文具で楽しいひととき

■ 「今年も収穫いっぱい ペーパーワールド2008 レポート」


■SKETCHPET (ドイツ)


  


 先ほどの「X17」のすぐ隣に、ユニークなメモパッドが展示されていた。
 まるで単語帳をふたまわりくらい大きくして、片側を丸くカットしたというスタイル。


  


 しかも、太いゴムバンドでガッチリととめられている。


  


 これはドイツのartificial(アーティフィシャル)の
 SKETCHPET(スケッチペット)というもの。

 メモをファッションアイテムのように使えるというコンセプトで生まれたものだ。
 手にしっくり握れるサイズで、机がなくてもいつでもメモやスケッチをすることができる。

 太いゴムの端にはつまめる部分があり、
 それを引っ張ると、ノートが広げられる。


    


 広げると言っても、普通のノートと違い、根元が固定されているので、
 まるでトランプのようにスライドさせて広げるというスタイル。

 ページをめくる必要がなくスライドさせるだけなので、
 機動性に優れているという。

 紙を固定する留め具の部分に穴があり、
 ここにストラップを付けてバッグの持ち手にくくりつけたり、
 ネックストラップにぶら下げるというスタイルにも対応。


  


 また、机の上では、この穴にペンをさして、ペンスタンドとしても使える。

 スケッチからメモもこなすノートタイプから、カレンダー、アドレスなどがある。

 カバーのデザインも豊富に揃っている。

 昨年の9月に発表したばかりで、
 すでに、ヨーロッパやアメリカのデザイナー・アーティスト
 建築家など人気が出始めているという。

 私は知らなかったが、日本でもすでに発売されていた。


■エグザコンタ クレールフォンテーヌ 


  


 クオバディス、ロディア、クレールフォンテーヌ、エグザコンタなどを擁する
 エグザコンタクレールフォンテーヌ  ブース。

 今回も力の入った新製品がたくさん発表されていた。

 その中で個人的に注目したプロダクツをブランドごとにご紹介したい。


□ クオバディス

 クオバディスと言えば、ダイアリーメーカーとして、確固たる地位を築いている。
 しかし、昨年このペーパーワールドではアバナというモデルでノートタイプを
 発表するなど、新しい動きが見られはじめていた。

 今回、発表されていた新作もその路線をさらに一歩進めたものと言える。
 それが、この「Memoriae(メモリエ)」。


  


 外観は、アバナと同じ上質なハードカバーにゴムバンドというスタイル。
 しかしながら、カラーバリエーションがいっきょに増え全12色。


  


 カラーバリエーションがあるのにはしっかりとした理由があり、
 ひとつひとつが違うノートになっているのだ。


    


 前回のノートとはまた違い、今回はライフスタイルノートになっている。
 最近、日本でも旅やワイン、映画といった個人的なライフスタイルを
 書きつづっていくものとして人気が出始めている。

 「Memoriae」は全12種類のライフスタイルテーマに分けられている。
 旅や映画といった定番はもちろんのこと、
 「My Children(子供)」
 「My Joys(喜び)」
 「My Sorrows(悲しみ)」
 「My Love(愛)」など感情面なども加わっているのが面白い。


  

    


 特に「悲しみ」というテーマが用意されいるのは興味深い。
 「悲しみ」をわざわざ書きつづるというのはなんともつらい作業だが、
 それを乗り越えて新しい未来を切り開くという使い方なのだろう。

 テーマごとに表紙にはシンボルとなるイラストの型押しがある。

 中身は、前半がフリーの罫線ノート、そして後半がそれぞれのテーマにあったインデックスとなっている。

 テーマはその他、「My Culture」「My Wine」「My Friends」「My Dreams」
 「My Cooking」「My Hikes」「My Weekends」。

 これまでクオバディスはアジェンダ プランニング ダイアリーを独自に開発するなど、
 いかに時間管理を効率的に行っていくかということを主眼に置いたツールだった。

 今回の「Memoriae」では、
 もっと広い概念の人生を書きつづっていくものになっている。


□ エグザコンタ

 様々なファイルを作り出しているエグザコンタ。

 これまでの商品ラインナップにくらべ、
 よりオフィスユースを意識したデザインの「EXACTIVE(エグザクティブ)」という
 シリーズで色々なファイル用品が発表されていた。


  


◆ EXAFOLIO(エグザフォリオ)


  


 ちょっとしたブリーフケースのようなスタイル。
 ボタンを開けると、右側にパッドホルダー、
 左側にペンホルダーや小物を入れておけるジッパー付きのポケットがある。


  


 もちろん書類もたっぷりと収納ができるようになっており、
 左側のゴムをはずすと、アコーディオン式のファイルポケットが広がりだす。


    


 インデックスも付いて、種分けも可能。

 これ一冊でビジネスに臨める多機能ツールだ。


◆ EXAFILE(エグザファイル)


  


 A4サイズの2穴アーチファイル。
 表紙をとめられるゴムバンド付き。

 中には、パッドを入れておくホルダー、そしてポケットも備える。
 よりアクティブに活用できるファイルだ。


  


◆ EXASHOW(エグザショウ)


  


 今回のエグザコンタの中で個人的にとっても気に入ってしまったのが、
 このエグザショウ。

 一見するとファイルなのだが、折りたたみ式の表紙を開けて、
 それを組み立てるとまるで紙芝居のようにプレゼンスタンドに早変わりしてしまう。


  


 実際のプレゼンや、プレゼンの練習用などにもこれは使えそうだ。

 使い終われば、折りたたんでファイルのように収納できるのがいい。


□ ロディア


  


 昨年、この展示会で発表されたブラックロディアに、
 今回、新たにブロックロディアもラインナップに加わっていた。


    


 ブラックはこれまで、ノート系が中心だったので、
 このブロックタイプを待ち望んでいたという方は多いのではないだろうか。

 期待に応える格好よさだ。

 サイズは11、12、13、16、18、19。日本でも今後販売されていく。

 また、マウスパッドのメモパッドである「クリックブロック」の表紙のデザインがリニューアルされていた。
 裏面の滑り止め機能も強化されている。


  


□ クレールフォンテーヌ

 クレールフォンテーヌの新作として発表されたいたのが、
 「forever(フォーエバー)」。


  


 フランスらしい色鮮やかな封筒・便せんのシリーズ。

 驚くべきことに、使われている紙はなんと100%リサイクルペーパーなのだという。
 それなのに、これだけの発色の良さが出ているのは並大抵のことではない。


  


 パッケージには「without De-inking」とある。
 一般に紙を再生する際、もともとあったインクを落とす際に化学薬品を使うのだそうだが、
 
 これは、そうしたものを一切入れていない。

 さらに、再生する段階で予め同じ色の再生紙だけを分けて集めるという手間もかけている。
 こうした細かなこだわりができるのも、
 クレールフォンテーヌが自らが紙を作っている製紙会社だからだろう。


■ 気になる日本人デザイナーによるラミーの新作

 冒頭でもご紹介したように、
 今回、残念ながらラミーはメーカーとしての出展はなかった。

 しかし、ドイツでラミーを販売している代理店がブースを出していた。
 既存のラインナップに混じって、見かけないペンが、さりげなく並べられていた。

 聞けば、これは、ラミー初の日本人デザイナーによるペンだと言う。
 デザインを手がけたのは、深澤直人氏。
 ペンの名は、「NOTO(ノト)」。

 残念ながら、撮影の許可は下りなかったが、概略だけ簡単にご紹介したい。
 「NOTO」というネーミングは、
 デザイナーの深沢直人氏の「ナオト」を縮めた言い方と、
 ドイツ人が感じる日本的な言葉の響きから選ばれたという。

 三角軸に楕円軸のノックボタンを持つシンプルなボディ。
 時間軸で考えないというラミーの哲学が感じられるデザインになっている。

 カラーバリエイーションはラミーらしいブラック&シルバーのツートンの他、
 ホワイト、オレンジ、ブルーといった鮮やかな単色タイプもあった。

 油性ボールペンのみ。

 日本発売が待ち遠しい。


□以上、駆け足でペーパーワールド レポートの第一弾をお届けさせていただいた。
 そう、第一弾ということで、実は、まだ今回と同じくらいの取材情報があるのです。

 それについては、後日「オールアバウト」の方で、ご紹介させていただく予定。


(2008年2月19日作成)


  ■ ペーパーワールド オフィシャルサイト

  ■ 来年は2009年1月31日〜2月3日に開催されます。

      本展に関するお問い合わせは
      メサゴメッセ・フランクフルト(株) TEL 03−3262−8453  
                           info@japan.messefrankfurt.com


< 今回ご紹介したメーカーのオフィシャルサイト >

 □ heri (英語)
 
 □ トンボ鉛筆

 □ ステッドラー

 □日本能率協会マネジメントセンター

 □ AUTHENTICS (ドイツ語)

 □ X17 (ドイツ語・フランス語)

 □ artificial (ドイツ語)

   SKETCHPET を日本で販売しているサイト

 □ クオバディス

 
□ ラミー


【 取材後記 】
   
      
  ◆ホテルからは地下鉄で会場へ。    ◆会場受付は一人一人バーコードチェックをするので大混雑。 ◆会場へは動く歩道で移動。車と同じく右側通行。。


      
 ◆今回のペーパーワールドでは、プレスルームがとても豪華でした。日本の展示会では、ちょっとありませんね。バーもあり、とても居心地が良かったです。


      
  ◆会場にあるカフェ。サンドイッチなどがあります。  ◆取材で歩き疲れた時のアイスは格別。。。    ◆夜は、市内のビアホールで仲間と英気を養いました。
  


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