2017.03.07(376)

「情報に自由度を与えられるノート」

K-DESIGN WORKS

FLEXNOTE

FLEX NOTE

順番というものは、ひとつのコンテンツである。たとえば「A-B-C」という順番のものがあって、それを逆に並べ替えて「C-B-A」にしてみる。すると、ひとつひとつは同じなのに、逆にしただけで受ける印象は全然違ってくる。以前にこんなことを聞いたことがある。美術館でどの絵をどういう順番で見せていくかで見る人の感じ方は違ってくるのだそうだ。同じようにノートに書いたものも並べ替えると、違うものになっていくのだと思う。

このFLEXNOTEは、それができる。

FLEX NOTE

■ キットから組み上げる

このFLEXNOTEはキットになっていて、はじめに自分で組み立てる必要がある。メインのパーツは表紙、中の紙、そしてアルミニウムディスクの3種類。それらを説明書をもとに組み立てていく。まず、表紙にアルミニウムディスクを1つずつセットしていく。実際にやってみたが、この作業は少々コツがいる。というのも表紙は少し硬めなのに加え、アルミニウムディスクも少し変わった形をしている。その形を言葉で説明すると、こんな感じになる。円柱状のものをイメージしていただき、その上下を中央にギュッと寄せたようフォルム。ちなみに、これはアルミニウムの削りだしで作られている。表紙にはT字状のスリットがあり、そこにディスクの片側を差し込み、次に反対側も入れていく。無理して一度にスリットの両側に入れようとすると、表紙のスリットに折り目が付いてしまうので注意が必要だ。この要領で表紙2枚に全てのディスクをセットしていく。

FLEX NOTE

FLEX NOTE

FLEX NOTE

表紙にアルミニウムディスクを取り付けたら、次に中の紙をセットしていく。5〜8枚程度の紙をバサッと束でとり、紙にあるスリットをアルミニウムディスクのところに添え、こんどはスリットの両側を一度に押し込んでプチプチと入れてやる。結構な量があるが、これはなかなか楽しい作業だ。最後に下敷き(片側が7mm横罫線、裏面が5mm方眼)を好きな所にセットして完成。

FLEX NOTE

FLEX NOTE

FLEX NOTE

FLEX NOTE

すでにお気づきの方もいると思うが、バインディングシステムとしては、ベルギーのATOMA社のものと同じような方式だ。ただ細かな作り込みは少し違っている。ディスクの形状はFLEXNOTEの方がフラットな作りになっている。スリットの形状も微妙に違う。

FLEX NOTE
*左がFLEXNOTE、右がATOMA

FLEX NOTE
*左がFLEXNOTE、右がATOMA

FLEX NOTE

スリットにディスクをセットしているだけではあるが、FLEXNOTEのページのめくり心地はなかなかスムーズ。それでいて、一枚一枚のページはペラペラと簡単に取り出すこともできる。ページを取り外すときは、紙のはじっこをつまみディスクの向きに向かってはがしていけばいい。

FLEX NOTE

■ 森とともに生きるノート

このノートには、もうひとつの特長がある。表紙、そして中の紙が環境に配慮されたものが使われている。「FSC認証紙」といって、地球環境や生産地域に配慮して適切に管理されていることが認証された森林の木材を原料に含む紙なのである。私はちょっと誤解をしていた。環境にやさしい紙ということで、てっきり「FSC認証紙」は再生紙なのかと思っていた。

そうとも限らないようだ。このFLEXNOTEの紙はバージンパルプをメインで使っている。ただ、そのバージンパルプのための木が適切に管理されている。つまり、たとえば伐採したら次のために植林するなど、森林を維持させながら木を大切に使っているということのようだ。

たしかにFLEXNOTEの紙を触ってみると、とてもスルスルと平滑性がある。平滑性があるとは言え、鉛筆との相性もよい。紙の上に芯先を走らせると、シャラシャラという音がして、目にも見えぬ細かな繊維の凹凸が黒鉛の粒をからみ取ってくれる。また、万年筆との相性もよかった。パイロットのブルーインクで書いてみたところ、こちらも適度な書き応えはあるものの、スムースな書き心地だった。インクは裏面に抜ける気配はなかった。

FLEX NOTE

FLEX NOTE

■ 私の使い方

私はFLEXNOTEをアルミニウムディスクを上にして横位置で使っている。こうすると、書いていく上でディスクが手にあたることがなくなる。サイズのことを紹介し忘れていた。これはA5サイズである。A5と言ってもA5ジャストサイズではない。A5の紙を上に重ね合わせるとFLEXNOTEの方がスリットの分だけ広い。つまり筆記面積としてのA5サイズということになる。

FLEX NOTE

この横長スタイルで私は片面だけに筆記していく。実際に使ってみると、このFLEXNOTEと片面筆記は実に相性がいい。このノートの特長は、ページを自由に外して好きなところに移動できるところにある。このページを移動させることを前提に考えると、一枚の紙には、ひとつのコンテンツだけの方がいい。裏面も書いてしまうと、おもてと裏で二つの違うコンテンツが乗っかってしまうことになる。それを移動すると、違うコンテンツまで一緒に付いてきてしまう。片面筆記なら移動したいコンテンツだけを動かすことができる。こうして順番を替えることでノートの情報に変化を加えることができる訳だ。

また、こんなメリットもあると感じた。1ページに何か企画を書いていて、1ページでは書ききれずに2ページ、3ページにわたって書き続けることがある。ひととおり書き終わって、さてと全体を見返してみようとした時、これまでならページをめくりながら見ていかなければならなかった。FLEXNOTEならそれらのページをディスクからいったん外して、机の上に並べて一望することができる。思考の全体像をいっぺんに脳に入れられるので、考えるという行為の仕上げをうまくアシストしてくれる。

FLEX NOTE



こうしたフレキシブル性に富んだ使い勝手もさることながら、机の上にポンと置いた時の姿もなんともいい。アルミニウムディスク削り出しで作られてたディスクに独特な存在感がある。

FLEX NOTE

*追記

FLEXNOTEの便利な使い方を思いつきました。普段少し大きめのスケッチブックを使っているので、A5サイズは私には少々小さく感じられました。ならば、ページを合体させればいいじゃないかと考えやってみました。2枚の紙をつなげて裏面にマスキングテープで貼り付けてみるという方法です。こうすれば、倍のA4というゆったりとした紙面になります。そして、ここがポイントなんですが、折りたたむとスリットの位置が重なるので、ディスクに綴じ込めるんです。

FLEXNOTE

FLEXNOTE

FLEXNOTE

FLEXNOTE A5サイズ(全6色)各2,800円+Tax

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