2013.04.04(extra)

「筆文字が上手に書ける」

ぺんてる

筆タッチサインペン

日本語が最も美しく書ける筆記具と言えば、日本古来からある筆だろう。

トメ、ハネ、ハライといった強弱の効いた美しい文字を見ていると、自分でもあんなに美しい文字が書けたら、どんなにいいだろうかとつくづく思ってしまう。私のような書道の手習いのない人でも、美しい筆文字が手軽に書けるペンがある。
それが、このぺんてる 筆touch サインペンだ。

筆タッチサインペン

そもそも、筆は軸を直立にして、手を紙にのせずにサラサラと書くことが多い。普段使っているペンでは、斜めに持って、紙の上に手をどっしりとおいて書くのに慣れきってしまっている。なので、その調子で筆ペンを書くと、穂先がグニャとつぶれて、なかなかうまく書くことができない。この穂先を絶妙な力加減でもって操るのが、筆が得意でない者にとっては至難の業。

しかし、この筆touch サインペンでは、こうした筆ペン特有の書き方をほとんど意識せずに、いつものペンのような感覚で書けてしまう優れものなのだ。その秘密は、ペン先に隠されている。キャップをはずすと、筆ペンによく見られるやや長めのペン先が現れる。

一般の筆ペンは書道の筆のように一本一本の毛で作られているが、このペンはウレタン素材で作られており、しかも、そのペン先の根もとには、白いガードのようなもので覆われている。実際に書いてみるとよくわかるのだが、筆ペンよりもやや弾力がある。

筆タッチサインペン

筆タッチサインペン

そのコシの強さをよりしっかりと味あわせてくれるのが、この根もとについたガードの部分。これがあることで、ペン先が必要以上にグニャとならずに、気持ちよく書き進めることができる。ちょうど、筆ペンとサインペンの中間くらいといった感じだ。その書き心地のよさもさることながら、筆跡もかなりの本格派。

書道の手習いのない私でも、ただただ普通に書いていているだけで、筆っぽさあふれる筆跡をつくり出すことができる。筆文字ならではの「トメ」、「ハネ」、「ハライ」も、心の中で唱えながら、それなりペン先を進めていけば、結構うまくいく。こんなに手軽に美しい文字が書けるものだから、実は自分には、もともと書道の才能があったのではないかと、勘違いをしてしまいそうなくらいだ。

これまで、筆ペンに悪戦苦闘をしていたのが嘘のように手軽に美しい文字を書くことができるこの筆文字サインペン、宛名書き、結婚式の記帳、手紙など、人様にお見せする文字を書くときに大活躍してくれそうだ。また、カラーインクタイプを使えば、「マインドマップ」を描くのにもいいかもしれない。

*このコラムは、神奈川新聞での連載「至福の文具」を加筆修正したものです。

* ぺんてる 筆touch サインペン 150円+TAX

□ ぺんてる 筆タッチサインペンは、こちらで販売されています。

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