2017.07.11(385)

「育てがいのある万年筆」

デザインフィル

ブラス万年筆

デザインフィル ブラス万年筆

「重さ」と「満足感」との間には比例関係がある。私はそう思っている。

たとえば、いいカメラはそれなりに重くないとしっくりこない。機械式腕時計なんかもそうだ。もちろん、無理矢理に比重の重いものを使って仕立てるのではいけない。あくまでひとつひとつのパーツを吟味して選んでいったら、こうなりましたというこだわりの結果としての重さである。このブラス万年筆を手にした時、その満足感が手の平から脳へと送られてきた。ボディが小さな分、その重さはより一層強調された。

デザインフィル ブラス万年筆

■ 変化が期待できる真ちゅうボディ

デザインフィル ブラス万年筆

新品の状態はまるで鏡のようだ。銀色系ならこうした鏡面仕上げというのはよく見かけるが、真ちゅうではちょっと新鮮だ。少しの間、手の中であちこちを触っていると、結構すぐにその鏡面は指紋で曇り出す。「トラベラーズカンパニー」の飯島さんが、1ヶ月ほど使ったものを見せてもらったら、すっかり曇りが現れ、これぞ真ちゅうという道具感にあふれていた。同じ頃に使い始めた他の人のブラス万年筆よりも飯島さんのエイジングの方がずっと進んでいたという。飯島さんの手にはモノをエイジングを促す不思議なエキスが出ているのかもしれない。私もその飯島さんのものを目指して使っていこうと思った。

デザインフィル ブラス万年筆

デザインフィル ブラス万年筆

デザインフィル ブラス万年筆
〔右側が飯島さんのブラス万年筆〕

■ 見た目どおりの硬質な書き味

しっかりとはめ込まれた本体をグイとキャップから外して、後軸にキャップをセットしてみる。ショートサイズをほどほどに保った長さになる。スチール製ペン先には、「TRAVELER'S COMPANY TRC F」の刻印があるオリジナル仕様。「F」とあるようにペン先は細字だ。刻印よりペン先側には装飾のないスッキリとした眺め。ハート穴もないので、ボディのメタル感と息を合わせているように感じられる。ちなみに、これまでブラスボールペンや鉛筆よりズシリと重いのは、ほぼ全身が真ちゅうで作られているためのようだ。

デザインフィル ブラス万年筆

デザインフィル ブラス万年筆

書いてみる。スチールペン先ならではの硬さでペン先が進む。この硬さも不思議と許せる。目に入ってくる真ちゅうボディのせいだろうか、見るからに頑丈そうなメタル製だから、書き味もきっと同じ流れなのだろうという期待に応えてくれるものだった。ドイツ製のペン先を使っているというが、細字は日本の万年筆の細字に近い。日本語も書きやすい細さだ。そしてインクフローもいい。

デザインフィル ブラス万年筆

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■ トラベラーズノートに圧倒的に似合う

私が愛用している「トラベラーズノート パスポートサイズ」に添えてみた。当たり前だが、すごく似合う。これまでのプラスボールペンや鉛筆は先端が銀色だった。それが今回、全て真ちゅう色に統一され、よりしっくりとくる。クリップがペンのトップに限りなく近いところから出ているので、表紙にはさんでもほとんどペンが飛び出ない。ちなみに、このクリップは取りはずすこともできる。こうすると、オール真ちゅうとなって、より弾丸(ブレット)らしさが出る。ズボンのポケットに入れるウェアラブル万年筆として使っていくなら、外して楽しむのもいい。

デザインフィル ブラス万年筆

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デザインフィル ブラス万年筆

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書き味というのはペン先が決め、そのペン先と紙の擦れ具合でなめらかだとか、書き応えがあるとか感じるものである。それがベースとしてはある。加えて、書いている時のペン全体の眺めの良さというのも影響してくる。言わば、気分だ。「トラベラーズノート」にこのブラス万年筆で書いている時の眺めは、その意味で実にいい見晴らしだ。自分からだけではなく、第三者からの眺めもきっといいに違いない。

デザインフィル ブラス万年筆

デザインフィル ブラス万年筆
〔インクは専用カートリッジインクを使用〕

デザインフィル ブラス万年筆 4,800円+Tax

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