文具で楽しいひととき
■ その188 「紙質のよさ+作りのよさ+歴史」
       ライフ2009年新製品発表会展示会レポート


□もともとは小学校だったという「台東デザイナーズ ビレッジ」という施設。


  


 年季の入った正門を通り抜けると、職員室らしき部屋もあり、
 小学校の面影を今も残している。

 現在この施設には様々なデザイナーが入居し、
 新しいプロダクトを生み出しているという。

 長い歴史を持つライフは、
 ここ数年のノーブルノートなど
 新たなデザインに力を入れている。

 そんなライフに、
 この会場は何ともピッタリだなぁ、という感じがした。

 9月2日から4日、
 この台東デザイナーズ ビレッジで
 ライフの新作発表展示会が開催された。


  


 私の記憶が楽しければ今年で3回目となる。

 これまでの中で今回が最も力が入っていた。

 それは新作の数が物語っている。

 今回は何と50アイテムにものぼっている。

 すでに店頭でも並び始めているが、
 今回はそれらの新作をご紹介したいと思う。


□まずは、ライフの名を一躍若い人たちにもとどろかせる
 きっかけとなったノーブルノート。

 クラシカルなデザイン、そして独自に抄いたオリジナルの紙
 「 L クリーム ライティングペーパー」使った本格派のノートシリーズである。


  


 このノーブルノートシリーズの中で、
 おそらく待ちこがれていたという人も多いと思う、
 システム手帳リフィルが仲間入りした。


  


 サイズはバイブルサイズそしてにミニ6穴の2種類。

 紙面はこれまで通りの5mm方眼、横罫線、無地。

 あのノーブルノートの書き味をシステム手帳でも味わえるようになる。


    


 システム手帳ということで横罫の幅はノートタイプの8mm幅に対して
 やや細めの6mm幅となっている。

 そしてライフの正直ぶりがよく現れているのが、
 これらの価格設定。

 5mm方眼や罫線よりも無地の方が価格が安くなっている。

 線を印刷しない分、当然原価も抑えられるので、
 と担当者の方は語ってくれた。

 
  ◆ ノーブルリフィル 
      バイブルサイズ 5mm方眼、6mm横罫 各525円。 無地  473円

      ミニ6穴サイズ  5mm 方眼、6mm 横罫 各473円。 無地 420円

                                   (すべて100枚入り)


□このノーブルシリーズの弟分、いやこれは妹と言ったほうがいいかもしれない。

 いずれにしても、こちらもクラシカル感漂うノートが新登場していた。

 その名も「ホワイト ヴィンテージ」。


  


 この名前の由来は中の紙面を見ればわかる。

 ノーブルがクリームの紙を使っていたのに対し、こちらはホワイト。

 しかも、このヴィンテージ ホワイトは、ノーブルの紙をベースにしたもの。
 つまり、これもライフがオリジナルで抄いた紙になっている。


  


 名前もちゃんとあって、「L ホワイト ライティングペーパー」という。

 聞くところによれば同じ紙でもクリームとホワイトでは
 微妙にその書き味は違ってくるそうだ。

 しかし、ライフのものはそれぞれの書き味を限りなく同じように近づけて
 抄いているという。

 そして、中の紙だけでなく、
 このノートは表紙にも注目である。

 ノーブルノートとはまた違うテイストになっている。

 ちなみに、
 これはノーブルの時とは違うデザイナーによるもの。

 大学ノートをよりクラシカルに、
 いやむしろモダンになったと言ったほうがいいだろうか。

 これまでにない顔になっている


 


 「P」の文字に目をぐっと近づけると
 その周りに金の泊が押されているのがわかる。

 この泊は二重に押された手間のかかったもの。


  


 まずキラキラとした金泊を押し、その上に、
 ややザラザラとした金箔を重ねて押している。


  


 これにより、金を使いながらも、
 上品なアンティーク調を生み出している。

 サイズはノーブルノートよりもやや小さめ。

 大きいほうから新書サイズ、文庫サイズとしてポケットサイズ。


      
            【 新書サイズ】                          【文庫サイズ】                        【ポケットサイズ】


 紙面は5mm方眼、7mm横罫線、そして無地の3種類。


      


 ページ数はノーブルノートと同じタップリな100枚。


  


 このホワイト ヴィンテージはノーブルノートと同じ加工先さんで
 作られているという。

 当初、その加工先さんではこんなに小さいノートだと、
 折りの工程が難しく、出来そうにないと言われたそうだ。

 それをライフの方が丁寧に説得を続け、実現にこぎつけたという。

 会場にはライフのノートが加工先さんで
 まさに職人さんの手により、
 一つ一つ作られている模様がテレビで映し出されていた。


  


 その中でこのホワイトヴィンテージの折りの工程があったが、
 この小さなノートを機械に入れるのは相当に神経を使い、
 同時に危険を伴うということが私の目にもよく分かった。

 ◆ ホワイトヴィンテージ
    新書サイズ   5mm方眼、7mm横罫 各840円。 無地 788円
    文庫サイズ   5mm 方眼、7mm横罫 各735円。無地 683円。
    ポケットサイズ 5mm 方眼、7mm横罫 各735円。無地 683円。
                                   (すべて100枚)





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