文具で楽しいひととき
■「老舗鉛筆ブランドが作ったバランスのいいシャープペン」
  ステッドラー リグヌム シャープペン 0.7mm 15,000円+Tax


 


□2013年にステッドラーが立ち上げた
 高級筆記具シリーズ「プレミアム」。

 これまで製図や絵を描くためのプロ向け商品を
 作ってきたステッドラー社。

 ずいぶん前に
 「エリーゼ」という名で
 ステッドラーが高級筆記具シリーズを
 展開していたことがあった。

 それらは、
 高級というものは感じられるものの
 ステッドラーらしさは正直なところ
 あまりなかった。

 それもそのはずで
 「エリーゼ」はドイツのペンブランドで
 ステッドラーが当時
 同ブランドを買収したものだったからだ。

 その意味で言うと
 今回のプレミアムシリーズは
 生粋のステッドラーということになる。

 それは
 クリップの勇ましいデザインにも
 よく表れている。

 どことなく
 西洋鎧のようだ。

 それが
 ステッドラーのトレードマークである
 マルスヘッドを想起させる。


 


 今回のプレミアムシリーズでは
 ブランド立ち上げ早々から
 これでもかとたくさんのペンをラインナップしている。

 その中で
 私が注目したのがシャープペン。

 今回のプレミアムシリーズの中で
 ごく一部を除いて
 ほとんどにシャープペンがラインナップされている。

 しかも、
 0.7mmと0.9mmというところがいい。

 すごくいい。

 0.7mmだけというのは
 他の海外ブランドでも見かけるが
 0.9mmもはじめから揃えているところが
 ステッドラーらしくていいではないか。

 鉛筆ブランドの心意気が感じられる。


□私が今回手に入れたのは
 「Lignum(リグヌム)」という木軸モデルの
 0.7mm芯タイプ。


 


 ブラウンの「プラム」とホワイトの「メープル」の
 2色がある中で、「メープル」を選んだ。

 使っていくうちに
 きっと汚れていくだろう。

 でも
 その汚れも含めて
 このペンを使い込んでみたいと思った。


□ボディは
 そのメープルホワイトが
 全体の6割くらいまで及んでいて
 ウッド感がしっかりと味わえる。


 


 シャープペンにしては
 少々短めだ。

 これはノックボタンを持たない
 ツイスト式なので、その分が短くなっている。

 ただ、
 ノックボタンの分だけ
 ということでもなさそうだ。

 試しに
 ラミー2000のペンシルと比べてみると
 ノックボタン分を
 差し引いてもわずかに短かった。


 


 かなりのショートボディだ。

 手にすると
 このショートボディが
 手の平にすっぽりと収まる。


 


 それはまるで
 ペンがすっかりリラックスして
 ソファーに体を沈めているかのよう。

 指先は
 ペン先の側のメタルパーツにくる。

 これがベストポジションだ。

 ということは
 ホワイトのメープルボディは
 筆記時には
 指先がほとんど触れない訳だから
 味が出てくるのは結構な長い道のりになりそうだ。

 
□次に芯を出してみる。
 
 これは先ほども触れたとおり
 ツイスト式。

 小指と薬指、そして中指で
 ペン先を抱え込み
 それ以外の指を総動員して
 時計回しに回転させる。


   


 12時からスタートして2時半くらいまでは
 なんの負荷もなくスルスルと回り
 そのあと3時半くらいまで
 少しばかりの負荷を感じる。

 すると
 最後にカチッという感触があり
 芯が出てくる。

 ツイストストロークとしては
 少しばかり長い印象だが、
 片手でも操れないこともない。

 カチカチと2回ツイストすると
 さぁ書くぞ!というちょうどいい長さになる。


 


□メタルグリップに指を添え
 書いてみる。


 


 書きはじめてすぐに感じるのが
 バランスの良さ。


 


 ペン先がメタルで
 後軸がウッドということもあってか
 低重心設計になっている。

 いつものように
 やじろべえ方式で重心を探ってみた。


 


 たしかに
 中央よりわずかに前方側に
 重心はあった。

 0.7mmという太めの芯で書き続けていくには
 「人力クルトガ」のごとく
 自ら軸を適度に回転させる必要がある。

 この時
 クリップがほとんど気にならなかった。


 


 鎧のようなクリップは
 ボディの半分くらいまでの長さがあるが、
 横からみると、
 出っ張り感がほとんどない。


 


 それ故
 クリップが下側にきても
 ほとんど邪魔にならなかった。


□私がシャープペンの中で
 最もこだわるのが
 ペン先まわりのフォルム。

 芯先、そして
 それを出しているパイプ、
 さらにはグリップに連なるライン。

 それが
 ぎくしゃくすることなく
 スゥッと一本のラインで
 繋がっているものが好きだ。


 


 私たちは
 文字を書くときに
 今、申し上げた一連のラインを
 視野に入れながらとなる。

 その眺めが美しい方が
 思考も美しくなるような気がする。

 この「リグヌム」は
 ことの他、そのラインが美しい。


■記事作成後記

 唯一残念だったのは
 消しゴムが付いていないところ。

 ボディを分解した内側でもいいので
 できれば付けて欲しかったものです。。。


 


 (2014年10月21日作成)


 ■ ステッドラー リグヌム シャープペンはこちらで販売されています。



 



 □ ステッドラー プレミアム



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