2004.04.13(22)

「落書きという名のペン」

ラミー

スクリブル ペンシル

ラミー スクリブル 0.7mmシャープペン

私には長年、愛用していたシャープペンがあった。モンブラン マイスター シュテュック シャープペン(0.5mm)だ。色はバーガンディ。「あった。」というように過去形。ある時、不意に地面に落としてしまい、ボディが割れてしまった。

モンブラン マイスター シュテュック シャープペン

修復を試みたが、如何ともしがたく涙をのんで、机の引き出しに引退いただくこととなった。その涙も乾かぬうちに、もう次のシャープペンは何にしようとあれこれ考えている自分がおりました。最愛の妻を不慮の事故で亡くしてしまい、すぐに再婚するみたいで気が引けたが事が文房具だからいいだろう。そんなことを考えながら既に足は行きつけの文具屋さんに向かっていた。

あまたあるシャープペンの中から私があえて選んだのがラミースクリブル0.7mmシャープペンだ。太く、短いスタイルは、はじめちょっと、とっつきにくかったが独特なスタイルにしだいに惹かれていった。

ラミー スクリブル 0.7mmシャープペン

■ ボディはABS樹脂製

このスクリブルはデザイン面での評価は高く、2001年にドイツのステーショナリーの展示会フランクフルトフェアのデザインプラス最優秀賞を受賞している。ボディの素材はABS樹脂。私はてっきりなにかの鉄で出来たものかと思っていた。というぐらい質感がとてもよい。プラスチックっぽさはあまり感じられない。

握ってみると、太い軸のおかげでしっくりとくる。表面がラミーお得意のつや消し加工になっており、見た目だけでなく、握り味も上々。

ラミー スクリブル 0.7mmシャープペン

0.5mmから0.7mmに芯を替えた訳だが、私はそれほど小さい文字を書く几帳面なタイプではないのでほとんど違和感はなかった。私は0.7mmのちょっと濃い目のBを使っているが、0.7mm芯独特の柔らかな書き味が結構気に入っている。ちなみに、日本では0.5mm芯が一般的だが、欧米では0.7mm芯の方が多いらしい。日本では漢字という細かい文字を書くためだろう。そうはいっても最近では、日本でも0.7mm芯は文具屋さんをのぞけば結構簡単に見つけることができる。

このスクリブルの特徴はなんといてもボディがコンパクトなこと。小さいボディは収納しやすい利点がある。ペンはYシャツの胸ポケットにさすのが、私のいつものやり方だが、たまにTシャツやポロシャツなど胸ポケットがないこともある。そうした時は、ズボンのポケットに入れるしかない。

通常のペンは軸が長いので、ズボンのポケットに入れるのがためらわれる。その点、12cmというコンパクトサイズのスクリブルなら、ズボンのポケットにもすっぽり入ってしまう。それを想定してか、ペン先の部分が収納できるようになっている。なので、ポケットの中で生地をつらぬくことはまずない。これなら、ズボンのポケットに入れて動き回ったって安心だ。

このシャープペンは落とさないように気をつけて大事に使っていこうと思う。

ラミー スクリブル 0.7mmシャープペン

ラミー スクリブル ペンシル0.7mm

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