2015.11.03(342)

「いつもと違う紙に書く」

GMUND

ノート

GMUND ノート

もう、数年前のことになるが、本「文具上手」でPOSTALCOのマイクさんを取材した。考えてみると、赤青鉛筆や大きなスチレンボードでアイデアを整理しはじめたのもマイクさんから教えてもらったのがきっかけだった。「文具上手」の取材でもとても心に残る言葉を教えてもらった。それは「あえてお気に入りの文具を使いすぎない」ということ。

私に限らず、きっと多くの人がホームグラウンドとなるお気に入りの文具があるものだ。もちろん、マイクさんにもそうしたお気に入りはある。しかし、いつも同じペン、そして紙だと自分の内側に降り積もった「癖」が知らず知らずのうちに出てきてしまうのだという。そうすると、新しい考えが出にくくなってしまう。

マイクさんはその「癖を溶かす」ためにあえてお気に入りを使いすぎないようにしている。

この考え方は、私にとって目からウロコがポロポロというよりもバサバサと落ちる思いだった。いつものホームグラウンド文具だけでなくたまにはアウェーにするべきなのだ。

このノートには、そのアウェー感がある。

■ グレーの紙面

GMUND ノート

ドイツのGMUND(グムンド)というブランドのノート。サイズはA5。表紙ならびに背、そして裏表紙は、ひとつながりになっている。

GMUND ノート

この表紙の紙が1mmはあろうかという厚みで表紙を開けるというよりも箱を開けるような感じになる。開ききると、表紙の内側はキレイなグリーン色をしている。

GMUND ノート

ノートの紙面はグレー。

GMUND ノート

ノートではまずお目にかからない色だ。このグレーが私の「癖を溶かす」のによさそうだと思った。

■ いつものペンの筆跡が違って見える

さて、このグレー紙面にはどんなペンで書くとよいだろうか。本来ならば、癖を溶かそうとしている訳だからここはいつもと違うペンを手にするべきところだが、まずはいつものペンで試し書きをしてみた。0.7mm芯のシャープペンで書いてみると、なんだかいつもと違う。

GMUND ノート

いつものペンだけど、癖が少しだけ溶けていく感覚があった。筆跡の印象が違うのだ。なにか弱々しさがある。黒鉛芯というものは黒に見えるが、厳密にはグレーをしている。

GMUND ノート

そのグレーの筆跡がグレーの紙にすっかり馴染んでしまったようだ。これを見て思った。まずラフアイデアを書く時はシャープペンで書いていく。そうすれば、まさにラフっぽさが出てくる。

パソコンの確定のエンターキーを押す前の状態とでも言おうか。そんな未確定さがある。これはこれでいいではないか。

未確定を確定していくには色芯を使うといい。たとえば、赤青鉛筆なんかで書いてみると黒鉛芯とはうってかわってキリリと引き立つ。

GMUND ノート

赤青に限らず、色んな色鉛筆を使うのもよい。たとえば、カラー芯をわんさと搭載した「マルチ8」なんかもいいだろう。ラフアイデアから少しずつ仕上げていきこれくらいかなと思ったらピリッと切り取る。このノートは、糊で綴じられているだけなのでキレイに切り取れる。

GMUND ノート

切り取ったページを机の上に置いてみるとこれまたいつもと違う。普段、机の上では基本白い書類ばかりなものだからグレーは思いのほか目立つ。

GMUND ノート

最終的には、いつも使っている月光荘のスケッチブックに貼り付けてしまう。いつもと違う文具を使うことで癖を溶かす。ノート紙面の色を白からグレーにしただけで、いつも使っているペンの印象がガラリと変わったのは新鮮だった。

いつもと違う文具をたまに取り入れる、これは、本当に効果がありそうだ。

GMUND ノート

* GMUND ノート 1,500円+tax

■ 私は、このGMUNDのノートを銀座・伊東屋(G.ITOYA)で買いました。

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