2016.08.09(361-2)

「ISOT2016 その2」

国際 文具・紙製品展レポート

ISOT2016レポート カール事務器

■ なるほど!な新作

ISOT2016レポート LIHIT LAB.

リングノートなのにリングが外れて紙の差し替えができる「ツイストノート」などユーザーの心の奥底に潜むニーズをすくい上げることを得意としているLIHIT LAB.。今回もたしかにこれは便利だよね、というものが登場していた。ひとつは「レターオープナーアケルンダー」。「アケルンダー」という少々コテコテな表現に一瞬ひるんでしまうが、たしかにそう言い切っているだけのことはあった。機能としては封筒の口をカットするものだ。通常封筒が郵送されてくると、封かんされたところは、端っこにスキ間がある。そこにレターオープナーのガイド部分を差し込みスーッとカットしていく。この「レターオープナーアケルンダー」も基本はその働きをしてくれる。

ISOT2016レポート LIHIT LAB.

ISOT2016レポート LIHIT LAB.

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ただ「アケルンダー」とあえて言っているだけに、それだけでは終わらない。送られてくる封筒によっては、閉じ口に全然スキ間がないこともある。わかりやすく説明すると、閉じ口と逆の部分みたいな感じだ。スキ間がないと、先ほどのようにさしこむことすらできない。それを解決してくれるのが、もう一方の小さめのカッターだ。それで封筒の角にセットしてエイッと切ってしまう。すると封筒の角だけが少しばかりカットされて穴が開く。そのスキ間に先ほどのガイド部分を差し込みスライドさせる。2つの刃は同じものが使われており、本体に替え刃が2枚付属されている。「レターオープナーアケルンダー」600円+tax。

ISOT2016レポート LIHIT LAB.

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もうひとつは「ホワイトボードカレンダー」。こちらは先ほどのようなネーミングのすごさはない。しかし、機構は負けず劣らず結構すごい。基本はカレンダーがホワイトボードのように書き込みができるというものだ。それだけなら他社からも出ている。

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これは、この1枚で永久カレンダーになってしまうのだ。つまり、7月、8月、9月と日付の数字が変わっていくので、年をまたいでもずっと使っていける。その数字の変わり具合が実に面白い。まず、月を変える。これはボードの右端にダイヤルがあり、そこをクルクルと回転させる。まぁ、これはふつうだ。

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各日付けも同じように窓状になっていて内側に数字がある。まさかこの日付けも月と同じように1つずつ、つまり30個近く変えないよね。。という私の心配をよそに担当の方は一発で変えてしまった。やり方は、まずカレンダーを裏返す。裏面にはもう一枚のボードが重ねあわされている。この一枚に日付けが印刷されている。下側のロックをパチッと解除すると、日付けのボードだけが小さい円を描きながらクルクルと回る。左下には曜日表示がある。

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2016年7月に合わせるなら、こうする。2016年7月1日が何曜日ではじまるかを確認する。7月は金曜日からはじまる。そこで先ほどの裏面の左下の曜日を「金」にする。あとはロックを固定すればOK。7月の日付けがすべて正しく並んでいる。同じように2016年8月の時は、1日が月曜日からはじまるので、裏面インデックスを「月」にあわせるだけ。気になるのは、2月の28日しかない月だ。それ以外にも30日や31日の月だってある。この点はどうするのか?担当の方は、その時はこうするんですと、ボードマーカーで不要な30日や31日に×印を付けた。なるほどわかりやすい。月が変わるごとに日付けの数字を書き込む手間がないのが実に便利だ。「ホワイトボードカレンダー」3,500円+tax。

ISOT2016レポート LIHIT LAB.

■ リデザイン力が光る

ISOT2016レポート カール事務器

カール事務器は昨年から社長が変わり、商品のデザインも結構ガラリと変化を遂げている。一言で言うなら、デザインがよりシンプルになったという印象。また、これまであった商品をじっくり見つめてリプロデュースし、新たな価値を生み出しているという点もある。カール事務器の超定番アイテムであるブックエンドが新しいアイテムとして生まれ変わっていた。商品名は「シキルイタ」(オープン価格)。L字型をしたこのアイテムは、なにも本だけを支えるだけでなく、もっといろんなものを立たせたり、仕切ったりできるはずだということから着想している。一番のポイントは、素材をこれまでのスチールからアルミにしている。アルミにしたことで、「錆」ということを気にしなくてよくなり、水がある場所でもどしどし使えるようになった。たとえば、台所や洗面所、お風呂場などなど。また、裏面にはこれまでのブックエンドではあったゴムの滑りどめが取り払われている。これにより縦横いずれでも使えるようになっている。(なお、ゴムの滑り止めは付属されるので、必要な場合は付けることもできる)サイズも大中小と3つあり、一番小さいものは引き出しの中の間仕切りにも使える。いろんな場面で幅広く使えるツールだ。個人的には、シルバータイプは、iMacとセットで使うとしっくりくると感じた。一度試してみたいと思う。

ISOT2016レポート カール事務器

ISOT2016レポート カール事務器

ISOT2016レポート カール事務器

ISOT2016レポート カール事務器

ISOT2016レポート カール事務器

斜めにペンをセットできる「ツールスタンド」も素材が変わったタイプが登場していた。これまでのものにはABS樹脂が使われていた。今回はアクリルタイプが加わっていた。アクリルということでスケルトンも可能となった。透明ということで色々なツールを入れた時により探しやすくなるというメリットがあるかもしれない。スケルトンでないホワイトやブラックのアクリルモデルもある。従来品よりも表面の光沢感が増している。特にホワイトはこれまでアイボリーだったのが、真っ白になっていた。名前も「ツールスタンド」から「マルチスタンド」に(オープン価格)。先ほどの「シキルイタ」でもそうだったが、カール事務器ではあまり用途を絞りこまず、いろんな場面で使えるというところを狙っているようだ。

ISOT2016レポート カール事務器

ISOT2016レポート カール事務器

■ サラサの新作

ファンの多いゼブラのジェルインクボールペン「サラサ」。ゼブラでは「ゲルインク」ではなく、あくまでも「ジェルインク」と言っている。そう言えば、1990年代にゼブラ初の「ジェルインク」ボールペンは「ジェルビー」という名だった。その流れを大切にしているのかもしれない。その「ジェルインク」のハイエンドモデルが「サラサグランド」。アルミのメタルボディはまさにサラサラとした指触り。「サラサ」のトレードマークであるグリップのスリットもちゃんとメタルグリップに彫り込まれている。メタルとは言え、それほどの重量感はなく、これは重みよりもメタルの質感を味わうタイプのようだ。ボール経は、0.4mm、0.5mmの2タイプ。各1,000円+tax。ちなみに最近話題の「サラサドライ」リフィルを入れて使うことも可能とのこと。

ISOT2016レポート ゼブラ

ISOT2016レポート ゼブラ

ISOT2016レポート ゼブラ

また、「サラサ」単色タイプにヴィンテージカラーがラインナップされていた。通常の「サラサ」でも黒、赤、青という定番インク以外にブルーブラックもある。今回のヴィンテージカラーでは、ブルーブラックに加え、グリーンブラック、ブラウングレー、レッドブラックという万年筆インクを思わせる落ち着いたカラーがある。ボディカラーも同色にし、アイボリーのクリップがヴィンテージ感をよりアップさせている。各100円+tax。

ISOT2016レポート ゼブラ

ISOT2016レポート ゼブラ

ISOT2016レポート ゼブラ

■ 紙針のホチキスがよりパーソナルに

巷ではハリナシステープラーが幅を効かせている昨今、針アリホッチキスのマックスが数年前から売り出している紙針ホッチキス「P-KISS」。その存在はリリースで読んだことはあったが、実際に手にして使ったことはなかった。というのも、当初の「P-KISS」は業務用という、少々大きないでたちだったのでお目にかかる機会がなかった。そのパーソナル版「P-KISS10」がISOTで初お披露目されていた。一般的なホッチキスにしては少々大きいが、従来の「P-KISS」に比べると格段にコンパクトになっている。今回、実際に使ってみて、この紙針というものの価値を見直すことができた。本体には紙針リフィルがキャタピラのようにつながってセットされているのが見える。ガチャリと紙を綴じると、書類に2カ所スリットをあけて紙針が綴じ込まれる。最大で10枚まで綴じられる。紙針の先端には粘着面があり、しっかりと固定される。針ナシステープラーは書類の一部を切り取って、それをとじ具にしている。そのため枚数が増えていくと、その分とじ部分の厚みは少しばかり出てしまう。しかし、この紙針は枚数に関係なく、あくまで紙針分だけの厚さアップに抑えられる。それに紙針とは言え、綴じはもはや「仮」というものではなく、しっかりとしたものだ。針ナシとは違う独自の道を歩んでいけるアイテムだ。6,800円とホッチキスにしてはやや高めであるが、金属針を使いたくない、それでいてしっかり綴じたいというシーンには受け入れられるだろう。

ISOT2016レポート マックス

ISOT2016レポート マックス手前が先行して発売されている「P-KISS」。比べると「P-KISS 10」がコンパクトになっていることがわかる。

ISOT2016レポート マックス

ISOT2016レポート マックス

ISOT2016レポート マックス

また、私も愛用している11号針を使う「バイモ11フラット」のコンパクトタイプ「バイモ11ポリゴ」が展示されていた(1,200円+tax  発売中)。まさにポリゴン(多面体)フォルム。現行の「バイモ11フラット」よりコンパクトながら同じメカニズムを搭載しているので、同様に40枚も綴じられる力持ち。綴じ心地は従来版とほぼ同じ軽さを維持しているのには驚いた。唯一の欠点をあげるならば、針が1個しか装填できないところ。「バイモ11フラット」は2個セットできる。その分コンパクトなのだから、これは致し方ないということか。

ISOT2016レポート マックス手前が「バイモ11ポリゴ」、奥が現行の「バイモ11フラット」

そして、こちらは10号針を使う「サクリフラット」(690円+tax 2016年8月22日発売)。「バイモ11ポリゴ」よりもさらに小さなボディで32枚の書類を綴じることができる。装填できる針は2個(100本)に加え、ハンドルにも予備針を2個(100本)セットできる。実はこれまでも予備針はセットできたが、スケルトン窓ではなかったので、ユーザーにはわかりづらかった。ホッチキスも次々に進化を遂げている。

ISOT2016レポート マックス

ISOT2016レポート マックス

前編では、小さなブースのエッジの立った新製品をご紹介しています。

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