2005.09.27(90)

「鉛筆を最後まで慈しむ道具」

鉛筆補助軸

鉛筆補助軸

何事も減っていくというのは、あまり歓迎されることではない。最近高くなった車のガソリンや、財布の中身など。でも、鉛筆についてはそうは思わない。使い込んでいくに従い短くなっていく鉛筆を見ていると、「あぁ、もうこんなに使ったのか。。。」とその減り具合から自分の仕事の成果みたいなものを感じられて、なんだかうれしい。すっかりとその姿を変えた鉛筆に愛おしさすら覚える。

でも、短くなった鉛筆を使っていると、なんだか人間の器も小さいみたいに見られてしまう気がして、人前で使うのはちょっとばかり、気恥ずかしい感じもする。愛おしい相棒を使えないもどかしさとでも言ったらいいだろうか。

そんな時に、役立つのが補助軸という存在。またの名をエクステンダーとも言う。今回は、私が集めてきた、とっておきの補助軸たちをご紹介したい。

■ 伊東屋オリジナルの補助軸

鉛筆補助軸

先ごろ発売された伊東屋オリジナルの補助軸。伊東屋のオリジナル鉛筆、イートンペンシルのデザインのシンプルデザインをそのまま補助軸にしましたというとても潔いデザイン。メタル製のボディの表面には、まるで消しゴムのようなラバー塗装が施されている。手に程よく吸い付くと同時に、ホコリや汚れまでも吸いつけてしまう難点はあるが、使い込んでいけば、いずれはよごれていくものなのだから、そんなに気にする問題ではないように思う。

使い方は、補助軸の穴に鉛筆を差し込んで、補助軸のトップにある銀色のネジを回して、鉛筆を固定すればいい。

鉛筆補助軸

一般的な補助軸と違う点は、鉛筆を固定するためのネジがペン先側ではなく、後ろ側にあること。このおかげで、すらっとしたボディに仕上がっている。

鉛筆補助軸

補助軸のグリップ部分には、握りやすいように凸凹がある。よく見てみると、それはらせん状にぐるぐると回っている。実はこれ、先ほどの鉛筆を固定するためのねじ山も兼ねていたのだ。

イートンペンシル同様にレッド、ホワイト、ブラック、グレーのカラーバリエーションが用意されている。短くなった鉛筆をカジュアルな気分で使うにはもってこいだ。せっかくなので、イートンペンシルに合わせて使ってあげるのがいいと思う。

■ 定番の補助軸

鉛筆補助軸

次に、メタル素材をそのままに生かしたお馴染みの補助軸。文具屋さんに行くと、よく見かけるタイプがこれだ。先ほどの伊東屋さんのタイプと違い、鉛筆を固定するネジがグリップ部分にある。

鉛筆補助軸

このタイプ特有の面白いことを発見した。それは、筆記音。この補助軸で書いてみると、シャラシャラという音を奏でる。鉛筆単体では、決して耳にしたことのない独特な音だ。これは、補助軸が密閉構造になっているので、鉛筆の芯と紙が触れ合う振動が、補助軸の中で共鳴しているためだろう。ちなみに先ほどの伊東屋さんのものでは聞こえてこなかった。

この響きを聞くには、ちょっとしたコツがある。鉛筆を補助軸に指すときに鉛筆を深めにさして、書く時には、補助軸を握るというもの。鉛筆部分を握っても、音はしない。

短い鉛筆ならではのちょっとした楽しみになりそうだ。

■ 木製の補助軸

鉛筆補助軸

最後は、木製の暖かみある補助軸。鉛筆と同じ木で出来ているので、当然相性はばっちり。しかしながらこのタイプを使うには1つ注意点がある。それは、かなり短くなった鉛筆にしか使うことができないということ。

鉛筆補助軸

これまで紹介してきたタイプと違い、この補助軸は、金具の部分までしか鉛筆を差し込むことができない。長さにして6cmくらいの鉛筆をさすと、いっきょに新品の鉛筆くらいの長さになってしまう。

鉛筆補助軸

なので、かなり短い鉛筆しか使えないという訳だ。短くなった鉛筆にしか使えないということは、それだけ、鉛筆には使い込まれた味わいが出ている。一方、この補助軸には木が使われているわけだから、メタルにはない味が次第に刻みこまれていく。

その味わいがあるもの同士の絶妙な組み合わせとなる。これもまた、趣きのある鉛筆との付き合い方だ。自分の身を、まさに削ってまで、頑張って短くなった鉛筆にもう一度、息吹を与えてくれる補助軸。鉛筆の最後のその時まで、大切に扱ってあげればきっと、鉛筆も喜んでくれるに違いない。

そして、1本の鉛筆を使い終わった時には、なんとも言えない達成感を味わうことが出来る。

鉛筆補助軸

□ 伊東屋 鉛筆用補助軸 赤は、こちらで販売されています。

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