文具で楽しいひととき

■ 「針のいらないステープラー」 

        Humans社 ミニ ステープル フリー ステープラー 1,260円
        サンスター文具 ペーパーステッチロックタワー 1,050円



  
     【 左:Humans社 右:サンスター文具社 】


□消耗品が要らないというお得感、
 そして我が家のゴミ出し当番として最近気になりだしてきた
 分別ゴミということもあって、
 針の要らないステープラーというものがずっと気になっていた。

 しかし、紙だけで本当に綴じられるものなのか、、、、
 ということも同時にすごく気になっていた。

 とにかく、私にとって気になってしょうがない文具のひとつだったのだ。

 気にしてばかりいてもしょうがないので、
 ここはひとつ実際に試してみるしかないと思い、手に入れることにした。

 今回取り上げるのは、1,000円台で気軽に入手可能な2つの商品。

 Humans社の「ミニ ステープル フリー ステープラー」
 そして、
 サンスター文具社の「ペーパーステッチロックタワー」。
 どちらも、商品名が異様に長い。。

 これまでなかった機能を持つ商品なので、
 わかりやすく伝えようという想いが長くさせたのだろう。。

 今回は、紙で紙を綴じるというその実力のほど、
 そして、2つの商品の使い勝手の比較などを交えて、
 ご紹介していきたいと思う。


□まずもって、この2つを選んだのには、訳がある。
 それは、値段がお手頃ということだけではない。
 ボディがコンパクトであるということ、
 これも、とっても重要な選択理由だったのだ。

 と言うのも、
 これらの針の要らないステープラーを手に入れたからと言って
 今まで使っていたステープラーがもう要らなくなるということにはならない。

 つまり、机の上や引き出しに針アリおよびナシのステープラーが
 仲良く共存しなくてはならない。
 なので、できるだけ小さいにこしたことがない、という訳なのだ。

 どちらも手に平にのるくらいの小ささだが、
 Humans社のほうがコンパクトさという点では軍配があがる。


  


□では、実際にそれぞれの綴じ具合を見てみよう。

 両方を試してみてわかったのだが、基本的な綴じる仕組みは同じだった。
 
 それはこんな感じだ。

 まず、紙に細いベロ状の切り込みが入る。
 同時にそれとは別のスリット状の切り込みもできる。
 そして、ベロ状のものが裏返されて、スリットの穴に差し込まれる。
 それでもって綴じるというものだ。


    


 こういう風に書くと、なんとも長い道のりのように感じられるが、
 実際には、「ガチャリ」という一瞬でそれらが完結してしまう。
 これは、スゴイ。

 ちなみに、サンスターでは商品名に「ステッチ」という言葉を使っているが、
 これは「縫う」という意味。
 まさにベロ状の紙で縫うようにして綴じている。


□この様に、綴じ方は同じなのだが、違うところもある。

 ひとつに、綴じる向きがそうだ。

 Humans社は本体と同じ縦向きに綴じ穴ができる。
 それに対して、
 サンスター社のものは、横向きとなる。


  


 しかも、サンスター社のものは綴じ終わってから
 本体を紙から引き抜くときにまっすぐ引く抜くのではなく、
 横にスライドしなくてはならない。
 これは、ちょっと慣れが必要かもしれない。

 綴じた際にできる穴の大きさはサンスター社のものの方が
 やや短くて太い。


□それから、使うときの持ち方も違うと言えば違う。

 Humans社はそのコンパクトさから
 手に持って、ひとさし指と親指でもってぐギュッとつまんで綴じる。
 一方のサンスター社のものでは、手に持ってもできないことはないが
 基本は机の上において手のひらでグイッと押し込んで使う。


    


 指の力に自信のある人にはHumans社のものがいいと思う。
 握力にちょっと自信がないと言う方はサンスター社のものが
 楽に扱えるはずだ。


□綴じられる紙の枚数という点では、
 取り説によると両者とも、普通のコピー用紙にして最大4枚。

 しかし、さすがに4枚となると、それなりの力が必要となる。
 サンスター社のものは、構造上手のひらで押し込むので、
 4枚であっても結構楽に綴じられるが、
 Humans社では、男の私でもちょっとつらかった。
 2〜3枚を綴じるのがいいところだろう。

□次に、いよいよ
 紙だけで綴じたその強度のほどを見てみよう。

 綴じる仕組みが同じなので
 両者でその違いはほとんど感じられなかった。

 試しに2枚の紙の隅に1箇所だけガチャリと綴じて、
 一枚だけをつまんで、もう一枚の紙を
 ダラッと垂れ下げた状態で、ゆすってみた。
 頼りなげではあるものの、どうにかとまってくれている。


  


 しかし、ちょっとでも引っ張れば、あっさりと破れてしまう。

 綴じ枚数が多ければ、それなりに強度はあるが、
 所詮は紙なので、やはり引っ張れば切れてしまうという
 もろさはつきまとう。

 これまでゼムクリップで書類をとめていたものを
 この針ナシ ステープラーに代えるというのが
 ちょうどよいのではないかというのが私の率直な印象だ。


□しかし、色々と使ってみて
 ちょっとだけ綴じる強度をアップさせる方法に気が付いた。

 それは「ダブル綴じ」というものだ。

 1箇所の綴じでは、弱い場合、
 2箇所並べて綴じるという単純明快な方法。


  


 こうすれば、綴じる力は当然強くなる。
 何回もページをめくって読み返す場合は効果的。

 ちなみに、このダブル綴じはHumans社のものでしかできない。

 と言うのも、サンスター社のものは、綴じ穴が横向きになっているので
 2列並べたくてもできないのだ。
 並列ではなく直列にはできるが、そうしてしまうと 
 今度は、ページが開きにくいという問題点が出てきてしまう。

 と、まぁ
 いろんな角度で2つの商品を見てきたが、
 用途やご自信の握力の具合などを勘案して
 お好みで選ぶのがよいと思う。

 私はと言えば、どちらかと言えば
 Humans社の出番の方が多い。



□ステープラーという名前から
 どうしてもガッチリとめるというイメージがあったが、
 これはあくまでも仮綴として使うのがいいと思う。

 仮綴とはいっても、色々と便利な場面はある。
 実際は、私はこんな時に使っている。

 ワードなどで原稿を書いていて、初稿ができあがったら
 それをプリントアウトして、赤ペンでもって修正するのだが、
 それを綴じておく時に使っている。

 修正が済んでしまえば、ポイッと捨ててしまうものなので、
 こういう時にはピッタリ。


  


 針の必要なステープラーの代わり、と言うよりも
 それで綴じるまでもないが
 ちょっと、とめておきたいというものには、
 もってこいのツールだと思う。

(2006年10月10日作成)



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