2015.08.11(336-1)

「ISOT2015 1」

国際 文具・紙製品展レポート

ISOT2015 レポート

28回目を数えるISOT。出展しているメーカーの中には、このISOTに照準をあわせて新製品を開発しているところも多い。実際この会場で初お披露目される新製品も結構ある。

そうした新製品をいち早く手にとって見られるのもISOTの魅力だが、もうひとつ個人的に注目していることがある。それは文具に軸足に置いていない異業種系メーカーの存在。文具業界に属していないので、ふだんなかなか巡り会う機会がない。

そうした文具に出会えるのもISOTならでは。ISOTは、文具のトレンドをつかむことができ、一方で新しい流れをチェックすることもできるので、私にとって大切なインプットの場となっている。個人的にこれは面白い!と感じた文具を12社取材してきた。

■ イメージが変わったカール事務器

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会場を歩いていると私と同じように取材をしているプレスの方々とすれちがう。なにか面白いところはありました?が挨拶代わりになっている。その中の一人からカール事務器さんのイメージチェンジぶりがすごいとお聞きし、ブースに向かってみた。ブースに入ってすぐにその意味がわかった。

「ミスターパンチ」という新商品があった。(12月発売予定)

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カール事務器が得意とする2穴パンチが全く新しく生まれ変わっていた。圧倒的な新しさのあるデザインだ。

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まず、目を引くのがアルミ製のフラットなハンドル。デスクの上に置いておきたくなるデザインをしている。センタリングの目印があるベース部分はステンレス製になっている。使い勝手の上ではアルミのハンドル、そしてステンレスベースという硬質な印象がある。

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しかし、手にするとこれがとても軽い。舞台裏をみると軽量化を追求したことがよくわかる。

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構造体のほとんどが樹脂製になっている。樹脂を格子状に張りめぐらせることで軽量化を計っている。ただ、耐久性もしっかり考えられていて強化樹脂が使われている。デザインだけでなく機能性も向上されている。パンチの押し心地が従来の「アリシス」よりもさらに20~30%も軽くなっているという。

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「アリシス」にも採用された二重テコに加え、新たにローラーも組み込むことで、より軽い使い心地を実現している。

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まだまだ2穴パンチは進化を続けているのを感じた。実は、カール事務器ではこのほど外部から新しい社長が就任した。玉山隆三氏という方で元ソニーの技術者だという。それを聞いて「ミスターパンチ」を改めてみるとなるほど、と思ってしまう納得感があった。

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この「ミスターパンチ」だけで十分新製品を堪能できたので、それじゃとブースを失礼しようとしたら、もうひとつ見て欲しいと言われ案内された。それが、この「くるくるカールくん」。

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一転してかわいらしい学童向け文具だ。これは手で持って使う鉛筆削り。

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ふつうは鉛筆をさしこんだら鉛筆のほうをグリグリと回していく。これは、鉛筆をさして反対側にあるハンドルの方を回していくのだ。

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これまでより楽に回せる。

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これを見て、私はギターの弦を速く巻き付ける道具を思い出した。通常、ギターの弦を新しくセットするにはペグというところを何回も回さなければならない。それをその道具をペグに付けると、回転半径が少しばかり大きくなって楽に回せるようになる。

「くるくるカールくん」は、手持ち式鉛筆削りとハンドル式の合体版のようだ。

* ミスターパンチ オープン価格
* くるくるカールくん オープン価格

■ 新しい付せんの使い方ができる ヤマト

ヤマトから事前にニュースリリースが送られていた。それを読んでこれはユニークだ!と実物を見るのを楽しみにしていたのが「CHIGIRU(チギル)」という新製品だ。

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見た目は半透明のロール付せん。幅5cmの付せんが1.5mも巻かれている。

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ロールとは言っても、中芯がギュッとつぶされたようにペチャンコになっている。

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このフラットなロールスタイルにしたのは、携帯性をよくするためだ。たしかに、これまでのロール式よりペンケースなどにも入れやすい。そして、最大の特徴は付せんにミシン目が入っているところ。しかも、そのミシン目が変わっていて、5mm方眼状のミシン目になっているのだ。

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つまり、縦横両方から切り取っていける。素材はユポ紙。防水性に優れた紙でよくアウトドアメモなどに使われている。ただ、今回のものはそうしたアウトドアメモよりもずっと薄い。

ちょっと書いてみてくださいと、ヤマトの役員の方が自信満々に言われるので、手にしていたシャープペンで書いてみた。そもそもユポ紙は黒鉛芯との相性がよい。「CHIGIRU」も書き味がとてもいい。あれ?と思ったのが、ミシン目があるはずなのに書いていて全くそれを感じなかった。まるでフラットな紙面に書いているようだ。

ミシン目を入れる刃は、凹凸がでにくい特殊なものを使い、刃を入れる際の圧力も微妙に調節しているのだそうだ。だから書き味に影響がないのだ。切りとるときは、ミシン目の流れに沿って手前に引くようにするとキレイにいく。一番小さい5mmの四角にカットすれば、手帳の日付けだけをマークするのにちょうどよい。また、5mmの幅で少し長めにカットすれば文章のハイライトに役立つ。

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貼る側にあわせて、大きさを変えられるフレキシブル付せんだ。

*CHIGIRU 480円+tax

■ クリアフォルダーの弱点を克服した「ステキフォルダ」

異業種系文具メーカー。もともとは別の事業分野があり、そこで培った技術を文具に活かしているメーカーだ。この東日スクリーンプロセスは、まさにそうしたメーカーである。

同社では、「メンブレン印刷」というほぼフラットな表面にスイッチを作る印刷や糊の印刷などを行ってる。その印刷技術をクリアフォルダーに活かしている。

クリアフォルダーはとりあえず書類を入れておくという点ではとても便利だ。しかし、中の書類を閲覧するには角から覗き込んだり、いちいち取り出さなくてはならなかったりと面倒だ。この「ステキフォルダ」はその閲覧性に優れている。見た目としては、いたってふつうのクリアフォルダーである。

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ただ、細かな点ではいくつか違っている。たとえば、完全に開くことができる。そして、その中央には、タブ状のスリットがいくつもある。

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そこにだけ特殊な糊がドット状に印刷されている。このタブを起こして書類を貼り付けていく。

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上下2カ所をとめればOK。こうすれば、書類は綴じられたように固定できパラパラと閲覧しやすくなる。逆さまにしてもしっかり固定されている。

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もちろん、貼り付けた書類はキレイに剥がせ何度も使えるという。

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* ステキフォルダ 5枚セット 1,000円+tax

■ 電子文具と女子文具 キングジム

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まず、これを見て欲しいと、広報の方に案内されたのが「ピットレック」。

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携帯できる名刺データ管理デバイスだ。それが新しく生まれ変わっていた。最大の特徴は、タッチパネルで操作できるようになったところ。

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これまでは十字キーでの操作だった。タッチパネルになったことでスマホ感覚での操作が可能になった。さらに手書きメモもできるようになった。

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会った日など予め名刺に手書きして、その後にスキャンすることはできるが、一度デジタル化してしまうと、追加で手書きするのがやりづらかった。新ピットレックでは、タッチパネルにスタイラスや指で直接書き込んでいける。名刺データはSDカードに保存される。2GBでおよそ5,000枚の名刺データが保存できるという。

このピットレックが便利なのは、名刺交換した帰りの電車などで名刺スキャンができるところだ。内蔵のカメラを立ち上げ、本体端にある溝に名刺をさしてボタンを押すだけ。

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名刺のスキャンというものは、あとでまとめてやろうとしてもなかなかできない。ピットレックならちょっとしたすき間時間で出来てしまう。

*ピットレックDNH20 37,000円+tax

もうひとつブースで人気を集めていたのが「暮らしのキロク」という付せん。

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これは、言わばライフログ用のシーン別テンプレート付せん。

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手帳に今日食べた食事や買ったものなどを記録するライフログがすっかり定着している。

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ただ、そうした情報を魅力的に描くのは絵心がないとなかなか難しかったりする。そこに目をつけたのがこの付せんだ。シーンごとに予めイラストなどが印刷されているので、情報を書き込んでいくだけでOK。ほぼ日手帳やマークス EDiTにもピタリと収まるサイズになっている。コーヒー、スウィーツ、レストラン、Bookなど全12シーンがある。

*暮らしのキロク 各25枚入り 450円+tax

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