2019.05.14(431)

「消しゴムの握り心地を考える」

シード

レーダーなど

消しゴムの握り心地を考える

最近、消しゴムについて考えることがある。

それは、消しゴム本体ではなく、スリーブ(ケース)について。消しゴムを使い込んで全体の2割くらいが減ってくると、気になることが出てくる。さぁ消そうと消しゴムを手にした時、消しゴムがスリーブにもぐり込んでしまうのだ。それを引き出さないといけない。消す前に、いつもいつもこの作業をしていることにハタと気づいた。人によっては、スリーブを短くカットして消しゴムの露出を予め増やしておくという方法をとっている人もいるだろう。私もやってみた。まずまずうまくいったが、それでも使っていく中でスリーブがもぐりこんでしまうことがあった。私は消しゴムを手にしたら、すぐに消したい。その前に余計な手間がかかるのはストレスである。

それから、スリーブについてもうひとつ気になっていることがある。それは、デザインについて。そこにはメーカー名やロゴなどが印刷されている。果たしてそれは必要なのだろうか。店頭で買うときには確かに必要だと思うが、いざ自分の机などで使う時に、毎回そうかこれは「シードのレーダーか」「トンボのモノか」などと確認する必要があるだろうか。私はないと思う。

と言うわけで、今回は消しゴムのスリーブ、ならびに握り心地について考えてみたいと思う。

■ マステ式グリップ法

消しゴムにマステを巻く

短くなった消しゴムのスリーブのもぐり込み対策として、個人的に今、この方法が一番だと思っているのがマスキングテープを使うというものである。

マスキングテープ

どうやるかと言うと、露出している消しゴムとスリーブの口のところをマスキングテープでグルリと巻いて完全に固定してしまうのだ。もちろん消す部分はほどほどに出した状態にしておく。イメージとしてはシャープペンを2回ノックして出てくる芯の長さくらいといったところか。

消しゴムの握り心地を考える

消しゴムの頭をこうして固定して、さらに足下の方も念のためマステで固定していく。こうすると、スリーブのデザインがほどよく隠れる。これにより、もうひとつ気になっていたスリーブのメーカー・ロゴの主張を少し抑えることにもつながる。そもそもマスキングテープはマスクというように隠すのが本来の仕事。だから、私は正しい使い方をしているとも言える。

消しゴムにマステを巻く

消しゴムにマステを巻く

こうしてマステでグルグル巻きにした消しゴムの消し心地はいかなるものか。

これが実にいい。すごくいい。さぁ消そうとして手にしてから消すまでに余計な作業がなにもない。消しゴムとスリーブは完全に一体化されているので、ずれることは一切ない。消しゴムを私のコントロール下において使うという心地よさがある。何かを使う時、そのモノがガタガタとしているより、あたかも一塊になっている方がグッと扱いやすくなるものだ。それが、このマステ方式では味わえた。

消しゴムの握り心地を考える

消しゴムの握り心地を考える

使い続けて露出している消しゴムが減っていってしまったら、その時はマステはいったん剥がして巻き直さなければならない。いずれ、この時はやってくる。これは、新たな手間ではある。私はこのスタイルで1ヶ月ほど使っているが、まだその時期はやってきていない。私の場合は数ヶ月に一度の手間となりそうだ。毎回のストレスを数ヶ月の一度に減らせたという風に私は考えている。

消しゴムの握り心地を考える

■ ヒモ式グリップ法

基本は上記のマステ式で私の悩みはすっかり解決された。それ以上にやるべきことはないはずだった。しかし、一度火がついた工作心は私の中で静かに燃え続けていた。あるとき、トラベラーズファクトリーで「ツイステッド ストリング」というヒモを見かけ買った。これを目にした時、私の中で1つの用途が浮かんだのだ。それは、海外で買った洗濯バサミにこのヒモをくくりつけて壁に画鋲で貼っていくというものである。なにに使うかというと、展示会の招待状など、今すぐにに必要ではないが、その時にはすぐに見つけたい類のものを洗濯バサミで挟んで、ひとまず保管しておくのだ。とは言え、その用途ではそれほどたくさんのヒモも必要ない。タップリとあまってしまったヒモを前に私は考えた。

Twisted string

Twisted string

Twisted string

そして、思いついたのがこれで消しゴムをグルグル巻きにしてみたらどうだろうかと。早速やってみた。消しゴムのスリーブを取り外して丸裸にする。そこにヒモで一列ずつキレイにグルグル巻きにしていく。赤白のヒモなのでなんだかおめでたい雰囲気となった。握ってみると、これもなかなかよかった。これまでの消しゴムでは経験したことのない握り心地であった。一本一本のヒモが指の腹を気持ちよくフィットしていく。その凹凸によりガッチリと握れるのだ。あたかも太めの縄を握っているような感じだ。

消しゴムの握り心地を考える

考えてみれば、刀の柄にもヒモ状のものが巻き付けられていて、握りをよくしている。それに似ている。これもマステ式と同じで消しゴムが減ったら巻き直しが必要である。しかし、この握り心地のためなら、それも私はいとわない。

消しゴムの握り心地を考える



久しぶりに工作心が大いにうずいた。思い返してみると、「ジェットエース」の表紙に革を貼ったりスプレーで色を塗ったりした時以来だ。あの時は、色々と工作したが、結局は何も手を加えないそのままの「ジェットエース」が一番使いやすいということにたどり着いた。でも、やるべきことをやった上でたどり着いたのだから、私にとっては意味ある工作であったと今も思う。

消しゴムの握り心地を考える

今回の消しゴムグリップ工作、これも私にとって意味あるものになると信じたい。

消しゴムの握り心地を考える

3M イエローマスキングテープ
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ツイステッド ストリング

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