文具で楽しいひととき
■ 「無垢なMDペーパー」 デザインフィル  MD 用紙( A 4)100枚パック 735円


 


□この前、
 ちょっといい Tシャツを買おうと
 ほうぼうを探しまわった。

 肌触りが良くて
 何度洗っても首周りがよれたりしないものは
 ないものかと。

 しかし、
 多くのものは値段の安さを強調するものばかりだった。

 安さを売りにしているものと言えば
 コピー用紙もそうだ。

 「1箱で●円」、どうだ参ったか!
 というものばかりが目に付く。

 他の商品、
 たとえば鉛筆あたりだと
 リーズナブルなものもあれば、
 中には1本3万円くらいする高級なものまである。

 昨今、
 1000円クラスの高級ノートが人気で
 上質な紙を使うということはかなり市民権を得つつある。

 それなのに、
 コピー用紙だけは安さを武器にしているものばかりというのは
 なんともアンバランスだ。

 色々なバリエーションがあるというのは
 ユーザー側の選択肢が増えるという意味で
 大切なことだと思う。


□今回はコピー用紙の話。

 私はコピー用紙をそこそこよく使っている。

 でも、
 使い方がちょっと変わっているかもしれない。

 こんな感じで。

 私がコピー用紙を使うのは
 コピーのためというよりかは、
 パソコンで作った原稿のプリントアウト用だ。

 万年筆で手書きした原稿をワードに入力し、
 それをプリントアウトして推敲していく。

 手書きの段階で、
 完全な原稿になるなんて
 まずなくて
 推敲を3回くらいは行う。

 たとえるなら
 大木をトンカチとノミで少しずつ彫り進めて
 だんだんと形を整えていくといったイメージだ。

 この推敲の時に使うのが
 パイロットカスタム742 極細万年筆に
 純正赤インクを入れたものだ。

 私にとってコピー用紙とは、
 プリントアウトして万年筆で朱入れする紙という
 位置付けなのである。

 だから
 万年筆での書き味も堪能できる
 コピー用紙があったらいいのにと
 かねてから思っていた。

 ある時デザインフィルの方に
 MD 用紙の紙を使ったコピー用紙なんて作ってみたらどうですか?
 ノートのように表紙や製本の必要もないから
 製造の手間もかからないですし…と話したことがあった。

 すると、
 本当に、 MD用紙のコピー用紙を作ってくれた。

 その名も「 MD用紙」。


 


□100枚パックで一枚一枚の紙は、
 糊などで綴じられることなくバラバラになっている。


 


 紙の種類は MD クリーム。

 コピー用紙だから白い紙の方がよかったかなと一瞬思ったが、
 すぐさまその考えを訂正した。


 


 その理由は
 一般のコピー用紙と見た目で区別できるからだ。


 


 全てのプリントアウトに
 この「 MD用紙」を使うのは、さすがに費用がかかる。

 ここぞの時だけ使うので、
 色で区別できた方がいい。

 このコラムの推敲用原稿も
 「 MD用紙」にプリントアウトして万年筆で推敲してみた。

 「MD用紙」は「MDノート」で
 これまで何度となく書いてきたが、
 コピー用紙として書くのははじめて。

 何だかちょっと違う印象があった。

 でも紛れもなくこれは MD 用紙だ。

 心地よいスムースさがあり、
 万年筆が気持ちよく走る。

 紙が呼吸するかのように
 インクもスゥッと気持ちよさそうにしみ込んでいく。

 やっぱり思っていたとおり、
 推敲にいい紙を使うというのは心地よいものだった。

 推敲、つまり朱入れというのは
 結局のところ自分へのダメ出し。

 あまり気の進むものではない。

 こうして上質な紙で行うと、
 気分的にもいいものがある。


 


□とは言え
 この「MD用紙」は推敲専用のものではない。

 これ以外にも使い方はいくらでもある。

 たとえば
 アイデア ラフスケッチ用紙としてだ。

 アイデアを考える時に
  A 4のコピー用紙を使う人は意外と多い。

 それをこの上質な「 MD 用紙」でやる訳だ。

 「 MD ノート」は綴じがフラットに開く心地よさがあるが、
 その点でいくと
 この「 MD用紙」はそもそも綴じがないので、
 完璧なるフラットが味わえる

 「 MD 用紙」を机に広げ
 お気に入りのペンでアイデアを書きとめる。

 考えただけで気持ちよさそうだ。


□これからはコピー用紙でも紙質にこだわる、
 そんな時代がもうすぐそこまでやってきているように思う。


(2013年8月27日作成)


 ■ 「 MD用紙」はミドリオンラインストア限定で販売されています。


 


□記事作成後記

 ライティングパッド、
 つまり、書く専用の紙として「MD用紙」を使う時は、
 たとえば
 ポスタルコのスナップパッドにセットして使うというのも
 いいと思います。


 

 



□関連リンク
 
 ■ 「そぎ落とすことで、見えてくるもの」 ミドリ MDノート 

 ■ 「スケッチブックをノートとして使う その2」 月光荘 スケッチブック ウス点 2F

 ■ 「考える場としてのノート」
 
 ■ 「造りのよさが感じられるノート」 みすず小口染めノート  

 ■ 「凹凸感のある書き味」 オリジナルクラウンミル クリームレイド A4ライティングパッド 

 ■ 「校正専用として買った万年筆」 パイロット カスタム742 万年筆

 ■ 「パチンと留めるクリップボード」 ポスタルコ スナップパッド


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