文具で楽しいひととき
■ 「ISOT2015 レポート」  ■■□


□幸せな紙のかたまり 紙のミルフィーユ


 


 紙を糊で何枚も貼り合わせていく合紙(ごうし)。


 


 この大きなメモブロックの表紙は
 その合紙で出来ている。

 使われているのは
 タントという紙。

 そこそこハリのある紙だが
 単体ではそれほどの強度があるわけではない。

 これは、
 その紙を17枚
 特殊な糊で貼り合わせている。

 できあがったものは
 紙というより
 もはや板のような堅さある。

 詳しくは教えてもらえなかったが、
 どうやら糊が特殊なものらしい。

 その表紙に挟まれるように
 350枚の紙が綴じ込まれている。

 小口を手で触ると
 一切の段差もなく、フラットそのもの。


 


 メモブロックの中の紙は
 糊だけで綴じられて
 上に寒冷紗を貼っているだけ。

 中の紙はピリッと
 キレイに切り取ることができる。

 タップリとした大きさがあるので
 メモというよりも
 アイデアなどを書くのによさそうだ。


 

 


 * Noteblock 1,800円+tax



□変身具合が面白いパンチ LIHIT LAB.


 


 「コンパクトパンチ」という2穴パンチ。


 


 パンチらしからぬ
 うすさ、そして長さだ。

 上の部分を少々強めに押し込むと
 ガチャッという音とともに
 瞬時に2穴パンチに変身する。


 


 まるでロボットの変身のようで
 子供が手を上げてよろこびそうな文具だ。

 コピー用紙5枚に穴を開けられる。


 


 *コンパクトパンチ 1,500円+tax


 そのすぐ隣にあったのが
 「プチとじ」という書類綴じ機。


 


 ゼムクリップでとめた書類は
 さぁページをめくろうとすると
 クリップが外れてしまうことがある。

 一方、大きなクリップだと
 クリップが邪魔をして見にくくなる。

 これは、その点を解決してくれるという。

 綴じたい書類に
 まず、この「プチとじ」で
 角に穴を1つあける。


 


 その穴に、
 付属のクリップをセットして
 パチリと重ねあわせる。


 


 ふたたび
 「プチとじ」でそのクリップを
 上下からギュッと抑えこんで
 ガッチリと固定させる。


 


 一カ所綴じながら
 しっかり固定でき、
 クリップもそれほど厚みがないので
 めくりやすい。

 言葉にこそ出さなかったが、
 それならホチキスを使えばいいのではないだろうか、、
 と思った。

 その私の心の声が聞こえたのか、
 専用クリップは全5色あるので
 書類ごとに色を分けて管理できるとのことだった。


 

 なるほど
 それはホチキスではやりにくい。

 *「プチとじ」 750円+tax (白のクリップ付き)
   専用クリップ 各390円+tax



□貼ったままスライドできる付せん マグネティック ノート


 


 日本文具大賞2015 機能部門を受賞し
 話題になっていた
 「マグネティック ノート」。


 


 糊なしなのに
 どこにでも貼れるというユニークな付せんだ。

 ブースで実物を触らせていただいた。

 付せんのように
 束状になっている。


 


 一枚をヒラリと取り出して分かったのだが
 紙ではなかった。

 ポリプロピレンだという。

 噂どおり
 裏面には糊はなかった。

 これは
 静電気を利用して貼り付けられる。

 ガラス、金属、プラスチックなど
 表面がツルツルしたものはもちろん、
 木材やレンガ、コルク、革や布もOKだという。


 


 表面には色がついていて
 少しザラザラとした質感。

 こちらの面は
 油性ボールペン(マーカー)や鉛筆で書き込める。

 一方、裏面はツルツルしていて
 ホワイトボードマーカーで書け
 ふき取って消すこともできる。

 同じポリプロピレン製で大きなロール状の
 やはり静電気でどこでも貼れるホワイトボードがあるが、
 同社によると
 表面処理、静電気の技術が違うものだそうだ。

 今回、私が一番注目したのは
 壁などに貼った付せんを
 自由にスライドして移動できる点だ。


 


 糊状の付せんだと
 いちいちはがして貼る必要があったが、
 これならスムーズに移動できてしまう。

 アイデア発想によさそうだ。


 
   (透明タイプもあった)




□紙で色々な気持ちを伝える デザインフィル


 


 ブースの上から
 「ありがとう」や「おめでとう」、「また会いましょう」など
 色々なメッセージが吊されている。

 そのメッセージを伝えるのに
 相応しい商品がその下に展示されている。

 たとえば、
 MD便箋、MD封筒。


 


 ホワイトはMD用紙コットン、
 クリームにはMD用紙クリームが使われている。

 MDシリーズらしく
 たっぷりと余白が設けられている。


 


 余白があることで
 ギッシリと書き込まれた文面とは
 また違った気持ちが伝えられそうだ。


 

 


 気が効いているのは
 便箋を3つ折りしやすいガイドがあるところ。

 縦罫タイプの右側の少し上に
 一カ所だけわずかに罫線が
 途切れているところがある。


 


 ここを目印に最初に折ると
 キレイな3つ折りになる。


 


 紙のサイズはオリジナル。

 これは書き込む文字の大きさから
 割り出されている。

 一行に20文字程度書かれるのを想定し、
 その文面をより美しく見せる余白が設計されている。

 *MD便箋 縦罫/横罫 各480円
  MD封筒 縦 380円、横 400円
  MDコットン便箋 縦/横 各580円
  MDコットン封筒 縦 420円、横 440円 *いずれも税別
  2015年10月発売。


□参考出展として「じゃばら帖 花絵巻」という便箋があった。


 


 広げると5mの蛇腹式便箋になっている。


 


 各折り目にはミシン目も入っているので
 好きなところでカットできる。

 注目したのは、その絵柄。

 全体を通して
 日本の四季が描かれている。


 

 

 


 それぞれの絵の境目は
 ガラリと変わるのではなく、
 季節が春から夏に次第に変わっていくように
 あくまでも自然に移ろいでいく。


□これは便利だと思った
 色紙があった。


 


 観音開きの色紙。

 書き込む時には
 専用のシールを使う。


 


 色紙に直接書くと、
 記入者全員に回すのに結構な時間がかかる。

 シール式なら
 シールだけをみんなに配ればいいので
 時間短縮になる。

 もし遠方の人がいても
 シールだけ送ればいい。

 そして
 そのメッセージをバランスよく
 レイアウトできる良さもある。

 直接色紙に書く場合だと
 みんながみんな遠慮して端っこばかりに書いて
 まん中が変に空いてしまうことがある。

 シールであれば、
 貼る時にバランスを整えられる。

 「シール色紙」は、
 ミドリが2003年にはじめて発売したものだそうだ。

 *箱入り色紙 2,000円+tax
  2015年12月発売


□「透け紙」というユニークなアイテム。


 


 うっすらとではあるが、
 ところどころが透けている。


 


 もともとの紙は包装紙で
 そこに特殊な加工をすることで
 このくもりガラスのような
 独特な透け感を作り出している。


 


 お菓子など、
 ちょっとしたものを包むのに使えそうだ。


 


 *透け紙 6柄 各10枚入り 各柄380円+tax
  2015年9月発売



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