2017.11.07(393)

「色の層が美しいボディ」

サクラクレパス

SAKURA craft_lab 001 002

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 001 002

新入社員として働きはじめた頃、文具店で見かけ使い始めた一本のボールペンがあった。その書き味に驚いた。ボールペンなのにサラサラと軽く書いていけるのだ。当時サラサラと書けるペンと言えば、水性ボールペンがあったが、それとは全く違っていた。筆跡はにじまず細くクッキリとしていた。これまでにない書き味のボールペンだなと強く印象に残った。それがサクラクレパスの「ボールサイン」。あまり知られていないが、世界初の水性ゲルインクボールペンである。

私の中でボールペン革命は2つある。ひとつは三菱鉛筆の「ジェットストリーム」、そしてこの「ボールサイン」だ。約30年前に80円+Taxだったが、今も同じ価格で売られている。

その水性ゲルインクのリフィルを採用した大人向け筆記具が発売された。SAKURA craft_labの001と002だ。メタルをふんだんに使ったボディ、画材メーカーならではの色へのこだわりも感じられるライティングツールに仕上がっている。

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 001 002

■ 真ちゅう+ダークカラーの001

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 001

ボディには真ちゅうを使い、その真ちゅうらしさをそのまま見せている001。真ちゅうはペンのボディではよく使われる素材だ。多くのものは塗装されているが、最近は真ちゅうならではの素朴な黄銅色を全面に出したものも増えている。001がユニークなのは、その真ちゅうとカラーアクリルを組み合わせているところだ。

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 001

このペンを見て、最初に心に浮かんだのはアンティークな雰囲気な中にも新しさがあるところ。その懐かしさは、クリップとツイストダイヤルからも醸し出されている。クリップはヴィンテージ眼鏡のテンプルを、そしてツイストダイヤルはヴィンテージカメラのダイヤルをモチーフにしているという。

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 001

そして新しさの感覚はボディの上半分のカラーリングからやってくる。これがとても渋いカラーで真ちゅうによく似合っている。ここにはアクリル素材が使われている。アクリルというと、透明感のあるものが多い。しかし、これはすりガラス状になっている。中央には真ちゅうボディがあり。パイプ状のアクリルが包み込んでいるのだ。これにより光の加減で渋めのカラーのアクリル越しに真ちゅうの色がわずかに透けて見える。これまでお目にかかったことのない独特の色味だ。

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 001

角がこなれたツイストダイヤルに指をかけ、回してみる。ややまったりとした重みを感じつつクルリと回転するとペン先が繰り出される。全身真ちゅうボディということでほどよい重みがあるが、筆記体勢に入った時のバランスはいい。重心はほぼ中央にある。重くなりがちな後軸にアクリルパイプを使って軽量化を図っているのが功を奏しているようだ。グリップの真ちゅうは触れるとサラサラとした心地よさがある。とは言え、滑ってしまうということではない。ギュッと力を入れて握ればフィットするグリップ性もある。

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 001

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 001

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 001

001のボディカラーは全5色。それぞれのボディカラーにあわせたインクがセットされている。このグリーンブラックからは、なるほど同じダーク系のグリーンのインクが出てきた。かなり深みのあるグリーンなので、ビジネスシーンでも使いやすい。それでいてさりげなく個性も表現できる。

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 001

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■ 大人のクーピー 002

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 002

思わず手に取りたくなるカラーリングの002。とても軽やかな印象だが、こちらも001同様、メインボディは真ちゅう製。そしてそのほぼ全面をすりガラス状のアクリルパイプで覆われている。アクリル部分が多いので001より軽量。クーピースタイルのシンプルこの上ないデザインだが、語りどころは随所にある。

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 002

まず、ボディカラーの見え方というか、見せ方。001と同じすりガラス状のアクリルパイプなのに色の見え方が全く違う。アクリルパイプにはうっすらとそれぞれの色味が付けられている。これは001と同じだ。違うのは、その内側の真ちゅうボディの仕上げだ。001は真ちゅうそのままだったが、002は塗装されているのだ。この塗装にこだわっている。露出しているペン先とツイストダイヤルはマットな塗装。対してこのパイプの内側はツヤツヤとした仕上げになっている。こうすることで光の反射がほどよく生まれ、美しく見えるのだという。

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 002

ツイストダイヤルのフォルムも001と違う。これを見たらきっと誰もが先端をつまんでツイストしてしまうことだろう。決して押したり引っ張ったりはしない。人を正しい行動へと促すフォルムの力を感じる。001同様まったりとした感触で気持ちよく回転していく。繰り出されたペン先を見ていてフト気付いた。フラットなボディからペン先にいく直前にわずかに段差がある。この形状は、子供の頃からよく手にしていたクーピーペンシルの形そのものではないか。パッと見てクーピーっぽいと感じたのは、こうしたディテールによるものなのだろう。002は全10色とカラバリが豊富。ただインクは全てブラック。

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 002

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SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 002

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サクラクレパスらしさをしっかり活かしながら、独自の個性も併せ持つ今回のSAKURA craft_lab 001、002。私の年齢ならシックな001を手にすべきなのかもしれないが、個人的には002の方にグラッときた。ふだん鉛筆をよく手にする私には、このシンプルなフォルムがしっくりくる。そして真ちゅうの重みも味わえていい。この002ボディで、今回の水性ゲルインクボールペンタイプだけではなく、クーピー芯や黒鉛芯を搭載したタイプがあったらいいのにと思った。

SAKURA craft_lab サクラクラフトラボ 001 002

サクラクレパス SAKURA craft_lab
001 5,000円+tax 、002 2,200+tax

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