2016.07.05(359)

「出張先での執筆を快適に」

アシュフォード+pen-info

トラベルペンケース

アシュフォード+pen-info トラベルペンケース

海外で開催される文具の展示会に取材に行くことがある。終日、しかも数日にわたって取材するので、頭の中は文具情報で一杯になる。それこそコップのふちギリギリに満たされた水みたいに。そのため、取材した翌朝には原稿を書いて頭の中に一杯になった文具情報を出してやる。そうすることで、頭の中には空白のスペースが生まれる。そして、翌日に取材する文具情報をその空白に入れていく。コップの水を満たして、それを外に出し、再び満たすという繰り返しをしている訳だ。海外に展示会取材に行くというと、人からはよくいいですねと言われる。言葉にこそ出さないが、観光でもしてくるんでしょうという風に思われているのだろう。。実際は毎朝5時に起きて原稿を2〜3時間ほど書いて、それが終わったら日中はずっと取材するという、ふだんよりもずっとハードな日々となる。

その出張に必ず持って行くのが万年筆と原稿用紙。普段から草稿は万年筆で手書きをしている。こればっかりは譲れない。手書きしたものは後日ワード化するので、二度手間ではある。でも、このやり方でないとうまくいかないのだ。以前に一度だけ、展示会出張の際に、いきなりMacを開いてキーボードに向い草稿を打ち込んだことがある。しかし、何かが大きく違った。どこどこのブースにはペンが展示されていて、それはデザインがよかった・・・など、事実の羅列でしかなかった。ちょうど営業報告を書いているような感じだった。私は展示会場でもっとたくさんのことを感じたはずなのに、キーボードを通すと肌で感じた空気感みたいなものがそぎ落とされてしまっていた。これではダメだとMacをパタリと閉じて、万年筆を手にした。うまく説明できないが、万年筆を手にすると自分が経験したことを脳から再現映像を再生するように色々なことが引き出せる。

パイロット 万年筆 カスタム743 ウェーバリー

さてさて、話しが横道にそれたが、そういう訳で出張の時には必ず万年筆を持っていっている。それにあわせてインクカートリッジも5〜6本くらい携えていく。普段はボトルインクから吸入しているが、出張先にボトルインクを持って行くのは荷物も重くなって大変だ。だから、この時ばかりはインクカートリッジにしている。出張専用として愛用している万年筆はパイロットのカスタム743ウェーバリー。インクは純正ブルー のカートリッジ。これまではカートリッジインクは買った時の紙箱のまま、それをジップロックに入れていた。万年筆とバラバラになるので、一緒にセットできなものだろうかと考えていた。そんな私の超個人的な理由から作ったのが、この「トラベルペンケース」だ。アシュフォードさんに作って頂いた。

パイロット 万年筆 カスタム743 ウェーバリー

パイロット 万年筆インク ブルー カートリッジ

■ カートリッジインクの専用スペースがある

アシュフォード+pen-info トラベルペンケース

万年筆は潔く一本差しスタイル。それを取り巻くように下半分だけにロールがある。それを広げると、小さな収納スペースがある。ここにカートリッジインクを収納する。中央だけにフタがあり、ポケットにも同じ幅だけのステッチで区切られている。あえて、こうしてフタとポケットの幅を狭くしたのは、クルクルと巻いた時にキレイにロールができるからだ。試作の段階ではロール部分の横幅一杯にフタを付けていたが、それだとががさばってうまくロールできなかった。それにカートリッジもフリーポケットよりも幅が狭い方が中で倒れたりせずに安定して収納できる良さもある。カートリッジは7〜8本ほどが収納でき、一回の出張では十分な量のインクを持っていける。

アシュフォード+pen-info トラベルペンケース

アシュフォード+pen-info トラベルペンケース

アシュフォード+pen-info トラベルペンケース

アシュフォード+pen-info トラベルペンケース

アシュフォード+pen-info トラベルペンケース



キュッとロールをしばると、ペンケースはスッと自立する。滞在中のホテルのデスクに美しく配置できる。執筆スタンバイ状態という感じでなかなかいい。1日分の取材を原稿にまとめると、すぐに原稿用紙10〜20枚くらい書いてしまう。当然、カートリッジインクも1回で半分以上がなくなる。カートリッジインクを次々に使っていくというのは、普段あまりやらないことなので、なんだか気分がいいものだ。帰国時にはカートリッジインクを何本も使い切り、「トラベルペンケース」の下半分のロールも少しばかりスリムになっているという変化も味わえる。

【追記】
カートリッジインクを入れるポケットの両サイドには小さなポケットがそれぞれあります。ここに何をいれようかなと思っていたら、神戸派計画さんの「SUITO(スイト)」がピタリと収まりました。偶然の一致でした。。

アシュフォード+pen-info トラベルペンケース

ペンケースの口を折り曲げるとまさにシャツの襟のようになります。

アシュフォード+pen-info トラベルペンケース

・アシュフォード オンラインショップで販売中。

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