文具で楽しいひととき
■ 「切る」プロが作った情報保護ツール  カール事務器


 


 カール事務器は鉛筆削り、
 パンチ、シュレッダーなど、
 刃で切るものを作るプロ集団。

 そのカール事務器が
 個人情報保護ツールを彼らなりのアプローチで作ってきた。

 巷で流行っている
 個人情報保護ツールと言えば、
 スタンプ式やハサミでザクザクと切っていくものが
 これまでの中心。

 カール事務器が発表したのは、
 その名も「切り取〜る」。


 


 形としては、
 これまでのスタンプ式のものにどことなく似ている。


 


 使い方は、
 まずカッターマットや、要らなくなった雑誌などを敷く。

 破棄したいハガキや封筒を置き、
 その上から「切り取〜る」を添え、
 力をかけながら一気にスライドさせる。


  


 そうすると、
 宛名の部分が波状にカットされていく。


 


 本体を裏返して見ると、
 波刃が2枚がすき間を保って並んでいる。


 


 ちなみに
 これはクラフト用のカッターをベースにして
 新たに作られたもの。

 上から力を入れると、
 刃が押し出され、
 本体をスライドさせると刃が回転して切り取れるようになる。

 まっすぐに切るものだと、
 破棄したはずの文字がそのままキレイに切れて、
 たとえば
 住所などの一行が
 読み取れてしまうことがある。

 波刃ならまっすぐ切っても、
 所々が波状になるので、
 文字がうまい具合に抜けてくれる。

 この「切り取〜る」は、
 紙はもちろん OK だが、
 一番得意なのはビニール封筒。

 一部のシュレッダーでは、
 ビニールが刃にからまるなどの理由で
 使用出来ないものもあるという。

 「切り取〜る」ならスカッと切り取ることができる。

 本体1,890円、替え刃630円。



■ イタリアのストーンペーパーノート OGAMI


 


 会場の端の方にあった
 「デザイン・ステーショナリーワールド」。

 そこを歩いていて、
 これまで全く見たことのないデザインノートが目にとまった。

 これは一体どこのブランドだろうと、
 しばらく眺めていると、
 後からパーソナル文具専門卸 エムディーエス(MDS)の人に声を掛けられた。

 イタリアの OGAMI (オガミ)というブランドで、
 MDSがこの度
 日本の代理店となったという。

 イタリアの文具メーカー IMAGO(イマゴ)社が
 立ち上げたブランドで、
 「 OGAMI」は「 IMAGO」のスペルを逆さにしたものだ。

 出展していたのは、
 「プロフェッショナル コレクション」と、
 「クオーツ コレクション」の2種類。

 「プロフェッショナル コレクション」は、
 シンプルなデザインであるのに対し、
 「クオーツ コレクション」は鮮やかな表紙で
 オスカー・ワイルドなどの著名人の言葉がデザインされている。


 
     【 プロフェッショナル コレクション 】

 
     【 クオーツ コレクション 】


 中の紙が全て台湾のLung Meng Tech社が開発した
 ストーンペーパー(REPAP)で
 出来ているのが特徴だ。


 


 ちなみに、
 逆さつながりでもう一つ付け加えると、
 「 REPAP」は「 PAPER 」を逆さまにしたもので、
 紙の常識を覆すというコンセプトらしい。

 ストーンペーパーとは
 文字どおり石で作られた紙のこと。

 原料は、
 炭酸カルシウム80%と高密度ポリエチレンで、
 木材は一切使われていない。

 石で出来ているということで
 これまでの紙とはかなり違う。

 表面はちょっとまとわりつくようならマットな質感があり、
 紙のコシはとてもソフト。

 アウトドアメモなどに使われる
 耐水紙のユポ紙というものがあるが、
 それにどことなく似た質感。

 肝心の筆記性は、
 とってもペンを選ぶところがある。

 相性がいいのは、
 マーカーやサイン、筆ペン、色鉛筆、クレヨンといった類だ。


 


 共通するのは、
 ペン先が比較的やわらかいもの。

 逆にあまり相性が良くないのは
 Hなどの硬めの鉛筆、細字ボールペン、
 万年筆といった先端が細く硬いペン先系のもの。

 先端が細く、硬いペン先で書くと、
 引っかかりを感じることがあるという。

 試しに私が取材で使っていた
 0.7mm のシャーペンで書いてみたら、
 思っていたほどの引っかかりはなかった。


 


 私は、
 日頃から万年筆をよく使ってるので
 筆圧は結構弱めな方。

 試しに今度は筆圧を多少強めで書いてみると、
 なるほど確かに引っかかっていく。

 引っ掛かるというよりも、
 その前にペン先が紙に沈み込んで
 うまく進んでいかないという感じだ。

 一方、ストーンペーパーのメリットは、
 水に強く、破れず、何より木を使わないので
 環境に優しいということがある。

 これはいいことだか、
 悪いことだかわからないが、
 石なので大きなサイズを手にするとズシリと重い。


 

 


 ■ 「プロフェッショナルコレクション」

 ・ハードカバータイプ
  ミニサイズ:1,000円、スモールサイズ:1,300円、レギュラーサイズ:1,500円

 ・ソフトカバータイプ
  ミニサイズ:500円、スモールサイズ:800円

 ・リング綴じタイプ
  レギュラーサイズ:1,200円


 ■ 「クオーツコレクション」

 ・ソフトカバータイプ
  ミニサイズ:500円、スモールサイズ:800円、レギュラーサイズ:1,000円

 ・リング綴じタイプ
  レギュラーサイズ:1,200円


  2012年10月1日(月)より順次発売 





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