2019.04.02(428)

「インディ系ステーショナリーショップ」

Shop LUDO

東京・阿佐ヶ谷

Shop LUDO

JR中央線 阿佐ヶ谷駅に降り立った。

考えてみると、この駅はこれまでに来た記憶がない。中野や西荻窪、吉祥寺あたりはなんどなく訪ねたことがあるというのに。北口を出た風景を見て、そう思った。人の記憶というのは不確かなようだが、結構たしかなところもある。特にこうした駅を降り立った瞬間、ここはずいぶん前に来たことがあるとすっかりと忘れていて記憶が急によみがえってくることがある。

そんなことを考えながら、バスロータリーを通り越していく。するとこれぞ中央線沿線という小さいながらもアーケードが見える。いくつかの商店を過ぎていくと、アーケードの屋根がなくなり、道が2つに分かれる。それを左に進んでいく。引き続き商店が軒を連ねているのがだんだんとその数も少なくなってくる。この道で正しいのだろうかと不安を感じはじめたところで目的のショップを見つけた。

Shop LUDO。あくまでも控えめに佇んでいる。しかし、ここには何かあるぞと私の文具アンテナは静かにしかし強く反応した。

Shop LUDO

■ ノートが大好きで

Shop LUDO

オープンは2016年、私が訪ねた2019年2月でちょうどまる3年目となったという。「LUDO」とはラテン語で「遊び」という意味。ショップのコンセプトはデザイン・素材にこだわったものをセレクトするというもの。ガラス張りの鉄扉を開けて中に入る。決して広くはない空間だが、文具好きならわかる独特の満足感と言おうか、心地よさが充満しているのがすぐにわかる。もともとは一般住宅のガレージだったという、そのスペースはなるほどちょうど車一台が入る奥に細長いスペースだ。ただ、天井が比較的高く、そのせいかゆったりとした雰囲気がある。

オーナーのリンさんは、中学・高校時代からノートが大好きだったという。その頃に集めていたノートの数は、現在LUDOにある在庫をはるかに上回るほどだったという。集めるだけでなく、日記やちょっとしたメモなど書くことも好きだったというリンさん。

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大人になり会社勤めを始めるが、ノート好きの炎は静かに燃え続けていた。数年して会社を辞め、好きな仕事をしたいとLUDOをオープンすることを決意した。とは言え、仕事で文具に携わっていたわけでもなく、お店の経験もなかった。全くの手探りからのスタートだったという。ただ、リンさんの心にはこのブランドのノートを扱いたいという強い想いはあった。たとえば、パピエラボ、月光荘、penco 、D-BROSなどなど。それらの会社に直接連絡をし取引をお願いしていったという。

なるほど、店内にはひとつの文具シリーズがズラリというのはあまりなく、このブランドからはこのアイテムをという感じでリンさんの主張が感じられるセレクトになっている。

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入り口のガラス窓からタップリと降り注ぐ日の光。店内の照明はあまり強くなく限りなく自然光の中で文具が見られるというのは意外と新鮮だ。

Shop LUDO文具を優しく照らす個性的な照明器具

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Shop LUDOノートの中でもリンさんが特に好きだという月光荘のスケッチブック ウス点

Shop LUDOLUDOで人気のノートがFLEXNOTE。

Shop LUDOイラストレーターのNoritakeさんのアイテム

Shop LUDOパピエラボプロダクトの中からも厳選をしている。表紙に円のあるノート。中面は片側だけに罫線がある。

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Shop LUDO「裏紙ノート」というユニークな名前のノート

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Shop LUDO背のバンドで裏紙をはさんで使うようだ

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■ 古いような新しいような独特な世界観

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奥に細長い店内スペースは、見方によってはシンプルな空間になりがちだ。しかし、中に入ってみるとわかるが、単調な印象は全然ない。たとえば、左の壁には白いボックスが4つ設置されていて中には商品がディスプレイされている。まるでギャラリーのように。

Shop LUDO

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そして、店内の中で一番印象的なのが右奥にある区切られたスペース。内側にリンさんがいらして、やりとりはここの窓口のようなところから行われる。

その区切られた空間は天井までガラスや棚を介しながら囲われている。店内の中の小部屋といった感じだ。商品についてなにかリンさんに聞こうと思えば、中のリンさんとすぐに目があるように作られている。作業場として使われているそうだ。

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リンさんから色々とお話をお聞きしながらも、私は買い物をすることも決して忘れなかった。私が買ったものは以下2つのアイテム。

店内に入ってすぐ目をつけて、これは買わねばと思ったのが、まるでアンティークの品のようなボックス。ちなみに、これはれっきとした新品、イギリスで洗濯モノをクリーニング会社に送る時に使われていた厚紙製のボックスからインスピレーションを受けて作られたという。鹿児島の作り手によるものだ。2.5mmほどもあるぶ厚い紙を使い、この独特な色合いは柿渋を塗布している。さらに表面には蝋引き加工もされていた。

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STACK CONTAINERS PAPER CONTAINER

STACK CONTAINERS PAPER CONTAINER

STACK CONTAINERS PAPER CONTAINER

STACK CONTAINERS PAPER CONTAINERこのボックスに絶妙に合う武骨なゴムバンドも付属されている

もうひとつは、ハンマーがリアルに描かれたノート。カドに結構大きな穴が開いている。フックに掛けるとあたかも道具としてのハンマーを掛けているようにも見える。道具のようにノートを使うというものなのだろう。

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D-BROS ハンギングノート

D-BROS ハンギングノート

いわゆるかわいい文具というよりもシンプルなものが多い。シンプルデザインである分、それぞれの素材感がタップリと味わえる。これこそLUDOのコンセプトの狙いなのだろう。

□ 取材後記

LUDOの斜め向いには古書コンコ堂さんがある。入りやすい雰囲気の古本屋さんだった。あわせて訪ねてみるのもいいと思う。

古書 コンコ堂

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