文具で楽しいひととき
■ 「予定を素手でつかむように」 pen-info.jp アウトライン_カレンダー


 


□私のマンスリースケジュール帳は、
 一ヶ月ごとに外枠をグルリと囲んでいる。

 手帳を買ったら、
 向こう1年間分の外枠を全部囲んでしまう。


 


 こうすると、
 一ヶ月というものがひとつの塊として
 認識できるようになる。

 12ヶ月分の外枠を囲んでみるとわかるが、
 毎月その形は違う。

 たとえば、2月は28日しかないので
 当然枠の中の面積は小さい。

 逆に31日ある月は
 その面積は大きくなる。

 なにを当たり前のことを、、
 と思われるかもしれないが、
 「28日」、「31日」と数字で示されるより
 面積が小さい、大きいと見せてもらう方が
 俄然直感的に把握できる。

 言わば、
 デジタル表記ではなく、
 アナログで認識するといったイメージだろうか。

 私は、この外枠を囲んだマンスリースケジュール帳を
 以前に紹介したワイヤースタンドにセットして
 仕事場の机に立てて、
 さながらデスクカレンダーのように使っている。

 この「外枠」人生も
 2011年からなので、かれこれ4年目になる。

 もはやカレンダーに
 外枠がないと、
 下着をつけずに外出したような
 なんとも落ち着かない気分になってしまった。

 仕事場では、
 このマンスリースケジュール帳があるからいいが、
 自宅のリビングでは市販のカレンダーが置いてある。

 もちろん、
 そこには外枠はない。

 私の頭は外枠に
 すっかり馴染んでしまっているので
 そのカレンダーを見るたび
 ちゃんと下着をはいてたっけ?と
 落ち着かない気分になってしまう。

 そのカレンダーに
 外枠を囲んでしまえばいいのだが、
 なんだかそれでは
 ひとさまの下着をはいているような感じもするので、
 エイヤ!とエクセルで自分が理想とするカレンダーを作ってみた。


□名付けて「アウトライン_カレンダー」。


 


 1ヶ月の外枠をしっかりと囲んでいる。

 こだわったのは、
 それだけではない。

 かねがね
 カレンダーにはこうあって欲しいというものを
 色々と盛り込んでみた。

 1)日曜日始まりであること。

 2)曜日表記は「日」、「月」、「火」と
  日本語表記であること。

 3)大安、仏滅や祝日の○○の日すらない
  ただただ数字だけ。
  もちろん海外の祝日も要らない。

 4)6週目があるときは、
  ちゃんと改行してあげる。

 というものだ。

 そもそも私がカレンダーに求めるのは、
 パッとカレンダーを見たときに
 予定そのものがわかる、
 言わば、
 自分の予定をあたかも素手でつかみとるような感覚。

 祝日の名前や海外の祝日の名などは
 私には全くもって不要。

 ただただ日付けだけが
 目に飛び込んでくればいい。

 だから、
 曜日と数字だけにしてみた。

 それから
 4)の6週目も改行するというのは
 巷のカレンダーでは、
 意外とこの点が配慮されているものは少ない。

 1年の中で6週目まである月というのが
 1~2ヶ月くらいある。(ないこともある)

 カレンダーの中には
 この6週目の扱いが
 5週目に居候させてもらっていることがある。

 5週目の枠の中に2つの数字を入れている訳だ。

 もしくは、
 翌月の頭に共存させてしまっていることもある。

 1ヶ月を面積としてとらえていきたい私にとっては
 これは、混乱の種だった。

 なにせ
 面積が正しくないのだから。

 アウトライン_カレンダーでは
 5週目があるときは、
 ちゃんと5週目のスペースも用意してあげている。


 


□構成要素としては、
 数字と曜日だけである。

 要素が少ない分、
 文字の大きさ、色、フォントにいたるまで
 細かなところに相当気をつかった。

 また、
 レイアウトも
 色々と試行錯誤も繰り返した。

 たとえば、
 「日」、「月」、「火」などはマス目の中で
 センタリングして、
 日付けの数字は左寄せにしている。


 


 当初は曜日にあわせて
 数字もセンタリングをしてみたが、
 これがなんとも見にくかった。

 たぶんそれは、
 人がその情報を見る目の動きに
 関係しているからだと思う。

 曜日は
 視線を縦に動かしてみることが多い。

 たとえば、
 13日は何曜日だっけ?となれば
 13日を見てから視線を上に動かす。

 また、
 来週の水曜日は何日だっけ?となれば、
 「水」を見てからその視線を下に動かす。

 一方の日付けは
 横(右)方向に数字は進んでいるので、
 視線もそれに合わせて動かしていくことが多い。

 視線を縦に動かす場合はセンターへ、
 横の場合はセンターではない方がいいようだ。

 文字の配置で
 こうも見え方が違うとは驚いた。

 今回自分がカレンダーを作ってみてわかったが、
 世のカレンダーは上記のルールにのっとって
 レイアウトされているものがとても多い。

□次に使い方。

 カレンダーの使いなど
 聞いたことがない。

 しかし、
 この「アウトライン_カレンダー」ならではの
 使い方がある。

 たとえば、
 9月24日に予定が入ったとする。

 当然、その日付けの中に
 予定を書き込む。

 そして、
 その日付けのマスの外枠も囲んでしまう。

 ピンポイントの予定だけでなく、
 9日~11日までの連続した予定が入ったら
 その分だけマス目を囲う。

 アウトライン(外枠)は、
 一ヶ月の外枠だけでなく、
 予定の入った日付けのアウトライン(外枠)でもあるのだ。

 外枠を書き込んでみると、
 この日に予定が入ったよ!というのが
 ただ予定を書き込むよりも
 はっきりとわかってくる。

 これこそが
 素手で予定をつかみ取る感覚だ。


 


 その外枠を書きやすいように
 実は、1日ごとの枠を薄い点線で囲っている。

 ここはあくまで薄くしている。

 基本的には
 一月の外枠を目立たせるためだ。


 


 我が家の予定は
 それほどたくさんの予定が入る訳でもないので
 この方式で十分いけそうだ。

 もし、
 1日のマス目に何人か分の
 予定を入れる場合は、
 1つのマス目を四等分するなどしていけばいい。


□これは
 まだ自分のためだけの
 カレンダーなので
 現段階では、
 A4のコピー用紙に印刷している。

 それを
 我が家のリビングルームの
 壁に貼っている。

 そもそもは
 自宅のカレンダー様に作ったものだが、
 改めて考えてみると
 仕事場で何か大きなプロジェクトが
 スタートした時に
 スケジュールを検討するのにも
 これは大いに使えそうだ。

 自宅の壁はクリーム色で
 仕事場の壁は白なので
 それぞれの壁貼っても
 ちゃんと目立つように
 白タイプとクリームタイプの2種類を作ってみた。


 


 各月が一枚一枚の紙に分かれているのを逆手にとって
 3ヶ月を連続して壁に貼ることもできる。


 


 こうしてみると、
 当たり前の話だが、
 8月の終わりの形に
 9月の頭の形がまるで「テトリス」のように
 ピッタリとかみあうのがわかる。


 


 それを実感できるように
 8月、9月といった数字はあえて左側にレイアウトした。


□壁に貼ったら
 すぐそばに鉛筆も用意したいと思い、
 「ひっつき虫」を壁に付けて鉛筆を固定してみた。


 


 必要な時にはサッと書きとめ、
 それでいて普段はしっかりとホールドしてくれる。


 


□私は、
 時計はブラウンのクロックを愛用している。

 ブラウンのクロックは
 「時間を知る」ということだけに
 研ぎ澄ましたデザインになっている。

 それには遠く及ばないが
 私も予定をチェックするだけということに
 絞りこんだカレンダーを今回作ってみた。

 必要な予定だけが目に入ってくるので
 どうスケジューリングするかというところに
 脳のパフォーマンスをタップリと使うことができる良さがある(と思う)。





■記事作成後記
 これは私の用途に合わせて作ったカレンダーですが、
 いつの日か商品化できたらと企んでおります。

 (2014年8月11日作成)


 



  ■ Facebookページ はじめました。

    



* 関連コラム

 ■ 「私の手帳の書き方・使い方 2013年~2014年」

 ■ 「目に見えない時間を面積で表す」 pen-info.jp オリジナル 時計式ToDo管理付せん

 ■ 「機能美をまとった置時計」 Braun社 置時計 AB1A

 TOP   他の文具コラムを見る

 画像で文具コラムを探す


Copyright (C) 2003 Tadashi Tsuchihashi,All rights reserved.