文具で楽しいひととき
■ 「切る、ときどき計る定規」 
  クツワ アルミ定規 15cm 300円+tax、30cm 500円+tax


 


□いくつものことができる
 見るからに多機能な文具より、
 見た目は普通なんだけど、
 実は、こんなことも出来るんです。。という
 「静かな多機能文具」というものに私は惹かれる。

 たとえるなら、
 いつも元気で勉強もスポーツもできる子より
 普段は教室で静かにしているけど、
 実は空手の有段者で
 そのことは一切本人からは言わないけど
 あるとき、みんなが知るみたいな方が感じ。

 この定規にはそうした面がある。


□クツワ アルミ定規。


 


 その存在は、
 以前から知っていたが、
 ちゃんと使ったことがなかった。

 ある機会に
 使わせて頂いたところ、
 そのすばらしい切れ味に驚いた。

 定規の切れ味に驚くというのも
 どうかと思うけど、
 とにかく驚いてしまった。

 これは、定規売り場ではなく
 むしろハサミやカッター売り場に行くべきだ、と
 強く感じた。

 定規の本分は
 長さを計ることである。

 ただ一部のユーザーの間では
 紙に定規を添えてピリピリと切るという
 用途に使っている人も結構いる。

 なんとなくのイメージだが、
 これをやっている人は
 会社の中でも年配者が多いように思う。

 というのも、
 この定規で紙を切るというのは
 ちょっとしたコツがいるからだ。

 その点、
 このアルミ定規は、コツが全くいらない。


□まず、定規が全身アルミで作られている。

 一般的な定規は
 プラスチック製が多い。

 紙の上にペタリと置いた時の
 フラット具合がプラスチックの時よりも
 いいように感じる。

 紙と定規の間に
 もはやすき間がないような感じだ。


 


 そして、
 紙を切る部分である
 定規のエッジが45度になっている。


 


 メーカーの説明書には
 この角度が切れ味のよさを生み出していると
 書いてある。

 ただ、
 私がこれまで使っていたプラスチック製の定規も
 角度としては同じような感じだった。

 ルーペで拡大して見比べてみた。


 
    *こちらが、プラスチック製の定規


 角度というよりも
 むしろ違っていたのは
 その先端の加工精度だった。

 プラスチックの方は先端が丸くなっているのに対し、
 アルミ定規は、少々鋭利になっている。

 とは言え、
 手で触れても全く問題はない程度ではある。

 この加工精度の差が
 切れ味のよさに繋がっているのでは
 ないかと睨んでいる。

 つまり、
 紙を切るとき
 定規のエッジの先端がいかにピタリと接しているか
 ということだ。

 よりピッタリしているアルミ定規の方が
 いいはずである。


□ここで実際に切ってみたいと思う。

 コピー用紙にアルミ定規を添える。

 定規の表面には
 ここから切ってくださいというマーク
 ならびに、これくらいの角度で
 紙を引っ張るようにという矢印もご丁寧にある。


 


 それに従って紙を手前に引っ張れば
 スムーズに紙が切れていく。


 


 切った紙の跡もなかなかキレイ。

 プラスチック定規で同じようにやると
 アルミの時ほどのスムーズさはなく
 切れ目も少々パサパサしている。


 
   *アルミ定規で切ったもの

 
   *プラスチックの定規で切ったもの


 これは、
 「切っている」と「破っている」くらいの違いだ。


□紙を切る方法は
 いくつかある。

 たとえば、
 ハサミを使うというのがある。

 ただ、
 これだとまっすぐに切るのが難しい。

 一方、
 カッターは定規を添えれば
 まっすぐに切れるが、
 カッターマットを敷く必要がある。

 アルミ定規は
 それらの不満点をうまい具合に解決してくれている。

 さすがにカッターで切った切り口ほど
 シャープさはないが、
 ちょっと切るというくらいであればちょうどよい。

 やはり、
 この定規は、ハサミやカッター売り場に
 置かれるべきだと思う。


 


■記事作成後記

 目盛りは、定規の端っこギリギリからスタートしています。


 


 それを使うと、ペンと一緒に立てれば、
 簡単に長さが計れます。


 


 (2015年3月31日作成)


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