもあきらめられずに、文具探しを行った。
  今度は、作戦をちょっと変えて、専門文具店がだめなら
  他に文具が売っていそうなところを探そうとばかりに、
  向かった先はデパート。

  ミラノの観光名所ドゥーモの近くにあるデパート「リナシャンテ」に行ってみた。
  日本のデパートとさほど変わらないつくりだったので、すぐに文具売り場は見つかった。
  日本と同様おもちゃ売り場のとなりにあった。
  子供はおもちゃ売り場へ、私は文具売り場へそれぞれ向かった。
  目的は違えど、親子ともども真剣そのもの。

  それほど、大きい売り場ではなかったが、やはり、日本とは何かが違う雰囲気だった。


 □私がたくさん購入したステイショナリーの中からいくつかをご紹介します。



 ■NAVAデザイン ノート&鉛筆セット  7ユーロ (952円)

 


  イタリアのブランド、NAVAデザイン。

  日本にも鉛筆や革製品などがすでに紹介されているが
  こうしたノート類は私の知る範囲では日本で見かけたことがない。

  涼しげなスケルトンの表紙のA5版ノート。
  モールスキンでお馴染みのバンド付きになっている。


 


  ノートを開くと、NAVAの鉛筆がセットされている。
  ゴムバンドで鉛筆をしっかりホールドできるのが助かる。
  NAVAの鉛筆は私も持っているが、消しゴムつきは
  初めてお目にかかった。


 


 □さらに、面白いのが、ノート部分の下にはちょっとした書類を
  挟んでおけるファイル機能が装備されている。

  見た目のデザインだけでなく、こういう配慮もあり、
  なかなかの優れもの。

  カラーバリエーションはブルー以外にホワイト、オレンジ、グリーン
  サイズはA4サイズも用意されていた。

  鉛筆好きにはおすすめの逸品だ。

 ■銀座伊東屋にいってみたら、このノートが売ってました。
  (2004年9月4日)


 ■スタビロ NEXGRIP シャープペン 3ユーロ (408円)

 

 □独特なフォルムとボディ全体にラバーをまとった個性的なペン。

  どことなく爬虫類のような感じがする。

  握り心地はグリップ部分が少しだけスリムになっていることと
  ラバーのおかげで、ぴったりというより、むしろべったりとくる。
  
  さらに、クリップの反対側までラバーで被われているので、
  握った時にラバーが親指と人差し指の付け根にもフィットする。

  全身がグリップのようなシャープペンだ。


 □太い軸なのに、それ程太さを感じさせないのはデザインの妙味。
  ペン先からグリップ部分でいったん細くなり、また再び太くなる。
  ノックボタン部分にいたってはだ円型をしている。

  この変化に富んだ形状が躍動感を感じさせてくれる。

  筆記時の重量配分も心得ていて、ペン先は鉄の塊のパーツを使い、
  低重心が保たれている。


 □芯は0.7mm。以前にご紹介したが、日本の0.5mm芯と違って
  欧米ではシャープペンと言えば、0.7mmが主流。
  ローマ字などを書くのに、それほど細い芯は必要ないと言うことらしい。
  

  3ユーロとお手頃価格のペンに、これだけのデザインとこだわりが
  ちりばめられている。 

  さすがヨーロッパと関心してしまった。



 ■Pelikan Fluid Stilo 2.7ユーロ (367円)


 


 □言わずと知れた万年筆の大御所ペリカン。
  ペリカンは日本では高級万年筆メーカーとして有名だが、
  欧米では、一般文具からオフィス文具まで揃う
  総合的なメーカーだ。

  今回購入したシンプルな万年筆。
  キャップをつけたままだと事務用のボールペンかと
  思ってしまうほどの控えめな佇まい。

  いざ、キャップを開けるとスチール製ではあるが
  しっかりした万年筆のペン先が現れる。
  これにはちょっと驚いた。

  ちなみに、ペリカンのトレードマークであるペリカンをかたどった
  クリップはこの万年筆にはなかった。


 


 □肝心の書き味はさすがペリカン、滑らかな万年筆としての
  確かな書き味が愉しめる。

  インクは軸の端のほうまでたっぷりと詰め込まれている。
  これなら、結構長持ちしそうだ。

  インクの詰め替えは出来ず、使いきりとなる。

  使い切ったらきっと、また使いたくなりそうだ。

  そんな気持ちにさせてくれるお手頃価格の万年筆だ。


 ■今回のイタリアでの文具探しで感じたことは、
  まだまだ日本に紹介されていないすばらしいステイショナリーは
  たくさんあるということです。

  今後、どこかの商社さんがこういうステイショナリーを日本に
  たくさん紹介してくれることを切に希望したいところだ。

(2004年8月17日作成)

 *日本円の表示は私の購入した2004年8月時点の
   為替レートの136円をもとにしています。
  


□ 関連コラム 

 ■「ドイツ ペーパーワールド2007 取材レポート (補足)」

 ■ 「オーストラリで買ってきた文房具」

 ■ 「ペーパーワールド2013レポート」

 ■ 「ペーパーワールド・チャイナ2012 レポート!」

 ■ 「香港インターナショナル ステーショナリー フェア2013レポート」

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